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CES2018で注目すべきはどの製品!? aiboから8Kモニター、Google homeまでイッキ見!
2018年1月18日 14:32
世界最大の家電見本市「CES 2018」が、米ネバダ州ラスベガスで、1月9日~12日(現地時間)まで開催された。
全世界150国以上から3,900以上の企業が出展し、会期中には17万人以上が来場した模様だ。また、事務局によると、期間中、CES 2018に関するツイートは860,732件に上り、#CES2018のハッシュタグは450,554回使われたという。
日本からは、例年同様に、パナソニック、ソニーなどの電機メーカーが出展したほか、韓国サムスン電子やLG電子といった韓国勢や、ハイセンス、TCLなどの中国勢なども大きなブースを構えていた。
また、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダなどの主要国内自動車メーカーが相次ぎ出展。フォルクスワーゲン、メルセデスベンツ、フォード、キアなどの海外自動車メーカーも大規模なブースで出展し、家電見本市という枠を超えるイベントとなった。自動運転の実用化に向けて、電機業界と自動車業界がCESで競演する格好になったといえよう。
家電 Watchでは、電機メーカーの展示を中心にCES 2018の様子を紹介しよう。
パナソニックはBtoBシフトが鮮明に
パナソニックは、別記事で詳細を紹介したが、メインブースでは家電の展示を行なわず、ホテルを別会場として家電の新製品を展示して、招待者だけに公開する形にした。
パナソニックの津賀一宏社長は、「パナソニックは、2013年1月のCESの基調講演において、BtoBシフトを鮮明にしており、テレビだけの会社ではなく、様々なパートナーとともに、お客様が生活するスペースでお役立ちする道を広げていくことを明確にした。それ以来、CESのパナソニックブースでは、できるだけ家電製品を減らしていくことに取り組んできた」とする。
CESの出展におけるこの方針は、当面、変わらないといえそうだ。
子犬型のエンタテイメントロボ「aibo」に注目が集まったソニーブース
ソニーは、パナソニックの展示とは対照的に、例年通り、コンシューマ製品を前面に打ち出した。
ブース入口には、CES 2018での目玉のひとつとなった有機ELテレビ「ブラビア A8Fシリーズ」を展示。さらに、次世代高画質プロセッサ「X1 Ultimate」を参考展示し、4K有機ELディスプレイと8K液晶ディスプレイによるデモンストレーションを行なった。
なかでも注目を集めた展示が子犬型デザインを採用した自律型エンタテインメントロボット「aibo(アイボ)」だ。日本では1月11日から出荷が開始されたが、海外での展示は今回が初めてとなる。ソニーの平井一夫社長は、「本物を見てもらうことで、様々なコメントを得るのが狙い。日本人が可愛いと感じるaiboが、米国人や中国人にとっても可愛いと思ってもらえるのか。そのリアクションを知る目的もあった。リアクション次第では海外展開をしたいと考えている」と語った。
また、オーディオ分野での展示にも力を注いでおり、CES 2018で発表したワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WF-SP700N」は、左右独立型ヘッドホンとして世界初となるIPX4の防滴対応を実現。音楽に浸りつつも、周りの音を取り込む「アンビエントサウンド(外音取り込み)モード」を搭載し、スポーツシーンでの利用にも最適化している。
スマートフォンでは、6.0型フルHDディスプレイを採用したミッドレンジスマホ「Xperia XA2 Ultra」を展示。約2,300万画素のメインカメラに加えて、手ブレや暗所に強い1,600万画素の高精細カメラと、大人数を写せる約120度の超広角の800万画素セルフィーカメラを搭載。どんな自撮りにも対応できるようにした。
また、Life Space UXでは、4K超短焦点プロジェクター「LSPX-A1」を展示。天面に人工大理石を採用したり、木目調の棚を採用したりといった素材へのこだわりにより、居住空間に家具のようになじむ佇まいを実現。壁面に置くだけで最大120型の4K HDR大画面で壁に投射できる。
ソニーの平井社長は、「お客様に直接お届けするコンシューマ製品を強くしていくことが、ソニーのDNAであり、一番得意としているところである。コンシューマビジネスを大事にしていくことが私の強い意志である」と発言。それを表現するようなブース構成となっていた。
シャープは8Kモニターに注力
シャープは、ホテルの一室を使った展示を行ない、やはり招待客に限定して公開した。
展示したのは、70型8Kモニター、27型8Kモニター、そして、8Kカムコーダーの8K製品群。日本ではすでに公開されている製品だが、米国では初めての公開。中期経営計画の柱のひとつに掲げる「8Kエコシステム」の推進に向けて、米国市場においても、シャープの技術力を訴求する狙いがあったといえる。
LG Electronicsは、全ての製品にAIを搭載か
韓国勢では、SamsungおよびLG Electronicsのブースが来場者の関心を集めていた。
LG Electronicsは、プレスカンファレンスで、すべての製品にAIを搭載する姿勢を示し、それを裏付けるように、新たに発表したAIプラットホーム「LG ThinQ AI」を軸とした展示を行なった。
エアコンや洗濯乾燥機、ロボット掃除機などを家庭内の無線LANで連携。AIエージェントロボット「LG CLOi」を通じて、音声で家電製品をコントロールしたり、使い続けていくと使い方にあわせて家電が賢く学習して進化したりといったように、それぞれの家庭にあわせた機器連携などが行なわれるという。
洗濯乾燥機では、洗濯物にあわせて最適な洗濯を行なったり、クローゼット型ホームクリーニング機「LG styler」を組み合わせて、最適な洗濯ソリューションを提案したりといったことも可能になる。音声アシスタントのGoogle AssistantとAmazon Alexaにも対応しており、利用者はこれらを区別することなく、「LG ThinQ」上でシームレスに利用できるという。
また、LG ThinQは車とも連動可能。たとえば、必要な食材がある場合に、冷蔵庫からクルマに情報を配信し、移動中に途中の店舗で食材をピックアップするといったことが行なえるほか、家庭内のエネルギー制御においては、時間ごとに最適な家庭内のエネルギー制御を行なったり、家とEVを連動させた効率的なエネルギー管理も可能になる。また、家電製品の稼働状況をモニタリングしてAIで分析し、リアルタイムで予防保守を行なうサービスを開始する考えも示した。
テレビでは、画像処理プロセッサ「α9」を搭載した有機ELテレビの製品群を展示。CPU性能35%、GPU性能を35%、メモリを50%向上させ、画質をより高めることができたという。また、液晶テレビについても、同社独自のNano Cellディスプレイを展示。視野角が広く、60度の角度から見ても、鮮明な色で視聴できる様子をデモンストレーションした。
また、LG電子のブースで恒例となっている入口のLG電子製ディスプレイを利用した展示は、今年は、246枚の55型有機ELディスプレイを使用。様々な角度に曲げた曲面ディスプレイを使用しており、有機ELならではの表現力の強みを訴求。様々な風景を映し出すコンテンツを見ていると、ちょっとしたアトラクションに参加しているような感じだった。
そのほか、仁川国際空港で稼働しているガイドロボットが7,500人以上に対応したこと、クリーニングロボットが1台あたり373マイル(約600km)も掃除をしたことを紹介しながら、新たにサービングロボット、ポーターロボット、ショッピングカートロボットの3台を開発したことを発表。今後、実証実験を行なっていくことになる。
Samsung、独自の音声アシスタント技術である「Bixby」によるスマートホームを公開
Samsungは、CES 2018において、独自の音声アシスタント技術である「Bixby」を前面に打ち出した展示を行なっていた。
もともとBixbyは、Samsungのスマホで利用できる音声アシスタントだったが、テレビでも利用できるようにしたほか、スマートホーム向けプラットホーム「SmartThings」にも対応し、Samsungの家電製品だけでなく、これに対応した家電機器などを、音声によってコントロールできるようにした。
ブースでも、Bixbyを活用したデモストレーションがあちこちで行なわれていたほか、SmartThingsに対応した家電製品の活用事例も積極的に紹介していた。
冷蔵庫のFamily Hubでは、新製品を発表してラインアップを強化。さらに、Bixbyにも対応し、音声による対話を通じて、家事を便利にする様子を紹介した。
また、Samsungでは、OPEN CONNECTIVITY FOUNDATION(OCF)をサポートすることで、他社のスマート家電と連動していく考えも明らかにしたほか、セキュリティプラットフォームである「Samsungg Knox」を、冷蔵庫をはじめとするスマート家電や薄型テレビなどにも対応することを発表し、スマートホーム時代のセキュリティを強化する姿勢をみせたのが印象的だった。
さらに、Project Ambienceによる様々なデバイスを接続した家庭内の様子をデモンストレーションするなど、ブース全体で、デバイス同士を接続し、そこに音声アシスタントなどのAIを組み合わせることで、次世代のスマートホームの実現につなげる展示が行なわれていたといえよう。