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東京電力とパナソニック、観光や災害情報などを配信する「ストリートサイネージ」プロジェクトをスタート

 東京電力パワーグリッドと東電タウンプランニング(以下、合わせて東電PG)と、パナソニックとパナソニック システムソリューションズ ジャパン(以下、合わせてパナソニック)は、東電PGが所有する配電地上機器を活用した情報配信等に関して共同で企画・開発を開始することを発表した。

無電柱化に伴い増加する配電地上機器にデジタルサイネージを搭載。そのときに必要な情報を表示できるようなサービスを目指す

 無電柱化に伴い増加する、配電地上機器を活用した新しいプロジェクト。2016年の12月には「無電柱化推進法」が成立するなど、現在、美しい景観と災害に強い街づくりのために、無電柱化が進められている。電柱をなくすためには、配線やネットワーク回線が地中に埋めるが、電柱の上に配置されていた配電設備の替わりに地上機器を路上に配置する必要がある。その台数は現在全国で5万台、東京都内だけで3万台にも及ぶ。

 今回のプロジェクトでは、その配電地上機器を有効活用する。地上機器にデジタルサイネージを搭載することで、観光情報や災害時の避難誘導に関する情報などを配信する「ストリートサイネージ」の企画・開発を東電PGとパナソニック共同で進める。

「ストリートサイネージ」設置イメージ

 現在、企画・開発を進めている「ストリートサイネージ」では、地域や観光、交通などの情報を配信するほか、多言語に対応する機器とする。また、非常時には災害発生状況や避難誘導経路などの情報配信も実施する。

多言語にも対応できる
地域や観光、交通などの情報も配信する

 さらに、将来的なプラントしては様々なサービス機能を検討。電気自動車用の充電器を取りつけた給電スタンド機能や、自動運転アシスト機能、熱中症注意喚起機能などのほか、タッチパネル搭載型モデルなどの開発も検討しているという。

自動運転アシスト機能を搭載することも検討
気温センサーを搭載することで熱中症注意換気機能も実現する

上野公園で実証実験もスタート~DNP、朝日新聞も共同で

 実証実験の実施も決定している。東京都・上野恩賜公園にある配電地上機器を活用した国内初のデジタルサイネージサービス「うえのビジョン」を6月1日から開始。東電PGと、大日本印刷、朝日新聞社の3社による共同実証実験となる。

東京都・上野恩賜公園にある配電地上機器を活用した国内初のデジタルサイネージサービス「うえのビジョン」を6月1日から開始。本体には上野恩賜公園のアイドルでもあるジャイアントパンダをラッピング表示する

 6月1日から2018年5月までの間、上野恩賜公園内でも美術館や博物館、動物園の近くにあり、利用者の往来が多い場所に配置されている、配電地上機器の上部専用デジタルサイネージを設置。本体には上野恩賜公園のアイドルでもあるジャイアントパンダをラッピング表示する。

 デジタルサイネージでは、その立地を活かして、公園内施設の案内や防災情報など、公園利用者に役立つ情報を配信するとともに、災害発生時には災害の発生状況や帰宅困難者への情報配信を実施する。

 今回の実証実験において、大日本印刷は、配信コンテンツの企画製作と配信、運営を担当。朝日新聞社は、配信コンテンツを提供する。東電PGは全体のとりまとめに加え、パナソニックと共同で企画・開発するストリートサイネージの実証機の設置を行なう。実証試験期間において公園利用者に役立つ追加サービスの検討も行なっていく。

 東電PGとパナソニックでは、配電地上機器の設置規模と設置場所の特性を最大限に活かしたサービスの検討を進め、安全で安心なまちづくりや日々の生活の利便性の向上に貢献するとしている。