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抹茶の国内飲用率はわずか1%。「世界の宇治抹茶」を目指しネスレと京都府が協力

 ネスレ日本と京都府は、宇治抹茶を世界的なブランドにすることを目指し、「宇治抹茶の振興に関する連携協定」を11月9日に締結した。同日に、京都府・ネスレ日本 連携協定発表会を開催し、調印式が執り行なわれた。

「宇治抹茶の振興に関する連携協定」を締結した、京都府知事・山田 啓二氏(左)と、ネスレ日本 代表取締役 社長 兼 CEO・高岡浩三氏(右)

 茶の生産地として長い歴史を有する京都府と、抹茶を使った菓子などを展開するネスレ日本が、お互いに深い関わりを持つ「宇治抹茶」の、消費拡大や世界でのブランド力向上を目指して締結した連携協定。

 ネスレ日本が展開する、本格的な宇治抹茶が手軽に楽しめる「ネスカフェ ドルチェ グスト 宇治抹茶」や、チョコレート菓子「キットカット」の宇治抹茶味などを通して、宇治抹茶を体験できる機会を拡大するという。体験の場は、京都府内の府民や観光客を対象とした場所のほか、日本全国、さらには海外も視野に入れている。

 また、世界展開へ向けて、宇治抹茶の安定供給を支えるための生産者支援などを行なうほか、宇治抹茶の健康イメージの向上、京都府が目指す「宇治茶の振興」や「宇治茶の文化的景観」の世界文化遺産登録に向けた取り組みも推進していく。

カプセルを入れて本格的な宇治抹茶が飲める「ネスカフェ ドルチェ グスト」
宇治抹茶の世界的なブランド化や、消費拡大を目指す

イギリスで抹茶のムースが提供されたのは広東料理屋だった

京都府知事・山田 啓二氏

 今回の協定について、京都府知事・山田 啓二氏は、以下のように語る。

 「京都府は、宇治茶をはじめとしたお茶の生産地として実績を誇っていますし、宇治抹茶は茶道に結びついており、まさに日本の文化の象徴ともいえます。今、京都は海外からの観光客がとても多く、その中でもネスレさんの抹茶味のキットカットは、お土産としてとても人気が高いです。ほかにも抹茶を使ったスイーツや菓子は多く、世界から注目を集めるようになりました。しかし、そうして抹茶が広がれば広がるほど、本物の味を知ってもらわなくてはという思いも生まれてきます。注目が高まっている今こそ、抹茶という日本の文化を世界に伝える時期なのではと考えました」

 また、山田知事は、自身が海外で体験した抹茶に関するエピソードについても言及。

 「イギリスに行ったときに、広東料理のお店で食事をしたところ、デザートに抹茶のムースが出てきたのです。これに衝撃を受けまして、抹茶は日本の文化であるということを、改めて世界に伝えていかなくてはと思いました」

抹茶の国内飲用率はわずか「1%」

ネスレ日本 代表取締役 社長 兼 CEO・高岡浩三氏

 ネスレ日本 代表取締役 社長 兼 CEO・高岡浩三氏も登壇。同社は、2004年に「キットカット」宇治抹茶味を地域限定で発売。スイーツに抹茶を取り入れる、抹茶ブームを創出してきたという。

 その後も全国拡大したほか、空港の免税店向けなどを展開し、外国人観光客からの人気を集めて発売から5年で売上は10倍にアップ。近年はインバウンド需要も受け、成田空港近辺のスーパーでは1カ月に1万ケース売れているという。欧米のみならず、アジア人気も高いとしている。

 さらに同社は、カプセル式カフェマシン「ネスカフェ ドルチェ グスト」で使用できる、専用カプセル「宇治抹茶」を10月1日に発売。カプセルをセットしてボタンを押すだけで、本格的な宇治抹茶が飲めるとして、好評を博している。2016年2月にトライアルとして販売した際は、販売期間を3カ月設けていたが、2週間で完売したという。

カプセルをセットして使う
キットカットが抹茶ブームを創出してきたという

 「今、抹茶はさまざまなスイーツに使われていますが、そのきっかけを作ったのはキットカットだと思います。その一方で、抹茶自体の国内の飲用率は、わずか1%しかありません。抹茶は点てるのが難しくハードルが高いと思われますが、今回提供しているドルチェグストの宇治抹茶では、カプセルをセットして簡単に味わえます。日本発として、世界にもっと宇治抹茶を発信していけたらと思います」と、高岡社長は述べた。

 ドルチェグストの日本での普及台数は約200万台。世界でも80カ国以上、累計販売台数は3,000万台を突破している。

ドルチェグストの世界累計販売台数は3,000万台を突破

 専用カプセルの特徴については、「ドルチェグストはもともと、コーヒーなどのカフェメニューを楽しめるマシンでした。最大15気圧のポンプ圧力で、コーヒーを美味しくするクレマという泡を浮かばせるのですが、このクレマを抹茶に応用できないかと思い、開発したのが宇治抹茶カプセルです。実際にドルチェグストを使って抹茶を淹れてみると、茶せんで点てたような泡が生まれます」(高岡社長)と話す。

 山田知事はドルチェグストについて、「素晴らしい機械だと思います。専用カプセルで淹れた宇治抹茶も美味しくて、簡単に本当の抹茶の味を知ってもらえると思います。海外の方にも、茶せんで点てるのは難しいと思われがちですが、まずはこうしたものから始めて、宇治抹茶に興味を持ってもらいたいです」と述べた。

最大15気圧のポンプ圧力で茶せんで点てたような泡が楽しめる

佐野ひなこさんと西川史子さんが着物姿で登場

 「宇治抹茶の振興に関する連携協定」に基づく取り組みの一環として、ドルチェグストで淹れた宇治抹茶と京菓子が楽しめるコンセプトショップ「ネスカフェ ドルチェ グスト 宇治抹茶屋」を期間限定でオープン。東京・東急プラザ銀座の数寄屋橋茶房(11月9日~15日)と、京都・大覚寺(11月26日~27日)で開催される。

タレントの西川史子さんと、佐野ひなこさん

 11月9日には、数寄屋橋茶房で「ネスカフェ ドルチェ グスト 宇治抹茶屋 オープニング記念セレモニー」として、タレントの佐野ひなこさんと、西川史子さんが登場し、テープカットも行なわれた。

 着物で登場した2人は、実際にドルチェグストで宇治抹茶の抽出を体験。西川さんは、「これまで使ったことがなかったのですが、カプセルを入れてボタンを押すだけであっという間にできるんですね。コーヒーなどのカプセルもあって、とても便利だなと思います」

 また、佐野さんは、「簡単なので間違えないですし、手が汚れないですね。味も本格的で泡がキレイに立っています。抹茶の味が濃厚で、深みのある味にびっくりしました」と話す。

テープカットが行なわれた
東急プラザ銀座・数寄屋橋茶房の「ネスカフェ ドルチェ グスト 宇治抹茶屋」
あっという間にできたと驚く西川さん
ドルチェグストで淹れた宇治抹茶を飲む佐野ひなこさん

 限定カフェで提供される「ネスカフェ ドルチェ グスト 宇治抹茶セット」は、100種の京菓子と京焼・清水焼の茶器100種を組み合わせた、計10,000通りの中から1つが味わえる。

 価格は無料だが、東京店では、数寄屋橋茶房内で1品以上の注文、京都店では、宇治抹茶屋 in 大覚寺の来訪が条件となる。

京菓子と茶器を各100種用意
宇治抹茶ととも味わえる

 京菓子も楽しんだ佐野さんは、「見た目が可愛くて、味も美味しく、抹茶が進みますね。茶器と京菓子で10,000通りの組み合わせがあると、何度も来たくなりそうです」と述べた。

 「ネスカフェ ドルチェ グスト 宇治抹茶屋」の詳細はこちらから。

100種の京菓子に興味津々の様子