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都心でキャンプ! 神宮球場に泊まってアウトドアを学んできた。朝はつば九郎が新聞配達に 前編
2016年7月22日 08:00
東京ヤクルトスワローズが主催する、都心でアウトドアを体験できるイベント「スタジアムキャンプ~TOKYO HOME TOWN! 2016~」が、6月4日~5日に開催された。
同イベントは、東京・明治神宮野球場のスタンドでバーベキューをしたり、グラウンドにテントを張って一夜を過ごしたりと、ヤクルトスワローズファンの聖地といえる神宮球場でキャンプが体験できるもの。2007年よりスタートし、今年で6回目を迎える。1組6名までの親子が参加でき、当日は抽選で選ばれた約50組の家族が集結した。
実際に記者も、この1泊2日のキャンプイベントに参加。普段はインドアな生活を送っているが、今後の人生でいつアウトドア生活の必要に迫られるかわからない。その日にうろたえることがないよう、野外での過ごし方などを学んできた。
試合観戦後はヤクルトOBによるキャッチボール講座
1日目はまず、神宮球場に隣接する聖徳記念絵画館に集合し、イベントの流れなどが説明された。参加者はその日の試合を観ることができ、そのまま神宮球場に移動してゲームを観戦。6月4日はセ・パ交流戦によるカードで、ヤクルトスワローズvsオリックス・バファローズの試合が行なわれた。
試合は4対6で負けてしまったが、この日は交流戦ということもあり、オリックス・バファローズのマスコットキャラクターであるバファローブルとバファローベルも登場。普段なかなかお目に掛かれないパ・リーグの球団マスコットの登場に、スワローズのファンも喜んでいる様子だった。
試合終了後は、グラウンドでキャッチボール講座が開催された。つい先ほどまで試合が行なわれていたグラウンドから見える景色は、スタンドから見えるそれとはかなり違う光景だ。
キャッチボール講座では、ヤクルトスワローズのOB・ギャオス内藤氏が登場。正しいボールの握り方や足の上げ方など、投球の基本となる部分をメインに教えていた。
バーベキュー後は、アウトドア時に便利な1分パスタ仕込み
夜になり、キャンプがスタート。外野側のスタンド席に移動し、用意されていたコンロに火を付け、各班に分かれてバーベキューが行なわれた。
なお、キャンプは、デイキャンプやバーベキューの運営を行なう、株式会社HEROの協力のもと実施。バーベキュー中はHEROのスタッフが各班に1人ついており、安全面にも配慮されていた。
食事後は、次の日の朝食になる「1分パスタ」の事前仕込みを開始。1分パスタは、乾燥パスタを浸水させて一晩置いておくと麺が水を吸い、1分間茹でるだけで完成するというもの。火や水の使用が制限される、アウトドア時に適した調理方法だ。
ジップロックに乾燥パスタを入れ、パスタが浸るくらいまで水を注ぐ。あとは班の名前を書いて、明朝まで置いておく。乾燥パスタが水を吸える量には限りがあり、一晩置いても麺が伸びることはないという。
タブレットを使った新聞記事づくり
なお、イベントではキャンプ以外にも、NECパーソナルコンピュータとレノボ・ジャパンの協力により、タブレット端末を使った新聞記事づくり教室も行なわれた。会期中は各家庭に2台ずつタブレットが提供され、イベント中の写真を撮って1日の出来事を文章にまとめるという工程だ。
使用された端末は、NECパーソナルコンピュータの「LaVie Tab S」とレノボの「YOGA Tablet 2」。YOGA Tablet 2の方には、BIGLOBEのSIMが挿入されLTE通信できる環境が整っており、LaVie Tab Sには文章作成用にWPS Officeがインストールされている。インターネットに繋がるYOGA Tablet 2で情報収集しながら、LaVie Tab Sで写真撮影や文章を作成するという使い分けだ。
記事の雛形は決まっており、指定枚数の写真を選び、文章を作成するのが子どもたちの役目。記事づくりは夕食後に行なわれ、写真と文章が完成したらバックネット裏のプレスルームに移動し、データが入ったタブレットをスタッフに渡す。あとはスタッフがデータをPowerPointに流し込み、印刷するという流れだ。
印刷された新聞は翌朝に配られる予定で、タブレットで撮影した写真は全てUSBメモリにコピーされ、参加者に手渡された。
テントを張って夜は天体観測
1日目の工程がほぼ終了し、グラウンドにテントを張って就寝の準備に入る。テントの張り方はHEROのスタッフから学び、各家族それぞれが組み立てに取り掛かった。
テントを張り終えると消灯になり、グラウンドのほぼ全ての照明が消された。真っ暗な球場というのは初めての経験で、普段見ることのできない神宮球場の姿を味わえるのも、本イベントの醍醐味だろう。
就寝前には、タブレットを使った天体観測を実施。タブレットに入っている天体観測アプリを使って子どもたちは星の探索をしていたが、当日の夜空は曇っておりあまり星は見えなかった。
こうしたタブレットの活用方法について、NECパーソナルコンピュータ・レノボ広報の鈴木 正義氏に話を伺った。鈴木氏によると、近年タブレット市場は停滞しており、家族で所持していてもあまり使われないという。今回のイベントを通して、タブレットで文章が作成できたり、さまざまなアプリが使えたりすることを子どもたちに知ってもらい、タブレットに触れる機会を多く持っていただきたい、と述べた。
早朝1発目のイベントはつば九郎による新聞配達
一夜明け、朝6時の起床とともに、グラウンドにはヤクルトスワローズの応援ソング「We Are The Swallows」が響き渡った。まだテントから出てくる子どもたちは少なかったが、すでにイベントは始まっている。
昨晩作った新聞を、スワローズのマスコットキャラクター「つば九郎」が配達に来るのだ。
つば九郎が現れると、子どもたちも続々とテントから出てきて、その人気ぶりが伺える。それぞれの班のリーダーに新聞を手渡すのだが、つば九郎はギリギリで新聞を別の方向にそらして渡さなかったりと、安定の意地悪っぷりを発揮していた。
つば九郎は、子どもたちからサインを求められると丁寧に答えており、小さく手羽を振ったりと優しい対応をする姿も見られた。
新聞を配達し終えたつば九郎は、バックネット裏に帰っていったが、子どもたちはギリギリまで後をついていき、惜しまれながら吸い込まれていった。
去り際に、MCから「また来年もきてくれるかな?」と振られたつば九郎は、大きなバツ印を作って返答。「はらぐろう」を自称するだけのマスコットキャラクターである。しかしつば九郎は、昨年も早朝に子どもたちのために登場しており、優しい一面があるのは周知の事実だろう。
1分パスタの朝食はバッチリ。そして閉会式へ
テントを片付け、朝ごはんの支度が球場外で行なわれた。昨晩に仕込んだパスタを水から引き上げて、沸騰したお湯に入れた。
1分ほど軽く茹でて、用意されたミートソースを掛けて食べたところ、麺はちょうどいいかたさに茹でられていて美味しくいただけた。水に浸しても麺は伸びないと聞いて、最初はあまり信じていなかったが、確かに麺は伸びておらず問題ない仕上がりだった。
朝食を終え、2階の屋根があるスタンド席で閉会式が行なわれて、朝8時に解散。参加した子どもたちは、イベントで楽しかったことを聞かれると、新聞作りやバーベキューなどを挙げており、各々楽しい思い出を刻んで帰路についた。
なお、今回のキャンプを通して、アウトドアで便利だったアイテムについては、以下の記事を参照いただきたい。実際に一夜を過ごし、便利だったものや、あれば良かったアイテムなどを紹介している。