長期レビュー
ブラウン「Series 7 790 cc-3」 その1
■いいタイミングでやってきたSeries 7
BRAUN「Series 7 790 cc-3」。同メーカーのハイエンドモデルとなる製品だ。本体、ACアダプタ、クリーン&リニューシステム、洗浄剤カートリッジ、携帯用ケース、メンテナンス用ブラシ、オイルがセットになっている |
いつものようにヒゲを剃ろうと、シェーバーを手に取ると、何やらニオイが気になる……
はじめは、自動洗浄のスイッチを入れ忘れたか? と思っていたが、同じことが二度三度と繰り返され、どうやら自動洗浄機のファンが壊れていることが判明。洗浄しても完全に乾燥させることができず、イヤなニオイがするようになってしまった。
修理に、と思ったものの、ここでフツフツと物欲が……以前から、買い換えタイミングを図っていただけに、これはチャンスと値段を調べていたのだが、ここで、ふと「ブラウンってどうなのかな? どんな感じかな?」という思いが……。
とはいえ、今までのシェーバーの剃り味に慣れてしまうと、別のメーカーに買い換えるというも、なかなか勇気がいるもの。剃り味が気に入らなかったら困るなぁ、洗浄カートリッジっていくらで、どれくらい持つのかな、ヒゲ濃いんだけど大丈夫かな、などと買い換えの決断がなかなかできなかった。
そんな中、図ったようなタイミングで編集部から送られ来たのが今回のブラウン「Series 7 790cc-3」だった。タイミングが良すぎて、正直、ちょっと驚いた。
というわけで、人生初のブラウンのシェーバーを長期にわたって実際に試してみたので、今回から3回に渡ってレポートしていこう。
メーカー | ブラウン(BRAUN) |
製品名 | Series 7 790 cc-3 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 23,871円 |
■何はともあれスペックから
実際の使い心地に触れる前に、まずはスペックから見ていこう。
今回の「Series 7 790cc-3」は、ブラウンのシェーバーの中で最上位に位置づけられているハイエンドモデルだ。同社のシェーバーの主力製品にはSeries 3/5/7という3つのモデルがあり、ヘッドの可動方式や範囲、刃のタイプ、表示機能などに違いがある。
正面 | 側面 |
簡単に違いを紹介すると、Series 3はヘッドが比較的単純な動作となる3連サスペンションヘッドとなっており、網刃にある編み目の形も20種類となっている。1つ上のモデルとなるSeries 5は、ヘッドが3段階の首振り式にグレードアップし、編み目のパターンも25パターンへと増え、さらにヘッドにパーワーコムと呼ばれるクセヒゲを起こす役割のトリマーも搭載されている。
最上位のSeries 7は、さらに高機能、多機能なモデルだ。まずヘッドの動作がより複雑になっている。Series 5のような首振りに加え、網刃の部分が上下に浮かび上がるように可動する「センソフレックスシステム」となっており、顔の曲線、特にアゴの下の複雑な曲面にもなめらかにフィットするようにできている。
網刃もさらに進化しており、編み目の大きさを従来より拡大したうえ、さらに899パターンを持つ「ディープキャッチ網刃」を採用。もちろん、クセヒゲ対策のパワーコムも搭載している。
前後の首振りに加え、網刃の部分が可動することで肌にフィットする | 複雑な形状をした網刃、中心にはクセヒゲを起こすパワーコムを搭載 |
そしてSeries 7の最大の特徴が「ソニックヘッド」とそのパワーを選べる「音波カスタムボタン」の搭載だ。ヘッドの振動によって網刃にヒゲを取り込むソニックヘッドのおかげで、ヘッドを肌に押しつけなくても深剃りができるようになっているのだが、この振動のパワーを手元のスイッチで「ソフト」、「ノーマル」、「ターボ」の三段階にコントロールすることができる。
ソフトにすれば、ヒゲ剃り後に肌がヒリヒリする人でも肌を傷めずに深剃りができるうえ、ターボにすれば、濃いヒゲをより深く剃ることができる。ヒゲや肌のタイプは人によって違ううえ、場合によってはヒゲの生えている部分によっても違うが、これに合わせて動作を変えられるというわけだ。
音波による振動は、他社製のシェーバーでも採用されているが、その動作を変更できるのがブラウン Series 7ならではの特徴となる。
音波カスタムボタンを搭載。ソフト、ノーマル、ターボからヘッドの振動を選択できる |
もちろん、ブラウンならではの自動洗浄機能「クリーン&リニューシステム」にも対応。ヒゲを剃った後に、ヘッドを下に向けて斜めにセットしておくだけで、洗浄、潤滑化、乾燥、充電が全自動でできるようになっている。アルコール洗浄で除菌までできるというのが、ブラウンならではの特徴となっている。
ちなみに、同じSeries 7にも、「790 cc-3」、「760 cc-3」、「750 cc-3」、「720s-3」の4モデルがあるが、この違いは充電状態などを示すランプ(790 cc-3は液晶表示で替刃交換表示機能付き)、洗浄モード(750 cc-3は換装なし、720s-3はクリーン&リニューシステムが付属しない)の違いとなり、剃り味を左右する基本機能は同じだ。
今回は最上位の「790 cc-3」を紹介するが、普段の利用であれば基本性能は同じで、数千円ほど安く実売2万円台中頃で買える「760 cc-3」を選ぶのも良さそうだ。
クリーン&リニューシステムを採用。アルコール洗浄で自動的に洗浄、潤滑化、乾燥、充電ができる | 本体はこのように斜めに挿すような感じでセットする | 本体下部に液晶を搭載。バッテリー残量および替え刃交換時期が表示される |
■期待が膨らむブラウンの剃り味
ブラウンと言えば深剃り。その剃り味については次回詳しく紹介する |
おそらく、シェーバーの購入を考えている人の多くは、かつてのCMなどの影響もあり、昔から知名度の高いブラウンの製品を一度は検討することだろう。
しかし、最近の国産のシェーバーには、海外製品を凌ぐ技術が搭載されていることも多く、正直、どちらを選ぶかに迷ってしまう。
とは言え、最終的にやはり気になるのは、いわゆる「剃り味」だ。特に、今回のSeries 7 790 cc-3には、その剃り味をヒゲや肌の状態に合わせて変更できる機能が搭載されている。この機能がどこまで効果があるのかが大きく期待されるところだ。
とりあえず、今回は全体的な製品紹介にとどめ、実際の剃り味については次回詳しくレポートすることにしよう。
2010年5月6日 00:00
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)