中国との物流の鍵を握る「中国流通王」【電辞苑(ハードウェア用語集)】

中国流通王（ちゅうごくりゅうつうおう）

　流通で財を成した中国の大富豪、ではなく、中国・香港・台湾の法人専用配送サービス。日本でいうとヤマト運輸や佐川急便に近い。

　特徴はとにかく安いことで、中国と日本との流通で多く用いられる。配送スピードも早く、早ければ2日程度で中国－日本間を輸送してくれる。ちなみに中国流通王という名前とは別に「Score Japan」という名前もあるため、会社に入ったばかりの社員は別の会社と勘違いしてしまうことも。

　発送用のアカウントを持っていると中国とのやり取りもスムーズ。中国工場とのやり取りが多いハードウェア・スタートアップにとって中国流通王のアカウントは必須と言っていい。

　国内本社は亀戸にあるほか、羽田や成田にも支店を持っている。そのため、一刻一秒を争うような場合は空港まで直接引き取りに行く、亀戸の東京本社へ発送したい荷物を持ち込む、ということもしばしば見られる光景である。

　なお、流通王に限らず中国から荷物は、とても剥がしにくい薄い梱包テープで過剰にぐるぐる巻きにされており、開封はテープを剥がすのではなく、ハサミなどで切断するのがデフォルトになっている。また、発送元担当者の筆圧が弱いのかわからないが、宛先の担当者名が薄くて読み取れず、誰宛ての荷物かわからないという事態も日常茶飯事。

　なお、中国は1～2月の旧正月、10月の国慶節、5～6月のドラゴンボートフェスティバルなど、日本の暦とは異なる長期休暇が多い。このシーズンは工場はもちろん配送も休みになるため、中国の年間スケジュールを把握しておくこともハードウェア・スタートアップにとって必須事項である。