カデーニャ

スマホで手軽にVR! 専用コントローラーで没入感アップの新型「Gear VR」

 サムスン製のスマートフォン「Galaxy S」シリーズに対応するVRスコープ「Galaxy Gear VR」を手に入れました。デバイス自体にディスプレイの機能はなく、スマートフォンを内向きにセットして、その画面に表示されるVRコンテンツをレンズ越しに見るしくみのものです。

Galaxy Gear VR

 最近はパソコンにつないで使う本格的なVRヘッドマウントディスプレイや、「PlayStation VR」のようにゲーム専用機につなぐものなど、いろいろなVRデバイスが登場しています。でもGalaxy Gear VRのいいところはスマートフォンをセットするだけで、ほかに大げさな機器が不要なこと。かつ、ワイヤレスで利用でき、それでいて本格的なコンテンツが楽しめることです。

アダプターを差し替えることで、新旧のGalaxy Sシリーズのスマートフォンが利用できるようになっています

 最近はYouTubeなどでも手軽に360度視点のVR動画が見られるようになってきましたが、Galaxy Gear VRで利用できるプラットフォームは、VRの第一人者ともいえるOculus社のものです。専用の「Oculus Store」にはVR動画だけでなく、ゲームからバーチャル博物館のようなものまで、さまざまな種類のコンテンツが充実しています。

 なお、コンテンツのダウンロードは、Galaxy Gear VRを装着した状態で、部屋のなかに立体的なディスプレイが浮かんでるようなGalaxy Gear VRのホーム画面からもできます。ただ、スマートフォンだけを操作してあらかじめ見たいコンテンツをダウンロードしておき、それからGalaxy Gear VRにセット&装着する方が手間が少なくて簡単です。

Galaxy Gear VRのホーム画面「Oculus Home」。画像が正方形なのは、スマートフォンの画面を左右に2分割し、同じ内容(の微妙に視差がずれたもの)を左右の目それぞれに表示して立体視できるしくみになっているから

 2017年に発売された最新型のGalaxy Gear VRには、専用コントローラーが付属しました。Galaxy Gear VRは装着するとリアルな自分の手元はまったく見えず操作ミスも多くなってしまうのですが、この専用コントローラーなら操作がラクで、より高い没入感を演出しています。Oculus Storeでも専用コントローラーに対応するVRゲームなどが提供されています。

片手で操作しやすいよう工夫された専用コントローラー。最新のGalaxy Gear VRに付属しています
画面内の何かを操作したい時は、専用コントローラーを使ってレーザーポインターのようにして指定し、アクションします

 VRコンテンツというとゲームのイメージが強いかもしれませんが、残念ながら私にはそっち方面の才能がなく、ゲームはほとんどプレイしません。でもご心配なく。VRでその世界にどっぷりと入り込めるVRコンテンツは、私でも楽しめるつくりになっています。

 ちなみに、数ある中から筆者がおすすめしたいゲーム以外のコンテンツ、それとVR用の便利アイテムをいくつか紹介したいと思います。

 Jurassic World Apatosaurus

 VRの面白さや普通の動画では味わえない没入感を、手っ取り早く体験できるコンテンツ。超リアルなコンピュータグラフィックスによって再現された恐竜が、すぐ目の前に現れて迫力満点です。

 Art Plunge Preview

 VRでないと絶対に体験できない世界を体験できるコンテンツ。なんと、名画の中に入り込むことができます。有名な「モナリザ」の部屋がどうなっているか、自分の目で確かめてみましょう。

 Ocean Rift (Demo)

 コンピュータグラフィックスで、海の中の世界を再現したコンテンツのデモ版。これもやはりVRでないとなかなか味わえない光景でしょう。CGとはいえ、水の表現はかなりリアルで感動モノです。

 紹介したコンテンツはいずれも、自分自身で楽しむのはもちろん、まだVRを体験したことがない人に見せてあげるのにもぴったりの、いわばVRの入門編として最適なコンテンツです。特にGalaxy Gear VRは、スマートフォンをセットしさえすれば、場所を問わずどこでもVRコンテンツが楽しめるので、外に持っていって他の人に見せてあげるのも簡単。筆者もこの夏、親戚の集まりに持参したところ大盛況でした。

 ただ残念ながらVRスコープはみんなで一緒に見るというワケにはいかないので、ひとりひとり順番に楽しんでもらうことになります。いろんな人が代わる代わる使用すると、どうしても顔にあたるパッドの部分に汗がついたり、化粧がついたりして汚れてしまうのですが、そんなときは汗や汚れを防ぐ「VRマスク」があると便利。

別名「ニンジャマスク」とも呼ばれるVRマスク。VRスコープがあたる目の周りを覆う使い捨てのマスクで、最近では家電量販店やAmazonなどで簡単に手に入ります

 また、Galaxy Gear VRの持ち運びには、ぴったサイズのエレコム製「VRグラスケース」(3812円)がおすすめです。Galaxy Gear VRがぴったり納まるサイズでメッシュのポケットもついていて、コントローラーを収納するのに便利です。 ショルダーベルトも付属していて、スマホを服のポケットに入れ、このケース1つをさげて出かけることもできます。

VRグラスケース

 現実には行けない場所やあり得ない景色の中に立てるのは楽しいもの。お手軽に“非日常”を味わうのに、スマートフォンとスコープだけでVRを体験できるGalaxy Gear VRは最高のデバイスだと感じています。ただし、あまり入り込みすぎると「VR酔い」という、乗り物酔いのような症状が現れることもあるので長時間のプレイには注意しましょう。

この記事は、2017年9月25日に「カデーニャ」で公開され、家電Watchへ移管されたものです。

太田百合子

レビューする商品がついつい欲しくなってしまい、ちっともお金が貯まらない物欲デジモノライター。

Twitter