イベントレポート IFA 2013

ケルヒャー、高さ2mの窓まで掃除できる窓用クリーナー

ドイツに本社をおく世界有数の清掃機器メーカーのケルヒャー。2013年の展示でもスチームクリーナーや水フィルター掃除機など、赤ちゃんにもやさしい住環境を前面に打ち出していた

 国際コンシューマ・エレクトロニクス展「IFA 2013」が、ドイツ・ベルリンの国際見本市会場において9月6日~9月11日(現地時間)に開催された。

 IFAは、世界最大級のコンシューマー・エレクトロニックス・ショーで、白物家電をはじめ、テレビやオーディオなどのAV機器も多数出品される。今年で53回目で、前回の2012年は、出展企業が56カ国/1,439社、来場者数は延べ約24万人だった。

 家電Watchではその中から、洗濯機や冷蔵庫などの生活家電に焦点を当てて、レポートする。

高さ2mの窓まで掃除できる窓用クリーナー

 世界54カ国で展開するドイツの清掃機器メーカー、ケルヒャーは業務用・家庭用を合わせると3,000種類以上の製品群を展開している。今回のIFAのブースでは、昨年同様窓用クリーナー「WV75plus」が壁いっぱいに展示され、来場者にしっかりと印象づけていた。

 このWV75plusはドイツのデザイン賞「reddot design award」を2012年に受賞するなど、世界的にも知名度を高めており、日本でも昨年10月に発売されている。

ドイツのデザイン賞「reddot design award」を2012年に受賞しているWV75plus。日本では窓用クリーナーの名称で販売されている
WV75plusを側面から見たところ。窓面にぴたりと吸着して洗剤や水分をしっかりと吸い取る構造になっている
先端部の幅が狭くなったオプションノズル

 今回、提案されていたのは、この窓用クリーナーに組み合わせて使うことで高い窓でもそのままの姿勢でクリーニングができる「Extension kit」の活用だ。

 長さ1.9mまで伸びる棒の先に、付け替え用のノズルを使ってWV75plusをつけて使うのだが、重さを感じることもなく、すいすいと窓掃除が進む。使い方もマイクロファイバー製ワイプに洗浄液を噴射してから窓ガラスに伸ばして汚れを浮き上がらせたあと、ゴム製ワイパーヘッド付き電動クリーナーで吸い取るだけと簡単。大きな窓を有する欧米のニーズに応えて「Extension kit」を開発したというが、日本でも高い窓へのニーズはあるだろう。

IFA2013では高い窓でもWV75plusが楽に使える「Extension kit」がお披露目されていた
まずは布製のワイパーに専用洗剤をたっぷりと吹き付ける
長さ1.9mまで伸びるExtension kitを使えば、高いところでもしっかりと窓ふきができる
付け換え用のノズルを使うとExtension kitの棒に簡単に取り付けられる
窓との密着性を高めるために角度調整もできるようになっている
実際に試してみたが、片手でも楽に操作ができた

吸い込んだゴミを水に通す「水フィルター掃除機」

 そのほか、昨年はプロトタイプの展示に留まっていた水フィルター掃除機「DS 6.000 Waterfilter」がいよいよ製品化され、本格的な展開が始まった。水フィルター掃除機とは、吸い込んだゴミをタンク内の水に通し、ホコリやダニ、花粉などを除去するもの。水フィルターのほかにナノフィルター、微細なゴミを99.99%除去するHEPAフィルター、モーターフィルターと全部で4つのフィルターを搭載している。

水フィルター掃除機「DS 6.000 Waterfilter」
中には水を入れる大きなタンクが備えられている
タンク上に備えられたナノフィルター
排気口にはHEPAフィルターが備えられている

 運転する際には水を入れて使い、使用後は毎回汚れた水を排水して、フィルターなどを乾かす必要がある。世界的に花粉症などのアレルギー症状に悩む人が増えているため、注目されている掃除機だ。ヨーロッパでは3か月前に発売されたところだが、日本でも2014年春には発売が予定されている。

 同様に水を使う掃除機としては、カーペットの清掃にぴったりの「SE 6.100」が展示されていた。これは本体内に洗剤液を入れた水用バケツと、吸引され汚水用の2つのバケツをセットして使うもので、水を噴射すると同時に、吸込み用のノズルでカーペットの奥の汚れまでかき出しながら、水分を瞬時に吸引していく仕組みになっている。

カーペットの清掃に最適なクリーナー SE 6.100
洗剤液入りの水を噴射すると同時に吸い込み用ノズルで瞬時に吸引する仕組みになっている
毛足の長いカーペットの中の汚れもしっかりとかき出して吸い込むノズル
本体内には汚れを吸い込んだ汚水用のバケツ(黒)と、洗剤液用のバケツ(白)が分かれてセットされている
それぞれのバケツは簡単に取り出せるので、お手入れも簡単だ

 清掃後はカーペットが乾くまで時間がかかるものの、ペットや赤ちゃんのいる家庭などで、より清潔に保ちたい、カーペットに安心してごろりと寝転がりたいという場合などによさそうだ。また、小型のヘッドも用意されているので、これを使えば布地のカーシートもすっきりときれいになるという。

台車が360度回転する紙パック式掃除機

ダストパック式クリーナー VC6.150

 もう1つ、目に留まったのが、スチームでも高圧洗浄でも水フィルターでもない、普通のダストパック式のVC6.150だ。

 本体底部の台車となる部分が360度回転するように作られており、ボール状の5つの車輪も自在に動く。360度回転する台座方式は、日本でも三菱が採用していたが、引き回しがとてもスムーズで、家具などを回り込む際にも負荷がなく、倒れてしまう心配もない。

 また、半球状の本体の片側にはブラシやすき間ノズルなど、3つの取り替え用ノズルがセットされており、付け替えの際にはここを引き開けて、必要なノズルの先にパイプを差し込むだけでOKという「QuickClick system」を採用。容量4Lのダストパックがいっぱいになるとその圧力を感知し、取り換え時期をカラーで知らせるシステムもついている。

底面にボール状の車輪が5つついており、底面自体が360度回転する仕組みになっている
掃除機本体が360度回転し、車輪も自在に動くので引っかかることなくスムーズに引き回しができる
本体側面片側にはブラシやすき間ノズルなど3つの付け替えノズルがセットされており、ここに掃除機のパイプの先を差し込むだけで付け替えられる
側面の反対側にダストパックをセットする。ダストパックの膨らみ具合を本体のふたの裏側についた感知器によって判断し、ダストパックの取り替え時期を知らせる
本体上部に見える四角い窓のカラーがグリーンからオレンジに変化したら、ダストパック取り替えのサイン
オンオフは本体のボタンで行なう
吸引力の調整はスライドボタンで無段階にできる仕組み
ヘッドの裏側。フローリング用とカーペット用に切り替えられる

神原サリー