やじうま大掃除ウィーク

汚れに驚愕! たっぷり放置した空気清浄機をピカピカに

 12月に入り、いよいよ大掃除シーズンの到来だ。今週の家電 Watchは「やじうま大掃除ウィーク」と題して、オススメの掃除方法を紹介していく。今年は“家電の大掃除”をテーマに、普段使っている家電を大掃除して、スッキリと新年を迎えよう。

 3日目となる今回は、空気清浄機の掃除方法を紹介する。

・1日目:掃除機編
・2日目:冷蔵庫編
・3日目:空気清浄機編
・4日目:洗濯機編
・5日目:高圧洗浄機活用編

洗剤が使えない家電にはミクロ繊維のふきんが便利

大掃除したのは、シャープの加湿空気清浄機「KC-B50」

 一口に空気清浄機といっても、製品によって掃除方法はさまざま。採用しているフィルター次第で、手入れ方法は異なってくる。今回は、HEPAフィルター搭載の加湿機能付き空気清浄機を掃除してみよう。自宅で使用しているのは、シャープの加湿空気清浄機「KC-B50」。2012年モデルで、2年ほど使用している。

 手入れ方法は取り扱い説明書にも記載されているが、ウェブで検索すると各メーカーそれぞれ特設ページを用意しているのでそちらを参照するとわかりやすかった。水洗い禁止なパーツが多いので自己流で行なわず、各メーカーの手入れ方法に沿って掃除した方が良い。

 KC-B50に採用されている集じん機能「HEPAフィルター」は、0.3μmの粒子を99.97%以上捕集できるというもの。他社製品も含め、空気清浄機に多く採用されているフィルターだ。蛇腹のようなギザギザの表面が特徴的で、ホコリや微粒子などを絡めとる。

 このHEPAフィルターにホコリが付着するため、掃除機で吸い取ってあげるのが基本的な手入れ方法だ。フィルター自体は約10年間交換が不要とされているが(1日にタバコを5本吸った場合)、汚れやニオイが気になるときに掃除機でゴミを吸い取る。

空気清浄機の手入れ方法は、各メーカー特設ページを用意。品番ごとに分かれている
ホコリや微粒子を集める「HEPAフィルター」。蛇腹に折りたたまれている

 といいつつも、筆者が空気清浄機をきちんと掃除するのは今回が初めて。これまでは送風口にホコリが付いていたらティッシュで拭く程度で、まともな手入れをしたことがなかった。HEPAフィルターは10年交換不要とされているので、ニオイや汚れが気になることもなくそのまま使い続けていたのだ。

 しかし、改めて空気清浄機と対峙すると「アレ、かなり汚れてる……?」とちょっとイヤな予感。謎の汚れが付いているし、吸気口のある背面もホコリっぽい。約2年使っていて、あまりメンテナンスをしていないとなると汚れも付いているだろう。

 まず、本体外観の汚れは、水を含ませた布で拭きとる。直接水をかけたり、洗剤は使用できない。水拭きだけだとなかなか汚れはとれないが、そんなときにオススメしたいのがテイジンの「あっちこっちふきん」。超極細繊維「ミクロスター」を使用したふきんで、繊維が目に見えない凹凸にも入り込み、洗剤いらずで汚れを落とせるというものだ。

 あっちこっちふきんに水を含ませ固く絞ったら、汚れが気になるところを拭いていく。みるみるキレイになっていき、謎の汚れも落とすことができた。空気清浄機以外にも、洗剤が使えない家電製品にオススメだ。

超極細繊維を使った「あっちこっちふきん」で汚れを拭く
使用前。この汚れはなんなんだ……
使用後。洗剤を使わなくてもかなりキレイになった

フィルターは掃除機でカンタンに

 次に、背面パネルの掃除。空気を吸い込む部分なので、ホコリなどの汚れが目立つ。掃除機で吸ってキレイにするが、ヘッドは網目の掃除に適したブラシノズルなどに付け替えると掃除しやすい。

 ホコリなどの汚れは掃除機で十分キレイになったが、背面パネルにも謎の油っぽい汚れが……。説明書に従い、背面パネルは台所用合成洗剤を溶かした液で約10分のつけ置き洗いした。汚れがひどく気になるときの掃除方法だという。10分後に見てみると、汚れはしっかり浮いていてシャワーで流すとピカピカに。完全に乾くまで陰干しする。

背面パネル
ホコリが付いていたので掃除機で吸引
それでも汚れが気になるときはつけ置き洗いする

 背面パネルを外すと見えてくるのが、脱臭フィルターとHEPAフィルター。いずれも約10年での交換を推奨しており、それ以外は先述のとおり汚れが気になるときに、掃除機でホコリなどを取り除く。どちらも水洗いできないので注意。また、強めに掃除機で吸うとフィルターが破れてしまったり、効果が薄れてしまうのでやさしく掃除する必要がある。

 2年間放置したフィルターはそこそこ汚れていたが、掃除機でホコリを吸ってしまえば気にならなくなった。交換もまだ必要なさそうだ。

脱臭フィルター(手前)とHEPAフィルター(奥)
水洗いできないので注意
掃除機でホコリなどを取り除く

ビクビクしながら加湿トレーのお手入れ

 ここまで掃除して、本体の水拭きとフィルターの掃除機掛けがメインだったので、空気清浄機の掃除はかなり楽だと感じた。そう、空気清浄機の掃除はわりと手入れが楽なのである。

 しかし、ここからが大変なのである。国内メーカーの空気清浄機は、加湿機能がついた複合型がメイン。水を使う、加湿機部分の掃除に苦労するのだ。

 説明書には、加湿フィルターなどは1カ月に一度の掃除が目安と書いてある。しかし、筆者がこの空気清浄機を掃除するのはほぼ初めて。恥ずかしながら、加湿フィルターの手入れも怠っていた。もともとそんなに加湿機能は使っていなかったが、それでも加湿トレーを開くのには怖気づいた。

加湿タンクを外す
加湿トレーを引き出すと加湿フィルターが出てくる

 実際にみてみると、カビなどは生えていなかったが、水アカが結構付いていた。トレーやフィルターは水洗いがメインだが、汚れやニオイが気になるときは重曹やクエン酸でつけ置きした方が良いとのこと。迷わず、容器に水を溜めて、重曹でつけ置き洗いをした。

 水アカが付いていた加湿トレーは、古くなった歯ブラシで汚れを落としてからつけ置き洗いした。約1~2時間つけ置きしたら、十分にすすいで水気を拭く。これで加湿機部分も掃除完了だ。

 全てのパーツの掃除が終わったら、元の場所にはめ直す。最後にもう一度、本体を水拭きして仕上げた。

本体側にはホコリが付いていたのでティッシュで拭きとった
加湿タンクのフタは歯ブラシで掃除
加湿トレーも水アカが付いていたので汚れを取る
ニオイや汚れが気になるときは重曹を使う
加湿トレー、加湿フィルターともにつけ置き
掃除が終わったらパーツをはめ直して、本体を水拭きして大掃除完了!

 正直、加湿機部分の掃除は、水洗いやつけ置きが多くて面倒。あまり使っていないし、空気清浄機能のみの製品を買えば良かった……と後悔もした。しかし、全てのパーツを掃除し終えて、ピカピカになった本体を見ていると愛着がわいてくる。乾燥しやすい季節なので、これからは加湿機能も使おうと思えた。

 きちんと掃除をすると気持ちもスッキリする。手入れされていない家電があれば、この機会にぜひ大掃除してみてはいかがだろうか。

西村 夢音