年末特別企画

在宅ワーク1年、必要に駆られて買ってみたら幸せになった3つの家電【私の2021】

買ってよかった3つの家電

2020年から2021年にかけての2年間は、大量に家電製品を買い替えた年だった。理由の1つは、わが家の家電製品はエコポイントとアナログ停波が重なった2010~2011年に購入したものが多く、それらが買い替えの時期に来ていたこと。もう1つは、コロナ禍の影響で在宅ワークになると、現状の家電製品ではいろいろと不具合が出てきており、新しい生活様式に合った家電が必要になったからだ。それらの買い替え家電の中で、「高かったけど、買って良かった!」というものを紹介する。

家にいるのに宅配便が受け取れない問題を解決

1つめは、インターホン。わが家は一般的な一戸建てで、インターホンは新築した際に取り付けたモノクロ画面の録画機能なし、リビングに親機1台のみのモデルだった。

在宅ワークで外出の機会が減ったことで買い物はネット通販が多くなり、家電ライターという職業柄、レビュー用にメーカーに製品を貸し出し依頼するため、自宅には頻繁に宅配便業者が訪ねてくる。

しかし、筆者の仕事部屋は2階にあり、エアコンで冷暖房している時にはドアを閉め切る。オンラインミーティングや取材、電話での打ち合わせも頻繁にある。息抜きにアニメを見たり、ギターを弾いたりする。そうなると、宅配業者がインターホンを鳴らしても全く気が付かない。結果、再配達が頻発する。配達時間を指定していたのに、気が付かないがために再配達。宅配業者に申し訳ないことこの上ないったらありゃしない。

そこで、パナソニックのテレビドアホン「VL-SWD505KS」に買い替えた。何がイイって、子機が1台付いていること。親機はこれまでどおりリビング、2階の自室には子機を置けば、部屋を閉め切っていても、オンラインミーティング中でも、テレビを見ていてもピンポンに気が付く。

パナソニックのテレビドアホン「VL-SWD505KS」。玄関子機のチャイムが鳴らされると自動的にカラー録画し、映像と音声を保存する
2階の自室に設置した子機で玄関子機に応対でき、過去の録画も見られる。リビングの親機とも通話可能

さらに、スマホアプリでも応答できるので、トイレに入っていたり、気晴らしの散歩中でも対応できる。同機に買い替えた後、再配達が大幅に減った。筆者もハッピー、宅配業者もハッピー、荷物も無事に届いて送った側もハッピー。

スマホに専用アプリをインストールすれば、玄関子機に応答、リビング親機との通話、過去の録画の確認など、子機と同じことができる

玄関子機を押すと同時にカラー映像で録画されるので、不審者に警戒することもできる。空き巣はセールスを装ってインターホンを鳴らすことも多く、外出していてもスマホの応対により在宅を装えるので、犯罪を未然に防ぐこともできるかもしれない。こんなに便利ならば、もっと早く買い替えれば良かったと少し後悔したものだ。なお、親機と子機の間でもボタン一つで通話ができるので、家族の間でコミュニケーションを取るのも簡単だ。

もうテレビ番組はリアルタイムに見ない

2つめは、TVS REGZAの55型液晶テレビ「レグザ Z740XS」。基本的に情報はネットで拾うし、映画やアニメはNetflixやAmazonプライム・ビデオで見ているのだが、在宅になると仕事の合間の息抜きにちょっとテレビでもつけるか、ということが増えた。

昼間のニュースバラエティを途中から見ると、この情報は面白そうだ、最初から見たかったな、とか、ネットで話題になった家電の情報番組を見たかったなあ、ということが頻繁に起こるようになった。朝方まで仕事してから寝てしまい、お昼頃に起きてきた際、朝のニュースも見たかった。録画予約するほどではないけど、ざーっと流し見したかった、というものが多かったのだ。

55型液晶テレビ「レグザ Z740XS」。リモコンのマイクに向かってキーワードを話せば、タイムシフト機能で撮りためたたくさんの番組の中から、適した番組をピックアップしてくれる

そこで、リビングのテレビが寿命だったこともあり、タイムシフトマシン対応のレグザに買い替え、同時に仕事部屋の32型テレビもレグザリンク対応モデルに買い替えた。リビングのレグザにはタイムシフト用に6TBのハードディスクを接続し、6つのチャンネルの番組を午前中および夕方から深夜までを約2週間分、まるまる録画するように設定した。これがすこぶるイイ!

まず、番組をリアルタイムで見る必要がない。リビングの「レグザ Z740XS」には「過去番組表」と「始めにジャンプ」という2つの機能がある。「過去番組表」は、いつもの番組表の形式で過去の番組表が見られるのだが、番組表を遡って見ていると、自分が普段テレビを見ない時間帯にも面白そうな番組があったり、普段は時間がないから見ないような番組も「ちょっと覗き見してみよう」という気になったりと、リアルタイム視聴では気が付かない発見が多々ある。

気になる番組を選ぶと、大まかなシーンリストが作られているので、その中から気になる部分だけを選んでつまみ食い視聴すればよく、CMもバンバン飛ばせる。「はじめにジャンプ」はその名のとおり、途中から見始めた番組を最初から見ることができ、こちらも早送りしたりCMが飛ばせたりする。

「早見早聞」機能も便利だ。1.5倍速と速いながらも音声はちゃんと聞き取れる。好きな時に、好きな箇所だけを素早く見ることができ、時間を有効利用できるのだ。膨大な録画番組から目当ての番組を探すのも、リモコンに話しかければ音声検索できるし、「アニメ」や「ドラマ」などジャンルごとに検索することもできる。

仕事部屋のテレビをリビングのレグザにWi-Fiでつなげれば、「はじめにジャンプ」は使えないものの、「過去番組表」が利用できるので、いちいちリビングに降りる必要なく、ニュースやゴルフ番組、好きな歴史番組などを遡って見られ、仕事の合間のよい気晴らしになる。もちろん、早送りもCM飛ばしもできる。

ちなみに、レグザといえば、さまざまなジャンルの番組を一括自動録画する「みるコレパック」が有名だが、その中に「家電パック」なるものもあり、筆者は設定してある。家電ライター仲間が出演している番組も漏れなく自動録画してくれて便利だ。このように、テレビの見方が大きく変化した。もう、普通のテレビには戻れない。

自室のテレビもレグザリンク対応のテレビに変更。リビングのレグザにつながったハードディスク内のタイムシフト録画番組を自由に見られるようになった。ただし、現在放映中の番組を「はじめにジャンプ」はできなかった

サーキュレーターいらずの暖房が便利なエアコン

最後となる3つめがダイキンのエアコン「うるさらX」。それまで使っていたエアコンもフラッグシップモデルだったのだが、いかんせん、10年前のモデルなのでいろいろと不満があった。

一番の不満は足元が温まらないこと。フラッグシップモデルなのでセンサーで部屋の中の室温を見張り、温度ムラがないように温風を送っているのだが、やはりどうしても温度ムラが起こる。そのためシーリングファンを回したり、サーキュレーターで部屋の空気をかき混ぜたりして凌いでいた。

ダイキンの「うるさらX」。気流制御と自動運転「AI快適自動」が優秀で、足元を含め部屋全体が暖かく快適

「うるさらX」は、最初はワイド気流で部屋全体を暖め、設定温度になると垂直気流によって温風がまっすぐ床に落ち、そこから床一面に広がっていく。これにより、室温にムラがなくなり、離れた場所でも足元も温かい。「うるさらX」に替えてからシーリングファンもサーキュレーターも不要になった。

わが家のリビングはキッチンを入れて14畳程度だが、カウンターで隔たれたキッチン以外、どこに座っても同じ温度というのはとても快適だ。なお、同製品は外気から水分を取り込んで室内に放出されるため、暖房時でも加湿器が不要というのが謳い文句であるが、これについては評価は保留。というのも、現状では外気の湿度が比較的高いので、室内でも加湿器はほとんど使わずにすんでいる。しかし、外気の湿度が30%を切るとなかなか室内の湿度が上がらなかったので、1~2月のさらに乾燥した気候でどのような結果が出るのかは引き続き注視していく必要がある。

近藤 克己