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24時間録画できる防犯インターホン、ナスタ

インターホン「Nasta Interphone」

ナスタは、24時間録画して防犯カメラとしても機能するインターホン「Nasta Interphone」の一般販売を、3月1日に開始した。

ラインナップは、玄関子機と室内親機で構成される標準セットと、専用タブレットが付属する「タブレットセット」の2種類。いずれも価格はオープンプライス。店頭予想価格は、一般的なインターホンのハイエンド機とミドルクラス機との間くらいの価格になるという。

なお、同機の玄関子機はホワイト、シルバー、ブラックの3色をラインナップする。

インターホン「Nasta Interphone」の、玄関子機(写真左)と室内親機(写真右)
玄関子機は3色展開

在宅時も外出時もスマホで応答できるインターホン

スマートフォンやタブレットとの連携を前提にしたインターホン。室内親機にディスプレイなどを配置せず、応答操作などはすべて、連携したスマートフォンもしくはタブレットで行なう。

接続イメージ
室内親機は、ディスプレイなどを搭載しない

来客時には、室内親機から音が鳴るとともに、連携したスマートフォンの専用アプリからも、電話がかかった時のように呼出音が鳴り、通知が届く。外出先からでも、アプリを使って応答可能だ。

玄関子機には、「呼出ボタン」と「宅配ボタン」が分けて配置されている。「呼出」ボタンが押されると、室内親機から呼出音が鳴ると同時に、アプリに訪問者の呼び出しが通知される。

宅配便の配達員が押すことを想定した「宅配ボタン」が押された場合にも、室内親機から呼出音が鳴るほか、アプリに宅配の呼び出しが通知される。この際に、自動応答設定を利用した応答が可能な点が「呼出ボタン」と異なる。そのため、宅配便を受け取る際に、対面での応答が不要となるという。

なお、室内親機から鳴る呼出音は、3種類から選択可能。

一般的な呼出ボタンと「宅配」専用ボタンを配置
アプリの画面

玄関子機にはカメラを搭載。一般的なインターホン内蔵カメラが、来客時に録画を開始するのに対し、同機では24時間、常に録画し続ける。ナイトビジョン搭載で、照明無しでも鮮明に撮影可能で、防犯カメラとして役立つとする。

玄関子機で撮影された映像データは、室内親機に無線転送され、室内親機に挿入したmicroSDメモリーカードに記録されていく。映像データは、連携したスマートフォンまたはタブレットから外出先でも確認できる。なおmicroSDメモリーカードスロットは、室内親機の下部に配置され、ユーザーが簡単に取り外したり、取り替えたりできる。また映像データは、パソコンなどでも見られる。

録画可能時間(映像データの記録期間)の目安は、32GBのmicroSDメモリーカードの使用時で約12日間、同様に64GBで約24日間、128GBで約48日間。容量がいっぱいになると、クルマのドライブレコーダーのように、古い映像データが削除されていき、新しい映像データが上書きされていく。

玄関子機に搭載されたカメラで、24時間、常に撮影する
映像データの記録期間は、microSDメモリーカードの容量によって異なる

その他、専用アプリでは「リアルタイムで自宅前の映像と音声の確認」や「24時間録画記録の確認」、「自動応答メッセージの作成」、「通話記録の保存」、「呼出音を遮断するおやすみモード」などが利用できる。

上記の「おやすみモード」は、時間設定できるため、夜間や子供の寝かしつけ時、作業に集中したい時などにも活用できる。

子供が1人で留守番していても安心なインターホン

プロダクトデザインを担当した、同社・事業想像本部の及川絵里さんは、「Nasta Interphone」を「家族全員が安心して暮らすためのセキュリティインターホン」だとする。

事業想像本部の及川絵里さん

具体的には、手持ちのスマートフォンで訪問者の確認や応答ができるため、従来のようにインターホンが鳴っても、室内親機へ急いで確認しにいく必要がない。

インターホンが鳴ると同時にスマートフォンが、電話の着信のように鳴る。応答前に、まずアプリ画面で誰が来たかを確認でき、「通話」ボタンを押して、そのまま電話のように応答しても良いし、「メッセージを送信」ボタンをタップして、自動応答メッセージを再生しても良い。

インターホンが鳴ると同時にスマートフォンが鳴り、来客者を確認できる
真夜中でも、来客者の様子をしっかりと映して確認できる
自動応答メッセージを、玄関子機で再生できる

「もし、お子様が1人でお留守番をしていたとしても、親御さんが外出先から確認し、応答できるので、安心かと思います。また夜間でも、ナイトビジョンを搭載しているので、相手の表情をはっきりと確認できます」(及川さん)

さらに2つめの特徴が「宅配ボタン」を搭載している点だとする。宅配員がこの「宅配ボタン」を押した際には、あらかじめ設定した自動音声メッセージが流れる。

「昨今、宅配業者を騙った事件が多発しています。Nasta Interphoneでは、インターホンが置き配の指示をしてくれますので、対面で受け取る必要はございません」

佐川急便や郵便局員など見慣れた配達員であれば、直接受け取っても良いが、AmazonやUber Eatsなどでは毎回異なる配達員が来るため、直接受け取りたくないという人も多いという。

また自動応答メッセージを利用することで、現在、家の中に在宅しているのかいないのか、子供や高齢者、女性しかいないのかなどを、来客者に分からないようにできる。そのため、より安全だとする。

なお、自動応答メッセージには、デフォルトの3種類に加えて、オリジナルメッセージの作成も可能。例えば男性の声で応答メッセージを録音しておけば、男性の在宅を印象づけられるだろう。

及川さんによれば、さらに24時間年中無休で、玄関前を録画できるため、インターホンが防犯カメラとして利用できるとする。防犯カメラを設置したいが、設置価格などを考えるとなかなか導入しづらい場合に、防犯カメラ兼インターホンとして使えるNasta Interphoneであれば、より便利に安心して暮らせるようになるという。

そのほか及川さんには、一般的なインターホンの室内親機に搭載されている、モニターや操作ボタンを、非搭載とした理由を聞いた。

「昨今は、スマートフォンを使っているのが前提になっています。また、室内親機のモニターまで走っていくという手間が、面倒という方もいらっしゃいます。例えば2階のベランダで洗濯物を干している時に、わざわざ1階の室内親機まで行って応答するのは大変です。また急いで行ったために、転んで怪我をされる高齢者もいらっしゃいます。

そのため、手元のスマートフォンで応答できるというのが、ユーザーメリットになると考えました。そう考えた時に、室内親機のモニターは必要ないものと捉え、新モデルではモニターを省きました」

また及川さんによれば、家庭内LAN環境のない世帯向けには、専用タブレットを同梱したモデルもラインナップするという。

宅配クライシスと強盗に対応する“玄関前の門番”

ナスタの代表取締役兼CEOである笹川順平さんは、新型コロナ禍以降の宅配ニーズの増加と、防犯意識の変化について説明。インターホンの果たすべき役割について語った。

代表取締役兼CEOの笹川順平さん

新型コロナ禍以降は、家に居る時間、在宅時間が極めて長くなっているという。そんな中で、AmazonなどのECやUber Eatsなどを利用して、できるだけ外に出ずにいたいというニーズが高まっているという。そんな中で、同社が商品展開する宅配ボックスの需要も高まっている。

「例えばアパートやマンションに設置する宅配ボックスの個数ですが、従来の試算では、10世帯に2つ用意すれば良いだろうと考えていました。それが現在は、世帯数の5割分が必要だとされています」

そうして宅配の需要が高まっている中で、宅配クライシスが解決しなければいけない社会現象となっているという。重い荷物を持ってきたにも関わらず、届け先に人がおらず、再配達が増えているのだ。

そんな宅配クライシスが問題となる一方では、宅配員を騙る強盗などにも対応しなくてはいけないという。

「現在は、荷物を運んでくれる人が、ヤマトや佐川急便、日本郵便だけではありません。AmazonやUber Eatsなどは、様々な人たちが運んできます。そうして多様化している宅配に対応するのが、人間であるべきなのかという点にも着目しました。

その点で新モデルでは、宅配専用ボタンを押していただければ、 オートマチックに機械が対応します」

笹川CEOは現在の窃盗事件についても言及。従来は空き巣狙いがほとんどだったのに対して、現在は、家に人が居る前提での窃盗または強盗が増えているとした。一方で従来の防犯商品は、主に家を留守にしている場面を想定して設計されている。そのため、今後は、家に人が居る前提で、どう予防できるのかが、防犯商品に問われているとする。

Nasta Interphoneは、宅配クライシスへの対処と同時に、宅配に対するセキュリティを強化できる製品と位置づける。これら増加する2つの問題に応え、「玄関前の門番として役立つ」製品だと、笹川CEOは締めくくった。