やじうまミニレビュー
タカラトミーアーツ「おかしな食パン たい焼きコース」
タカラトミーアーツ「「おかしな食パン たい焼きコース」 |
ホームベーカリーのレビューをしていると頻繁にパンを焼くため、どうしても食生活がパン一色になりがちである。そのまま食べる、ジャムを塗る、トーストしてバターを塗る、フレンチトーストにする、サンドイッチにする、スープに浸して食べる、など飽きが来ないようさまざまなアレンジを試みるのだが、だんだん飽きてしまう。
そこで、何かユニークな食べ方はないか、と探して見つけたのが、今回ご紹介するタカラトミーアーツの「おかしな食パン たい焼きコース」なのだ。
メーカー | タカラトミーアーツ |
製品名 | おかしな食パン たい焼きコース 食パンでたいやき作ろう! |
タイプ名 | 親たいやき/子たいやき |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 各935円 |
「おかしな食パン たい焼きコース」は、パンの内相(白い部分)で密封されたサンドイッチが、自宅でも作れるアイテムだ。コンビニの総菜パンや菓子パンのコーナーでよく見かける、袋入りのサンドイッチが鯛焼きの形をしているとイメージしていただければいいだろう。
製品は、たいやきのサイズによって、「親たいやき」と「子たいやき」の2種類のセットがある。
左が「親たいやき」、右が「子たいやき」のセット | 「親たいやき」のキット一式 | 「子たいやき」のキット一式 |
「親たいやき」では、体長約11cmのたいやき1匹と、チビたいパン2匹が作れる。
「親たいやき」。重ねる際は、パーツの六角形と丸を合わせる | 重ねる順番は、下から「たい型下」、「たいやき棒」、「たい型上」のついた「おかしな食パン顔」の順 |
「親たいやき」の模様には、部位名も | 具ははいらないが、小さな魚の形をした「チビたいパン」が抜き出せる |
「子たいやき」では、体長約7cmのたいやき2匹と、チビたいパンと吹き出しパンが1つずつ作れる。いずれも5~8枚切りの食パンを2枚ずつ使う。
「子たいやき」。一口サイズのたいやきと、チビたいパン、吹き出しパンが作れる | 「子たいやき」も重ねる際は、パーツの六角形と丸を合わせる | 重ねる順や要領は「親たいやき」と同じ |
■プレスするだけで、たいやき風のサンドイッチが作れる
作るときは、たい型下、食パン、たいやき棒、食パン、たい型上、おかしな食パン顔、の順で重ね、上から思い切りプレスする。するとパンに具を入れるくぼみができるので、一旦上の食パンだけ取り除き、できたくぼみに具を並べ、ふたたび上の食パンを戻して、再度おかしな食パンでプレスする。
まずパンを2枚重ねて押しつぶす | たいやき棒の下にパンを敷く。よく膨らんだホームベーカリーパンゆえかなり大きくなってしまった | 最初に形を整えるための層がこちら。パンのカットに若干失敗し、厚みが違っているのはご愛敬…… |
まんべんなくプレスする | 形ができた | 上のパンをはずし、具を乗せる。頭に唐揚げ、腹ににんじん、尾はブロッコリー、背中は南瓜やベーコンなど |
すると具がパンの内相で密封された状態で、たいやき型のパンとして切り離されるという仕組みになっている。1度たいやき棒を挟んでおくことで、具のスペースが十分取れるだけでなく、たいやきらしい形になるというわけである。説明するとややこしいのだが、これで白たいやき風のサンドイッチが完成するのだ。
上のパンを戻し、再びプレス | 親たいやきが1匹と、チビたいパン2匹が完成 |
入れる具はまさにお好み次第だ。「親たいやき」は大きめの具が入る。ホームベーカリーで焼いたパンを用いて、“サラダ+鶏の唐揚げ”に加え、“メンチカツ+コロッケ+鶏の唐揚げ”という一口ごとに違う味を楽しめる夢の組み合わせに挑戦。するとしっかり型抜きでき、なかなかの仕上がりに。
もう1つ、頭はメンチカツ、背中から尾は唐揚げ、腹はコロッケという夢の揚げ物トリオに | しっかり型抜きできたようだ | ただし具の入れすぎると、油分とあいまってパンが分離してしまうので注意 |
お弁当に入れてみたところ、柄にもなくかわいらしくなってしまった。「親たいやき」は大人からすればさほど大きくなさそうにも思えるが、具がしっかりしていると2個も食べればかなり満足できる。
お弁当風にしてみた。これはかなりキュート! | カットして入れてもおいしそうだ。ただし残念ながら夢の揚げ物トリオは分裂してしまった |
一方、一口サイズの「子たいやき」では、市販の食パンを使って、たいやきの名にふさわしく、あんこを入れてみた。これらはあんこを詰めた「子たいやき」は、頭から尾まであんこがぎっしり。いろんなものを詰めたら楽しそうだ。
「子たいやき」を作る。市販の食パンはジャストサイズ | あんこをたっぷり乗せる | かなりしっかりくりぬけた |
たいやきの模様が綺麗に入った | ホームベーカリーパンの残りを「子たいやき」に転用してみた | かなり押しつぶしたはずだが、気泡が大きめのためか、模様の入り方はいまいち |
小さなお子さんや小食の方なら、「子たいやき」のお弁当も良いだろう | あんこぎっしりで大満足 |
ちなみに、うまく作るには少々準備がいる。まず食パンをビニール袋に入れるか、ラップに包み、十分に押しつぶしておくのだ。せっかくフワフワもちもちしているパンを、わざわざ潰すなんて!? と思うかもしれないが、潰して薄くすることで皮としての耐久性が生まれ、具を入れるスペースが増え、鯛焼きの柄もつきやすくなり、上下の食パン同士も接着しやすくなるのだ。潰さずに作ることもできるが、パンがフワフワするため、形こそたいやき風でも柄はほとんど見えなくなってしまうので注意が必要だ。
左が市販の食パン。右がホームベーカリーパン。仕上がりの違いが一目瞭然に |
また食パンも、ホームベーカリーのパンよりは、スーパーなどで購入できるキッチリ四角い食パンがお勧めだ。これは市販の食パンのほうが内相が細かく均一なことや、パンの厚みも均一であるため。当初はホームベーカリーで焼いたパンを使っていたのだが、いま1つパッケージのような仕上がりにならなかった。そこで市販の食パンと作り比べてみたところ、市販の食パンのほうが仕上がりが圧倒的に綺麗だったのだ。
普段の食パンはホームベーカリー派の筆者だが、本品においては市販の食パンに歩があると言わざるを得ない。市販の食パンはホームベーカリーのパンよりサイズも小さめなので、切れ端が最小限で済むというのもメリットだ。
童心に返って、色々な食材をサンドしまくってしまうのだが、問題は切り離された耳の処遇だ。食パン2枚から、親たやき1個、子たいやきなら2個作れるが、余る部分も相当ある。どちらかというと、あまりのほうが多いくらいなのだ。そこで、耳の部分は生クリームやフルーツなどをグルグルに巻き込んで爪楊枝で固定し、見た目を整えてからおやつやデザートにしたり、端の耳は三角に整えて、改めてミニサンドイッチにするといいと提案されている。
ならばと余った耳のヘリに生クリームをつけて巻いてみたが、これはこれで慣れやテクニック、およびセンスがいるようだと分かった。大量に余ってしまったら、思い切ってフレンチトーストにしたり、クルトンにしてスープの具にする、油で揚げて砂糖をまぶしておやつで食べるなどするのもいいだろう。また、サイズによっては「子たいやき」を作ってみるという手もある。
よく膨らんだホームベーカリーパンを使ったあとは、残りも多い | 耳に生クリームを塗ってみる | クルクル巻いて爪楊枝で止め、ロールケーキ風にしてみたが、どうも筆者にはセンスがないらしい。こちらも市販の食パンのほうが美しくできそうだ |
なお、製品はポリプロピレン製で、耐熱温度は-20℃~90℃。電子レンジ、食器洗浄機、食器乾燥機は使えないので注意していただきたい。
■いろんなものを挟めば、子供の食育にも活用できそう
ホームベーカリーで作った自家製パンのアレンジのために手に入れたのに、たいやきとしての出来映えは市販の食パンのほうが適しているというまさかの展開になってしまったが、パン生地から用意しなくても、あんパンやカレーパンが簡単に作れるので、「おかしな食パン たい焼きコース」は大人でも楽しめる商品だ。
単なるサンドイッチではなく、たいやき感覚で食べられるという点で、特にお子さんの気を引くにはいいかもしれない。何を入れて食べたらおいしいか、苦手なものは食べられるか、作る過程を通じて、いろんな体験ができそうだ。
また、すべて手作りでお弁当を用意してあげたいが、どうしても時間がなくてお総菜にたよらなければならないときは、たいやき風にするというひと手間だけでも気持ちが込められる。クッキングトイの枠を超えて、お弁当の救世主になる可能性を秘めた一品だ。
2012年 11月 6日 00:00
やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです