やじうまミニレビュー

マークシート専用の筆記具2製品を試す

~三菱鉛筆「uni マークシート用鉛筆」& ぺんてる「マークシートシャープ」
by 小林 樹


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


試験などで採用されることの多いマークシート

 受験、就活、資格試験など、大事な勝負時にマークシートと向き合ったことがある方は多いはずだ。ご存知のように、マークシートとは小さな丸い枠を黒く塗りつぶして回答していく方式の解答用紙のことで、現在では幅広い場面で採用されている。しかし、実際記入してみると、枠をうまく塗りつぶせていなかったり、黒鉛で手が汚れたりということがよくあり、手ごわい相手でもある。今回ご紹介する2つの筆記具は、そんなマークシートに万全な状態で立ち向かうための、マークシート専用筆記具である。

 1つ目は、三菱鉛筆の「uni マークシート用鉛筆(HB)」は、その名のとおりマークシートに記入するために作られたHBの鉛筆だ。外箱には、「三菱鉛筆が一世紀にわたりつちかった超微粒子配合技術によるマークシート専用鉛筆」と謳われている。


メーカー三菱鉛筆
製品名uni マークシート用鉛筆(HB)1ダース
希望小売価格1,260円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格1,202円

 サイズは約176×7mm(長さ×直径)で、芯の直径は2mm程度。普通のHBの鉛筆と比べて、見た目も握った時の感触も、芯の太さも変わりない。マークシート用の鉛筆だから、もっと芯が太いものが現れると思っていたのだが、意外だった。

三菱鉛筆「uni マークシート用鉛筆(HB)」外箱には製品特徴が記載されている
サイズは約176×7mm(長さ×直径)左が普通の鉛筆、右がマークシート用鉛筆。芯の直径はともに約2mm

 もう1つは、ぺんてる「シャープペンシル 1.3mm マークシートシャープセット」(以下、マークシート用シャープペンシル)は、シャープペンシルと消しゴム、HBの替えの芯がビニールケースに入っている。試験会場でそのまま筆箱として使えるセット内容だ。さらにありがたいことに、ケースの裏にはマークシートの記入例や試験の注意点まで記載されている。


メーカーぺんてる
製品名シャープペンシル 1.3mm マークシートシャープ
希望小売価格525円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格415円

 ペンの全長は140mmで、握る部分にはゴム素材が使われているため持ちやすい。ノックして、芯を繰り出してみると、普通のシャープペンシルより一回り太い、太さ1.3mmの芯が出てきた。

そのままペンケースとしても使えるビニールケース入りケースの裏。記入例や試験の注意点なども記載されているシャープペンシルと消しゴム、替えの芯が一式セットになっている
芯の太さは1.3mm。普通のシャープペンシルの芯と比べたら断然太い上が普通のシャープペンシル、下がマークシート用のシャープペンシルの芯先左から、マークシート用シャープペンシル、マークシート用鉛筆、普通の鉛筆

 さっそく普通の鉛筆、マークシート用の鉛筆、普通のシャープペンシル、マークシート用のシャープペンシルの4本でそれぞれ直線を引いてみた。すると、右の画像でも明らかなように、マークシート用の鉛筆とシャープペンシルでは明らかに太い線が引けた。

上から順に、普通の鉛筆、マークシート用の鉛筆、普通のシャープペンシル、マークシート用のシャープペンシルで書いたもの普通の鉛筆マークシート用の鉛筆
普通のシャープペンシルマークシート用シャープペンシル

 感触は、普通のシャープペンシル>普通の鉛筆>マークシート用鉛筆>マークシート用シャープペンシルの順に、硬さを感じた。マークシート用シャープペンシルは他の3本に比べても際立って書き心地が柔らかい。他の3本は紙に書く際にシャキシャキシャキッという筆記音がするのだが、マークシート用シャープペンシルは芯先が机に当たる音がするくらいで、静かだ。

 もちろん、ただ太い線が引けて、書き心地が良ければいいのではない。試験の現場などでは、黒鉛がしっかり紙に付いているか、という“固着力”も重要なポイントだ。同じ圧力で書いたときの濃さを比べてみると、マークシート用の鉛筆と普通のシャープペンシルが同じくらいのはっきりとした黒で、光沢を帯びている。マーク用のシャープペンシルは芯が太いぶん、若干薄めの発色だ。とはいえ、機械が読み取るには十分な黒さだろう。

 次に、塗りつぶした所をこすって、滲みを確認する。2Bや4Bなどの芯が柔らかくて枠を塗りつぶしやすい鉛筆だと、逆に黒鉛が手に付いたり、消しゴムで消す時に滲んで、マークシートが汚くなってしまうということがある。

同じ圧力で書いた時の発色の違い。左から順に、普通の鉛筆、普通のシャープペンシル、マークシート用の鉛筆、マークシート用のシャープペンシルで書いたこすった時の滲み具合の違い。左から順に、普通の鉛筆、普通のシャープペンシル、マークシート用の鉛筆、マークシート用のシャープペンシルで書いた

 黒鉛の滲みが少なかったのは、マークシート用の鉛筆だ。指で強くこすっても指に黒鉛があまり付着しなかったし、マークシートもほとんど汚れが目立たずに済んだ。マークシート用シャープペンシルも、普通のシャープペンシルに比べると滲みが少ないのがわかる。マークシート向けの鉛筆とシャープペンシルは、確かに固着性に優れていた。

 また、実際の試験では、決められた時間の中でいかにテキパキ回答していくかという、回答速度も重要だ。よって、同じ1マスを埋めるにも、一度に埋められる面積の広いほうが、速く回答できるということになる。枠の中をクルッと一筆書きして一回で埋められる量を比べてみたところ、以下のようになった。

枠の中をクルッと一筆書きして一回で埋められる量左から順に、普通の鉛筆、普通のシャープペンシル、マークシート用の鉛筆、マークシート用のシャープペンシル

 さらに、縦筋をピッと一本引くだけで埋められた量は、以下のとおり。

縦筋を一本引くだけで埋められた量左から順に、普通の鉛筆、普通のシャープペンシル、マークシート用の鉛筆、マークシート用のシャープペンシル

 マークシート用の鉛筆とシャープペンシルは、普通のものと比べて一度に枠の大部分を埋めることができる。特にマークシート用のシャープペンシルは、ピッピッと線を引く感覚でマークしていくことができるので、1枠を塗りつぶすのがとても早い。グリグリと1枠1枠塗りつぶす手間など必要ない。

 実際に、10個の枠を埋める速さを比べたところ、一番早かったのはやはりマークシート用のシャープペンシルだった。次いで、マークシート用の鉛筆、普通の鉛筆、普通のシャープペンシルの順だった。

 消しゴムできちんと消えるかどうかも気になるところ。だが、どちらも普通の鉛筆などと同じように十分に消えた。使用した消しゴムは、マークシート用シャープペンシルにセットで付いてきたもの。消しゴムとしての性能は至って普通だが、細長い形なので扱いやすかった。

左から順に、普通の鉛筆、普通のシャープペンシル、マークシート用の鉛筆、マークシート用のシャープペンシルで書いたもの消しゴムで消したところ

 ちなみにこのマークシート用のシャープペンシル、芯の減りも気にならない。芯1ミリ減らすのにどれだけの枠を埋められるかやってみたところ、320個だった。芯の長さは6cmだから、1回の試験で芯1本使い切るということはまずないだろう。もちろん、芯が折れたり、何が起きるかわからないのが本番なので、予備があるに越したことはない。

 これら2製品を使って思ったのは、マークシート用の鉛筆は、芯の質に力を入れているということだ。しっかり発色し、滲まない。手に黒鉛が付くのを避けたい人や、1マス1マスしっかり丁寧にマークしたい人にオススメだ。

 一方のマークシート用のシャープペンシルは、使いやすさに力を入れている製品だ。いちいち芯を削る必要がないし、芯が太いので手早く枠を埋めていくことができる。スピード勝負の試験の時には役立ってくれるだろう。

 勝負事を前にすると、いくら準備万端でもそわそわしてしまうもの。神頼みに加えて最後の一押し、小さなところでも差をつけておきたい方にはぜひオススメしたい。


2011年 1月 24日   00:00