やじうまミニレビュー
暗記マーカーはもう古い!? スマホで効率良く暗記できるペン
by 片岡 義明(2013/12/20 07:00)
緑や赤のマーカーで覚えたい箇所をなぞり、赤色&緑色のシートで隠しながら暗記するのは定番の勉強法だが、スマートフォンを使って同じことができる暗記用マーカーが登場した。ぺんてるが発売した「AnkiSnap(暗記用)」だ。
メーカー | ぺんてる |
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製品名 | AnkiSnap(暗記用) |
希望小売価格 | 525円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 431円 |
AnkiSnap(暗記用)は蛍光オレンジ色のマーカーで、一般的な赤や緑の暗記用マーカーと同じく、教科書や書籍の暗記したい単語をなぞって使う。
普通は、赤や緑のシートを重ねて、暗記したい単語を黒く隠すのだが、AnkiSnap(暗記用)では、シートの代わりにスマートフォンと連携させる。
使い方は、iPhoneまたはAndroidスマートフォンに、無料の専用アプリ「AnkiSnap」をインストールする。対応OSはiOS6以降、Android 4.0以降。
AnkiSnap(暗記用)でなぞったページをアプリのカメラで撮影すると、撮影画像上においてマーカーでなぞった部分が黒い帯(マスキング)として塗りつぶされ、読めなくなる。さらに、その黒い帯をタップすると、マスキングが消えて下の文字が確認できる。取り込んだ画像は、マスキングの切り替えが可能な「暗記シート」としてアプリ内のフォルダーに保存される。
実際に資格試験や英会話のテキストなどに使用してみた。読み込む際にマーカーを引いた部分が自動的に認識され、その部分がマスキングが可能となるわけだが、読み込んだあとに編集モードにして認識した部分を削除したり、マスキングの範囲を改めて指定し直したりすることも可能だ。
注意点としては、上下2行をそれぞれなぞった場合に、インキが重なったため1行として認識されてしまうことがたまに起こるが、このような場合でも編集画面でやり直せる。また、図版や写真などのオレンジ色の部分をマーカーと認識してしまうこともあったが、この場合も編集画面でマスキング範囲を削除すれば問題ない。
マスキングの切り替えは、以上のように単語ごとにタップする方法のほかに、画面の中でシートを重ねる方法も用意されており、そのシートは緑シートと赤シートを選択できる。緑シートや赤シートのほうが紙の感覚に近いが、タップ方式の方が表示させる箇所をタップで細かく選べるため、順不同に問いて正解した箇所からマスキングを外していくなど自由度の高い勉強ができる。
取り込む画質は高・中・低の3段階から選択可能で、高画質を選べば大判のテキストも見やすい。何冊ものテキストをスマートフォンに入れておけば、かさばることなく、混んでいる電車やバスの中でもスマートフォンで快適に暗記できるので便利だ。
マーカーそのものについても、ノック式でキャップを紛失する心配もなく使いやすい。書き味もなめらかでスムーズに狙ったところに線を引ける。メタリックカラーの目立つデザインで、暗記用とスクラップ用を見分けるのも容易だ。また、交換用インキのカートリッジも用意されている。
なお、アプリを使うには、マーカーのパッケージに同梱されているカードに記載されたシリアル番号を登録する必要がある。このシリアル番号の利用期間は1年間で、期間が過ぎたら再びパッケージを購入して再度シリアル番号を入力しなければならない。つまりパッケージの値段にはマーカーだけでなく、アプリの1年間の使用料も含まれているということだ。
継続ライセンスはアプリからのアドオン購入(500円)によっても入手できるが、パッケージなら実売500円以下で買えるし、しかもマーカーも付属するのでお得だ。
試しに、AnkiSnapによく似たオレンジ色のマーカーを使ってアプリからスキャンしてみたが、AnkiSnapのマーカーと同じようにオレンジ色の部分が認識されて、AnkiSnapのマーカーとまったく同じように使える。このように、マーカーのインキが無くなっても似たような色のマーカーを用意すれば使える可能性は高いが、前述したように1年を超えて使うには再度パッケージまたはアドオンを購入しなければならないので、純正品以外を使うメリットはあまりないだろう。
スクラップもスマートフォンで簡単に管理できる
続いて、同時に発売されたスクラップ用マーカー「AnkiSnap(スクラップ用)」も試した。スクラップ用では、文書の中で取り込みたい部分をマーカーで四角で囲むと、囲んだ部分だけをスキャンできる。
メーカー | ぺんてる |
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製品名 | AnkiSnap(スクラップ用) |
希望小売価格 | 525円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 431円 |
インキの色は暗記用がオレンジなのに対してこちらは水色である。なお対応アプリは暗記用と同じAnkiSnapを使うが、スクラップ用のシリアル番号は別途登録する必要がある。
ちなみに円や三角形など、四角形以外の図形でも書き込んでみたが、その場合でも認識するエリアは円や三角形にはならず、必ずマーカーで引いた線の一部を含む四角形となった。また、四角形を複数個書き込んだ状態でスキャンした場合でも、一度に認識できるエリアは1つのみとなる。
新聞や雑誌の記事の中から一部だけをスキャンしたり、仕事の資料で表やリストの部分だけをスキャンしたりしてみたが、文書全体を取り込むのに比べてデータ容量が小さくなることに加えて、情報が整理されて見やすくなる点が便利だと思った。
1年ごとにパッケージまたはアドオンを買い直さなければならず、ランニングコストはかかるものの、アプリの利便性を考えればけっして高くはないと思う。暗記用は学校や資格試験の勉強に、スクラップ用はビジネスの資料ストック用にと、色々なシーンで活用できる。特に暗記用はこれからの季節、スマートフォンを持つ受験生にはぜひおすすめしたい。