やじうまミニレビュー
4カ月間使い続けられる「MISFIT SHINE 2」は、これまでで一番使いやすい活動量計だった!
by 河原塚 英信(2016/1/26 07:00)
人の運動量や活動量を測る健康/フィットネス家電が定期的にリリースされている。さらには、Apple Watchのように心拍計が測れるスマートウォッチも珍しくない。
だが、センシング技術を多く活用するデバイスほど、バッテリーの持ちは悪くなる。特にスマートウォッチは、フィットネス機能を使わなくても、1日〜数日おきに充電が必要になる。そのため、このバッテリーの充電問題が、活動量を測り“続ける”のを非常に難しくさせる。
ということで、最大約4カ月も電池交換が不要という活動量計「MISFIT SHINE 2」を使ってみることにした。
メーカー名 | MISFIT(ミスフィット) |
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型番 | MISFIT SHINE 2 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 12,556円 |
2カ月間、なんのストレスもなく使い続けられた
「MISFIT SHINE 2」は、3軸の加速度センサーと、3軸のデジタルコンパスを備え、1日の歩数や消費カロリー、移動距離を記録できる。その他、睡眠の時間や質も分かる。最近の活動量計としてはシンプルなデータしか収集できないが、だからこそバッテリーの消耗が少なく、4カ月間も電池交換なしで使い続けられる。このバッテリーの持ちの良さが、MISFIT SHINE 2の、最大の利点だ。
さらに、コイン形状の本体は、軽くて薄い。今回選んだカーボンブラックという本体カラーは、やや光沢のあるシックな趣で、ジャケットやスーツ姿でも違和感なく装着できた。
電池交換がほとんど不要なこと、変な主張をしない外観デザイン、これら2つの理由で、筆者は約2カ月間、本機を着けない日がほとんどなかった。
独自のポイント性で活動量を数値化
実際にどんなデータが取れるのかと言えば、大きく2つ。1つは活動量で、もう1つが睡眠に関して。
まず活動量については、歩いたり走ったり、あらゆる体の動きを独自のポイントで数値化してくれる。同時に、移動距離や消費カロリー、歩数も計測。どのようなアルゴリズムで測っているのかは分からないが、活動量の数値と、体の疲れを比較すると、だいたい数値は正確だろうと感じた。
活動量(ポイント)は、本体の12個あるLEDライトで表示する他、連携させたスマートフォン内の、専用アプリを使うことで閲覧と記録が行なえる。
筆者の場合は、使用していたほとんどすべての期間、腕時計のように装着できるベルトを使っていた。その他にも、固定器具としてクリップが付属。ジャケットやYシャツの胸ポケットに入れたり、シューズへの取り付けも可能。
特に、自転車に乗るときには、シューズに取り付けた方が、正確な活動量が測れると同機の発表会で言われていた。つまり、取り付ける位置で、活動量に違いがあるということだ。
そこで、同じ距離を歩行した時に、本機の装着位置で、どれだけ違いがあるのかをテストしてみた。同じ場所を、できるだけ同じ歩幅と速度で、違う場所に着けて歩いてみた結果が下記のとおりだ。
ポケットでは「33ポイント」
手首では「37ポイント」
胸ポケットでは「37ポイント」
シューズでは「42ポイント」
だいたい400mくらいを歩いたのだが、ポケットに入れた場合が最小で「33ポイント」。シューズに着けた場合で「42ポイント」だから、その差は「9ポイント」だ。より動きが大きくなるシューズに着ければ、よりポイントを稼げる、ということなのかもしれない。
検証してみたものの、より重要なのは、装着し続けやすい体の部位に着けることだろう。筆者が、腕時計のように装着していたのは、そのためだ。ほかのズボンのポケットや、胸ポケット、シューズなどに装着した場合は、靴や服を脱いだ時に、本機を外さなければいけない。特にシューズに着けた場合は、靴を脱いでから、次の日まで気がつかないということもあった。これでは「いつも着ける」ことができなくなってしまう。
一方で、腕時計のように手首に着ける場合には、環境が変わっても、外す必要がない。約2カ月間、お風呂に入るときにも、寝るときにも着けていられたのは、手首に着けていたからだろう。
睡眠時間が正確に把握でき、より体調管理に気を使うようになった
筆者は夜に眠るのが苦手。どうしても眠る前にテレビを見て、本を読み、スマートフォンでWebのチェックをしてしまう。そうした目先の楽しみを追求してしまうため、昼間に眠くなったり、仕事のパフォーマンスに影響したりしてしまう。
MISFIT SHINE 2では、活動量の他に、睡眠時間と睡眠の質が分かる。かなり正確に眠りについた時間と起床時間を記録してくれる上に、睡眠時間の中で、浅い睡眠と深い睡眠を判別し、グラフ化してくれる。
1日の活動量とともに、睡眠時間が可視化されることで、体調管理を心がけやすくなった。例えば、1日の活動量が多く、睡眠が十分ではない日が続いているとしたら、「今夜は早く寝ないと、明日はかなりヤバい!」と思うようになり、そうした日は早く寝るようになった。
活動量と睡眠時間をしっかりと把握することで、明日自分が出せるパフォーマンスが、なんとなく分かるようになった。筆者のように、ダラダラと過ごす時間が多く、睡眠不足に陥りがちな怠惰な性格の人には、とっても有用な機能なのだ。
MISFIT SHINE 2の決定的な弱点は……
バッテリーを気にする必要がなく、常に体の動きを計測できる「MISFIT SHINE 2」は、これまで使ってきた活動量計の中で、一番活用したものだった。とはいえ、欠点がないわけではない。
中でも、スポーツをする人にとって致命的なのが、本体がベルトからよく外れること。
普段の生活の中でさえ、ポロリッと本体がベルトから外れてしまうのだ。使用期間中、外れたのは5回以上。最後を除いては、いずれもスポーツをしている時ではない。歩いていて「何か落ちましたよ」と、言われることもあったし、気が付いたらベルトから本体が外れ、バッグの底の方に落ちていることもあった。
これではスポーツには使えないなと思いつつ、シュノーケリングをする時に、腕に着けたまま泳いでしまった。予想はしていたが、途中でなくなっていることに気がついた。プールであれば、まだ探す手立てもあるだろうが、海に落としてしまったら諦めるしかない。
ジョギングなど、他のスポーツであれば対処法も多いだろうが、こうしたことを心配しないといけないのは残念。できれば外れないように改良して欲しいところだ。
毎日の活動量を、ロールプレイングゲームのHPと考えて使う
体力を消費する活動量と、回復させる睡眠時間。この2つを無理なく毎日計測し続けられることで、自分がドラクエなどのロールプレイングゲームの主人公になったような気分になれる。
どういうことか分かりづらいだろうが、フィットネス目的では、活動量が増えることは喜ばしいこと。だが、筆者の場合は、活動量が増えるに従って、ロールプレイングゲームでいうところの「HP(ヒットポイント)」が減っていくと考えた。
具体的には、筆者の総HPを、本機で言う500ポイントに設定。歩き回ることが多い日には、500ポイントごとに忙しくても喫茶店などでシッカリと休憩するよう心がける。これにより「HP=体力」が「0(ゼロ)」になる前に、体を回復でき、その後のパフォーマンス低下を抑えられる。
また、仕事だけで1,000ポイントを超えてしまった時には、通常は5-6時間を目指している睡眠時間を、さらに長い8時間寝られるように就寝する。これで、体力を回復させられ、次の日のパフォーマンスを上げられる(ような気がした)のだ。
できれば、こうした使い方ができる対応アプリを今後リリースしてくれると、もっと使いやすくなるだろう。例えば、グラフなどではなく、ロールプレイングゲームの勇者のイラストを採用し、活動量が増えるごとに勇者が疲れた顔になり、ヘトヘトの顔に変化していく。そして休憩したり十分な睡眠を取ったりすることで、勇者(ユーザー)の回復がひと目で分かるようなアプリ……そんなアプリなら、日々の生活ではもちろん、トレッキングなどの長時間で行ない、体力配分が重要になるアクティビティでも活躍するだろう。
前述の通り、約2カ月使った時点で、筆者のMISFIT SHINE 2は、海の中へと沈んでしまった。とても気に入っていただけに残念でならない。できれば、次期モデルでは、これまで通りの防水や耐衝撃性能を持ちつつ、ベルトから絶対に外れない設計にしてもらいたい。