やじうまミニレビュー
岩谷産業「お料理バーナー・プロII」
~スイーツも和食も炎でおいしく仕上げ! 片手で点火できるバーナー
by 石井 和美(2013/2/20 00:00)
最近、子供達がスーパーで買う安いプリンに飽きてしまい、一丁前にクリームブリュレを好むようになった。クリームブリュレは近所の小さなケーキ屋さんで購入していたが、スーパーで購入するプリンに比べると値が張る。
そこで自分でブリュレを作れないものかとレシピを探してみたところ、どうやら材料はスーパーで買えるものばかりで、思いのほか簡単に作れそうだ。ただ、あの“表面を覆うカラメルのパリパリ”をうまく作るためには、料理用バーナーがあったほうがいい。
といっても、料理用バーナーは安いものから高いものまで幅が広い。ヘタに安いものを買ってしまうとクリームブリュレだけ作って満足し、その後は放置してしまいそうだったので、あえて本格的なお料理用バーナー岩谷産業「お料理バーナー・プロⅡ」を選ぶことにした。
お料理バーナー・プロⅡは、ワンタッチで着火でき、火力が調節できるバーナーだ。これでブリュレ以外にも、さまざまな食材を炙(あぶ)って楽しみたい。
メーカー | 岩谷産業 |
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製品名 | お料理バーナー・プロⅡ |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 4,480円 |
炎の強さや形状を変えることができる
本体サイズは200×39×72.5mm(幅×奥行き×高さ)。カセットガスは別売りとなっており、イワタニ製のカセットボンベを使用する。
ボンベは上に押し込みながら回して装着する。その後、転倒防止のための安定プレートをつければ準備完了だ。
炎は炎調節つまみと火力調節つまみがあり、強弱を調節できるだけでなく、やわらかく広がる炎や、細くとがった炎など、炎の形状を変える事ができる。
点火は火力調節つまみをプラス方向に約1/3回転させ、点火レバーを引く。点火レバーを引いている間は着火状態が維持され、点火レバーから指を離すと火が消える。横にあるオレンジのボタンはホールドボタンとなっており、着火している状態でボタンを押すと火が点きっぱなしになる。火炎の温度は最大約1,500℃、連続燃焼時間は約110分となっている。
クリームブリュレの表面がパリパリに!
クリームブリュレは生クリーム、牛乳、砂糖、卵、バニラビーンズがあれば家でも簡単に作ることができる。問題は、表面を覆うカラメルのパリパリだ。調べたところ、オーブンやグリルを使ってもできるが、より本格的に失敗なく作るには、バーナーがおすすめとのことだ。
表面にグラニュー糖を敷き詰め、バーナーを使って炙ってみた。グラニュー糖がじわじわと溶けて、あっという間に焦げ目がつく。
最初は弱火にしたが、なかなかグラニュー糖が溶けなかったので、途中から強火にした。強火にしたとたん、みるみる解けて焦げて泡状になるが、冷めると泡がなくなって平らになり、見た目も市販品と遜色ない仕上がりになった。
少し冷やしてからスプーンで表面を割ってみると、パリッというクリームブリュレのあの音がした。やはり出来たてのクリームブリュレはパリパリ感が違う。甘さとほろ苦さが相まって、とてもおいしく仕上がり、子供も大喜びだった。家庭でもこれだけおいしいクリームブリュレができるなんて感激!
ワンタッチレバーで着火でき、火力も自由に調整できるので扱いやすい。クリームブリュレは合計5個作ったが、1つも失敗することはなかった。
レモンパイも焼いたので表面を炙った。レモンパイは卵白でメレンゲを乗せるので、少し焦げ目がついたほうが見た目もオシャレになる。見た目がキレイになるだけでなく、表面が少し固まっておいしくなった。
炙り焼きでいつものお刺身が洋風に変身
いつもマグロやサーモンはサクを切るだけで、そのままお刺身にして食卓に出しているが、仕上げにバーナーで炙ってたたき風にし、野菜を添えた。焦げ目をつけると刺身とは違った香りと食感を楽しめて楽しい。
マグロの次にサーモンも炙ってみたが、サーモンは脂が多く、表面の炎がかなり強くなる。燃え移らないように足付きの網とステンレス等のトレーを下に置いた。テーブル等が燃えないよう場所等も工夫する必要がある。
フライパンで焼いただけの焼肉も、焦げ目をつけるとおいしい
フライパンで豚肉を焼いて味付けした焼肉丼は、我が家のランチの定番だ。フライパンでパリッとした焦げ目をつけるのは難しいので、仕上げにバーナーで炙ってみた。焼き上がった肉をフライパンの上で軽く炙り、表面が少し焦げればそれで終わりだ。
焦げ目がつくだけで、いつもよりはるかにおいしい! 炭火で焼いたのかと思うほどで、これはおすすめ。炙る時間はたった数十秒なので、ぜひお試しいただきたい。
レンジで加熱+バーナーで総菜のポークリブを香ばしく
コストコで購入した加熱済みの味付きポークリブも、温めることにした。オーブンで焼くのが一番おいしいのかもしれないが、こういった分厚い骨付き肉は芯まで加熱するのに数十分かかる。我が家のように4人家族では1回では全て温めることはできないので、何度も加熱すると大変なのだ。
今回はレンジで加熱後にバーナーで焦げ目をつけることにした。レンジでも十分ジューシーなうえ、更に焦げ目も付けられたので大満足! このように総菜や調理済みのおかずも、ちょっと炙るだけでスペシャル感が増すのは新しい発見だった。
トマトの湯むきも簡単にできる。里芋に焦げ目をつけてもおいしい
トマトの湯むきも簡単だ。十字に切り込みを入れ、バーナーで炙れば数十秒で完了する。下ごしらえの時間短縮にもなる。
里芋を薄味で煮たので、これもバーナーで炙ってみたが、いつもの煮物と違って食感が楽しい。和食で使ってみるのもおもしろそうだ。
グラタンの表面もバーナーで炙ればあっという間に焦げ目ができる
グラタンはチーズが少し溶けて表面に焦げ目がついたほうがおいしい。しかし、オーブンでは時間がかかり、トースターなどではサーモスタットが作動し、なかなか焦げ目がつかないので、いつもイライラしている。1人分なら待てるが、4人分ともなると一度ではすまないので、とても時間がかかるのだ。
そこで温めたグラタンを炙ってみた。短時間で焦げ目ができるので、これなら家族全員が焦げ目のついたアツアツのグラタンを同時に食べられる。
アイデア次第でいつもの料理に幅が広がる
バーナーは前々から気になっていたものの、購入に踏み切れなかったのは「使いこなせるのかどうか」が心配だったからだ。しかし今では、クリームブリュレだけでなく、ふだんの料理の中で色々試して楽しんでいる。あれこれ試してみると新しい発見があって楽しい。準備も簡単で、数秒から数分炙るだけ。ちょっと炙ればいつものおかずも豪華になるのは嬉しい。
火力はつまみで簡単に調節できるので、初心者でも扱いやすい。お菓子のような繊細さが必要とされるものには、弱火で少しずつ焦げ目をつけていける。魚のサクや大きめの肉は、強火で炙ると短時間で終わる。なお、チャッカマン(柄の長い使い捨てライター)のようなつもりで扱うと、炎の強さと音に驚くかもしれない。最初はごく弱火からスタートし、慣れてきたら強火で試していただきたい。
特に感心したのは、カセットガスの安定プレートだ。本体をボンベに装着するとバランスが悪くなり、倒れやすくなるが、安定プレートがあるおかげで少々雑に置いても倒れることはないので安心して使える。
少々高価ではあるものの、「お料理バーナー・プロII」はバーナー初心者からふだん使いこなしている方まで、満足できる製品だと思う。1つあると和食からスイーツまで色々使えるので大変重宝している。ぜひお試しいただきたい。