やじうまミニレビュー

キングジム「マスキングテーププリンター こはる」

~おしゃれな文字が印刷できる、マスキングテープ専用のプリンター
by 小林 樹
キングジム「マスキングテーププリンター こはる」

 ラベルプリンターというと、名前を記したテープを手軽に印刷できる小型の印刷機だ。フォーマルなフォントやテープが揃い、主にオフィスなどで使われているものを想像される方も多いかもしれないが、今回ご紹介するのは、マスキングテープに印刷できるというラベルプリンターだ。

 マスキングテープとは、もともとは塗装や仮止めの際に使われていた粘着力の弱いテープのこと。和紙の素材を活かした柔らかな風合いや、手でちぎれる手軽さが、ラッピングやデコレーション素材として注目を集め、さまざまな色や柄のものが文房具店などで売られている。


メーカーキングジム
製品名マスキングテーププリンター こはる
希望小売価格5,985円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格4,798円

  キングジムの「マスキングテーププリンター こはる(以下、こはる)」は、このマスキングテープ専用のラベルプリンターなのだ。印刷には、別売りの専用のマスキングテープを使う。専用のマスキングテープは、テープ幅は全て15mmで、色と柄のバリエーションは計21種類を揃える。Amazonだと1個399円なので、こはると併せて購入した。

 届いた製品のパッケージは、想像以上に小さかった。箱のサイズは、11cm四方程度。箱の横には注意点として、こはるの印刷は感熱式のため、長時間の表示には不向きであることや、高温多湿な場所、直射日光などの強い光、薬品類、硬いものとの摩擦などには弱いことなどが記載されていた。

こはるのパッケージこはるのマスキングテープは感熱紙のため、長時間の表示には不向き、との注意書きがあるパッケージの裏側には、かわいらしい印刷がほどこされている

 こはる本体は、想像していたよりもずっと小さく、手のひらサイズだ。本体サイズは約105×80×40mm(幅×奥行き×高さ)で、電池を入れていない状態の重量は175gだ。本体カラーはホワイトで、ほかにブラウンもある。ハンドル部にはレザー素材を採用している。

  本体上部には、モノクロの液晶表示パネルを搭載。液晶表示パネルの下には、キーボードのように操作ボタンが並ぶ。右側のピンク色の鳥の形をしたボタンが印刷を指示する「Printボタン」だ。

手のひらサイズで、軽い白色で統一された本体側面
ハンドル部にはレザー素材を採用マスキングテープのバリエーションは豊富だ

 使うにはまず、背面のカバーを外し、別売りの単四形乾電池を4本入れる。そして、マスキングテープを1つセットし、カバーを閉じて、電源をONにする。

電池をセットしたこはる専用のマスキングテープテープをセットする
単四形アルカリ乾電池を4本とテープをセットしたところ背面のカバーを閉じるどの柄のマスキングテープが入っているか、見てわかるように、こはるの本体背面には一部穴が開いている

文字のフォントや大きさのバリエーションが豊富

 ここで、こはるの入力機能を確認しておこう。入力はローマ字入力で、「かな漢字入力/カタカナ入力/ABCD入力/abcd入力」の4つのモード用意される。漢字は4,115文字を備え、学習機能付きの熟語変換方式となっている。最大入力文字数は62文字で、印刷行数は1行だ。

 こはるは、 文字のフォント(字体)、サイズ、文字を囲うフレームもそれぞれ選べる。フォントは「スタンダード/てがき/アンティーク/ポップ/タイプライター/らくがき」の6種類。なお、タイプライターとらくがきは英数字専用のフォントとなっており、漢字はスタンダードのみとなっている。

 サイズは「S/M/L/LL」の4種類。LLの印刷文字幅は最大9mmほどで、Sの場合は最大4mmほどだ。フレームは34種類。フレームなしも選べる。ほかにも、記号や絵文字のバリエーションも豊富だ。

フォントは、スタンダード/てがき/アンティーク/ポップ/タイプライター/らくがきの6種類。漢字はスタンダードのみ。タイプライターとらくがきは、英数字にのみ対応する文字のサイズはS/M/L/LLの4種類
フレームは全部で34種類。フレームなしも選べる記号や絵文字のバリエーションも豊富だ

 それでは、入力してみよう。今回は「家電Watch」と入力したいので、かな漢字入力で「家電」と入力し、続けてABCD入力とabcd入力を組み合わせて「Watch」と打ち込んだ。文字を入力した後は、文字のサイズやフォント、フレームをそれぞれ選んでいく。

 すべての入力が終わったら、印刷ボタンを押す。すると、本体上部の細いすき間から、「ジーーッ」という音を立てながらラベルが出てくる。テープには、しっかりと「家電Watch」の文字が記されていた。

文字のサイズは上から、LL/L/M/Sフォントは上から、スタンダード/タイプライター/てがき/アンティーク/らくがき/ポップ
フレームのバリエーションの一例。大人でも使えるものから、子供が喜びそうな絵柄まで揃っている漢字はスタンダードなフォントのみ。ひらがなの「かでん」の文字は、上から順に、スタンダード/てがき/ポップ/アンティーク


thanksと入力し、フレームを付けた。フォントはタイプライター、サイズはMを選択した

 テープカッターは付いていないので、印刷が終わったら、自分でテープを切らねばならない。不便なようにも思えるが、マスキングテープは手でちぎれるため、ちぎった風合いを楽しむことができるという利点もあるのだ。もちろん、ハサミで切るのも良し。カッターが付いていないぶん、子供でも安心して使える。

 なお、こはる専用のマスキングテープは普通のマスキングテープと違って、裏面にシール台紙が付いている。テープを貼る時は、このシール台紙をはがして使う。はがしたシール台紙は、ゴミとして残ってしまうのが残念だ。

テープカッターが付いていないため、自分で切る必要がある。マスキングテープの風合いを活かして、手でちぎるのも良いこはる専用のマスキングテープは、裏にシール台紙がついており、上下に分けてはがすことができる。シール台紙は、普通のマスキングテープにはついていないものだテープを貼ったあとには、シール台紙のゴミが残るのが残念

 いろいろな文字を入力してみたが、スムーズに変換してくれるので、ちょっとしたメッセージや人の名前の入力する程度では困らなかった。

 むしろ、フレームやフォントの種類が豊富で、迷ってしまうほど。遊び心溢れる装飾的な字体が揃っているので、メッセージカードや雑貨など、貼る対象に合わせて雰囲気を変えられるのもうれしい。

 

遊び心のあるラベルプリンター

 こはるで印刷したテープは、普通のマスキングテープと同様に、ラッピングやデコレーション素材などにも幅広く使える。自分の場合、知人へのメッセージカ-ドやスクラッピングにマスキングテープを使うことが多いが、マスキングテープに文字が印刷されているのは珍しくて目立てるため、「これどうやって印刷したの」と女友達から聞かれることもある。手軽にパッと華やぐものを作れるので、重宝している。

 普通のマスキングテープと一緒に貼ってもなじむし、普通のマスキングテープと同じように、ペンで文字を書き込むこともできるので、使い方は自分次第で広げられるだろう。

旅のスクラッピングブックに普通のマスキングテープと同じように、ペンで文字を書くこともできるメッセージカードに。普通のマスキングテープと合わせて貼ってもなじむ

 このほか、こはる専用マスキングテープには、ベージュやブラウンなど、落ち着いた色味のものも揃っているので、デスク周りのものに自分の名前を貼るといった用途にも使える。

ちょっとしたプレゼントに添えて身の回りのものの記名にテープの端をはさみで切ってアレンジした

 要望としては、せめてはじめの1個くらいは専用のテープを同梱して欲しかった。電池や専用マスキングテープが全て別売りなので、使い始めに全部用意しなくてはならないのは手間がかかる。

 毎日使う道具ではないけれども、小型で場所を取らないので、デスクにあっても邪魔にはならない。ちょっとした時に、サッと取り出して使えるので、助かる。スクラップ作りを楽しみたい人や、いつもよりちょっと華やかな寄せ書きを仕上げたい人、あるいは身の回りの雑貨にちょっとおしゃれな名前シールをつけたい人には、便利なグッズだ。






2011年8月4日 00:00