やじうまミニレビュー
フォーカルポイント「Moshi Moshi 01H」
フォーカルポイント「Moshi Moshi 01H」 |
街角の携帯電話ショップでは、店頭に最新式のスマートフォンが並んでいる。スマートフォンというと、PC向けのウェブサイトも閲覧しやすいよう、小型な本体に大きな液晶画面を備えているのが特徴的だ。
自分も、数年前からiPhoneユーザーで、メールやウェブサイトの閲覧、カメラ機能など、なにかと便利に使っている。だが、本来の電話としての機能はどうだろう。電話の際には液晶画面が顔に当たり、画面が皮脂や汗で汚れてしまったり、通話を続けるうちに本体が熱を帯びてきて、耳や頬にペタペタ張り付くような感じになったり……スマートフォンの見やすく大きな画面と、“のべ棒”状のコンパクトな本体は、電話機能には、使いにくさを感じる。
そこで本日取り上げるのは、スマートフォンでもゆっくり電話ができるというアイテムだ。フォーカルポイントの「Moshi Moshi 01H」は、スマートフォンのイヤフォンジャックに差し込むと、受話器として音声通話に使えるハンドセットだ。
メーカー | フォーカルポイント |
製品名 | Moshi Moshi 01H |
購入場所 | 楽天市場 |
購入価格 | 4,980円 |
Moshi Moshi 01Hは、コネクター部分にマイク端子付きの3.5mmステレオミニプラグを採用し、スマートフォンに接続して音声通話が行えるというものだ。
製品はNative Union社製で、日本ではフォーカルポイントコンピュータが輸入販売を行なっている。
本体サイズは、受話器型の部分が約220×60×60mm(幅×奥行き×高さ)。本体上部には音声を聞き取る受話口があり、下部には送話口を備える。送話口の下には、スマートフォンに差し込む3.5mmジャックの付いたコードが付属する。コードの長さはスパイラル部を含めて約500mm。カラーは赤だが、デザインはなんだか懐かしい「黒電話」の受話器のようだ。
パッケージ | 製品がしっかり梱包されている |
パッケージ背面には日本語のほか、英語/スペイン語/ドイツ語/イタリア語/中国語で説明が書かれている | 説明書も、パッケージと同様、7カ国語で記載されている |
本体重量は約237g。自分が使っているiPhoneの重さが約135gなので、電話よりMoshi Moshi 01Hのほうが重く、ずっしりしている。毎日外に持ち歩いて使うというより、自室でくつろいで会話する用途が中心になってくるだろう。
素材には、プラスチックの一種のABS樹脂を使用しており、すべすべとした質感だ。カラーは今回使用したマットレッドのほかに、マットブラックがある。
本体中央には、「通話・終話ボタン」を備える。Moshi Moshi 01Hを接続した状態で電話がかかってくると、このボタンを押して通話を開始できる。また、電話を切るときも、このボタンを押せば通話を終了できる。
Moshi Moshi 01H本体 | 通話・終話ボタン。直径は10mm程度 |
会社の内線の受話器とほぼ同じサイズだ | 本体重量は約237gで、ずっしりしている |
今回はiPhoneに使用するが、3.5mmジャックに対応するものであれば、スマートフォンでも、ノートパソコンでも、デジタルオーディオプレイヤーにも基本的に対応するという。また、別売りでスマートフォンとMoshi Moshi 01Hを繋ぐ専用のジャックもあるようなので、詳しくは、フォーカルポイント社のサイトに対応機種一覧が記載されているので、ご参照されたい。
■声がはっきり聞こえて、会話しやすい
使い方は、いたってシンプル。ジャックに差し込んで、いつも通りの電話をするだけだ。さっそくMoshi Moshi 01Hをジャックに差し込み、母に電話をかけた。
説明書の日本語のページは7ページほどで、内容はとても簡潔だ | ジャックに繋いだところ |
通話してみて、もっともスマートフォンとの違いを感じたのは、相手の声がはっきりと、大きく聞こえたことだ。電話の呼び出し音や声の音量が増し、音質がシャープになったような印象を受けた。
電話を受けた母のほうも、普段の通話に比べ、(筆者の)声がはっきりとして、聞き取りやすかった、とのことだった。
では、長電話の際の使い心地はどうか。知人と30分ほど通話してみたところ、相手の話し声がいつもより聞き取りやすかった上に、電話中に自分が楽な姿勢をとれるので良い。スマートフォン単体のように、通話中にずっと肘をあげている必要がないため、ゴロゴロとリラックスした姿勢で、長時間おしゃべりを楽しめる。
電話相手の知人からも、いつもより声がはっきり聞こえると言われた。普段、自分は滑舌が悪いのだが、知人からは「いつも(Moshi Moshi 01Hを)接続しているほうが、いいんじゃないの(笑)」と言われる始末だった。
10分以上通話を続けていると、iPhone本体が熱を帯びてきた。だが、iPhoneは頭から離れたところにあり、受話器部分は全く熱くならないので、不快にはならない。長電話していても、液晶画面が汗や皮脂、化粧の粉で汚れることはなかった。通話後に画面が薄汚れて、タッチパネルがなかなか反応してくれない! なんて焦る心配もいらない。
うつ伏せでスマートフォンを操作しながら会話することもできる | 仰向けでゴロゴロしながら…… |
リラックスした姿勢で長時間おしゃべりするにはちょうど良い | Moshi Moshi 01Hを使わずに通話したあと、汗や皮脂で汚れた液晶画面。暑い夏場は特にひどい |
受話口と送話口の間の距離が、耳と口の距離にあうので、会話しやすい |
声の聞き取りやすさという点では、同社の製品ページには「高音質のイヤフォンマイクを採用しています」という主旨の文が掲載されている。だがむしろ自分には、Moshi Moshi 01H本体の形が、握ったときに受話口と送話口がそれぞれ耳と口の位置に当たるように湾曲しているから、会話しやすいと感じた。さらに、受話口と送話口はそれぞれ耳と口を包み込むような形をしているので、音をしっかり拾ってくれるのだと思う。
ただし、声と一緒に、ノイズの音量も大きくなるようだ。会話には差しさわりないのだが、いつもよりも鮮明に聞こえるのが気になった。
■電話ならではのコミュニケーションを楽しみたい方に
本体がずっしりと大きいため、ちょっとした用件を伝える通話や、持ち歩きには向かないが、通話のしやすさは確かに実感できた。自宅に置いて、家にいる間はスマートフォンに接続しておく、という使い方が自分には1番なじんだ。
バッグの中でかさばるので、持ち運びには不向き | iPod機能で音楽も聞ける | パソコンに接続して音声を楽しむこともできた |
日常生活の中で、用件を伝えるなら、数分の通話やメール、Skypeなどのチャットで十分だ。学生時代に比べたら、長電話の機会はめっきり減った。だが、知人からの久しぶりの近況報告や、相談事の際には、じっくり話し込むこともある。面と向かうとなかなか言えないようなことでも、電話だとポロリと言えてしまうこともある。声色や、言葉と言葉の間など、文字面には表れない、相手の雰囲気も伝わってくるのが電話の面白さだ。
価格は高めだが、会って話すのや、メールでやり取りするのとは違う、電話ならではのコミュニケーションを楽しみたいという人には、オススメしたい。
2011年 8月 3日 00:00
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