やじうまミニレビュー

コクヨ「ハリナックス ハンディタイプ」

~針なしで紙を綴じる、新機軸の小型ステープラー
by 正藤 慶一


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


コクヨS&T 「ハリナックス ハンディタイプ」

 次のレビューのネタ、何にしよう……と迷っていると、机の上に格好のネタが置いてあることに気付いた。コクヨS&Tの「ハリナックス ハンディタイプ」(以下、ハリナックス)である。

 ハリナックスを一言で表現すると“針を使わないステープラー(ホッチキス)”だ。最大4枚までの紙が綴じられるため、ちょっとした資料作りにちょうど良い。おまけに、針(替え芯)をイチイチ詰め替える手間がなく、ランニングコストも不要なのだ。当初はレビューをするために購入したのだが、原稿を綴じるのに便利なので、今までフツーに使いつづけてしまい、レビューとして取り上げるのをすっかり忘れていた。

 というわけで今回は、いつのまにか我がデスクに馴染んでいたこのハリナックスを紹介させていただこう。


メーカーコクヨS&T
製品名ハリナックス ハンディタイプ
希望小売価格1,155円
購入店舗Amazon.co.jp
購入価格984円

よくあるステープラー(ホッチキス)のような外見だが、紙を綴じる部分が異なる

 ハリナックスの本体は、「く」の字のような形をした、ステープラーに似たデザインとなっている。しかし、サイズは32×125×77mm(幅×奥行き×高さ)と、よくあるステープラーと比べると、厚く、大きめの印象を受ける。

 紙の綴じ方も、ステープラーとは異なる。ステープラーは「く」の字の2つの頂点を合わせ、その接点で針を紙に打ち込むというスタイルだが、ハリナックスの「く」の字は、ただのハンドルの役割でしかない。紙を綴じるのは、その反対側にある、わずか数ミリほどの開口部。ここに紙を入れ、ハンドルを握ってガチッと綴じるのが、基本的な使用スタイルになる。

 さっそく紙を綴じてみると、跡には1cm弱ほどの綴じ穴が開いている。綴じた部分に文字が書いてある場合には、確実に読めなくなってしまうが、本体には綴じ穴確認用のウインドウが付いているので、文字の部分を避けられるようになっている。このウインドウからは、2つのカッターが紙をカットし、紙を折り込んでいく様子も確認できる。

紙をカットする刃。ハンドルを握ると、透明のウインドウごしに見える透明のウインドウは、綴じ位置の確認にも役に立つ綴じ跡。穴は1cm弱ほど

ハリナックスで紙を綴じる作業の動画。意外といっては失礼だが、しっかりと綴じられる

 紙は綴じられたが、気になるのがその強度。すぐに剥がれてしまっては意味がないが、これが意外としっかりしており、会社で資料として使う分には何も問題はない。もちろん強めに引けば紙は破れてしまうが、これはステープラーでも同じだろう。

 強度を高めたい場合は、1カ所だけではなく、タテとヨコの2カ所を綴じるのが良いと、本体に記されていた。試してみると、確かに紙がズレたり、綴じ跡が剥がれることもない。安定度はバグツンで、ステープラーで綴じたのとほとんど変わりなく使える。さらにガッチリ留めたい場合は、手間がかかるが、タテとヨコをそれぞれ2カ所、計4カ所を留めればもう無敵だ。

 と、ここまで良い点を述べてきたが、実はこのハリナックス、コピー用紙が最大4枚までしか綴じられないのが非常に物足りない。長めの原稿やプレゼン資料だと、7~8枚くらいになることはザラだが、これでは開口部には入らない。無理やり入れれば6枚くらいはイケるが、スッと入らないので、ねじ込むのが面倒だ。その点を考えると、まだまだステープラーの優位性は変わらない。

本体に表示されていた、保持力を高める留め方個人的には、この4カ所留めが安定度抜群で気に入っている(ただし、手間はかかる)4枚までしか綴じられないのは、やっぱり不便だ。ねじ込めば何とか6枚まではいける

 だが、2~4枚までの紙であれば、ハリナックスはステープラーにも負けないと感じた。理由はやはり針を使わないで済む点だ。ステープラーで針が無くなった時に、補充用の芯がどこにあったか迷う必要もなく、ステープラーの針に非対応のシュレッダーにもそのまま掛けられるというメリットがある。さらにいえば、資源を無駄に使わないということから、“エコ”を志向する世の中の流れにも合っている。

開口部には指はまったく入らない。誤って指を綴じてしまう、なんてことはないだろう

 また、安全性の高さもアドバンテージといえるだろう。前述の通、紙を投入する開口部は数ミリなので、子供の指でもほとんど入りにくい設計となっている。紙をカットする刃もガードが設けられており、手に触れる恐れもない。唯一あるとすれば、ハンドルの間に指を挟むくらいだろうが、3カ月ほど使っているものの、今のところ一度もそんなことはなかった。 なおハリナックスには、10枚まで綴じられる据置型の「2穴タイプ」も用意されている。プレゼン資料を綴じる場合などは、こちらの方が便利だろう。

 ハリナックスは、ちょっとした記事や資料をまとめるのに非常に便利な製品だ。ステープラーの針がなくなって針を探して右往左往した経験のある人には、ド真ん中に届く製品だろう。仕事をより軽やかにこなすための新しいツールとしてお勧めしたい。




2011年 2月 3日   00:00