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マックス「HD-10DFL」

~綴じた針が出っ張らないホッチキス
Reported by 本誌:伊藤 大地

HD-10DFL
 複数の紙を綴じるステープラーはパソコン、プリンター、赤ペンに次ぐ、仕事の必需品だ。あまりにもその存在に慣れすぎていて、これまで、特に不便と感じることもなかった。

 しかし、ステープラーメーカーの大手、マックスのWebページを見て驚いた。最近は綴じた針の裏側が、フラットになるいわゆるフラットクリンチタイプが主流らしい。

 ということで、今回はフラットタイプの製品「HD-10DFL」をレビューしたい。希望小売価格は1,260円。Amazon.co.jpでの購入価格は968円だった。ちなみに、“ステープラー”より、なじみの深い「ホッチキス」という呼称はマックスが商標権を持っている。ここからはホッチキスと呼ばせていただく。

 ところで、これまで使っていたのは同じマックスの「HD-10D」だった。これは1969年にグッドデザイン賞を受賞した定番商品で、マックスのラインナップの中でもメインストリームに位置する。フラットタイプの製品が出た現在でも、コンビニなどで販売されるほどポピュラーで、ホッチキスの代名詞的存在だ。

 そのHD-10Dが、フラットタイプに生まれ変わったのが1989年。「HD-10DF」である。今回紹介する「HD-10DFL」はさらにその後、2002年に発売された後継機で、フラットタイプでかつ、綴じる際に必要な力を30%軽減したことが特徴となっている。余談だが、ホッチキスの進化については、マックスのWebページにある「ホッチキスの歴史」が詳しい。興味のある方はぜひご一読をオススメしたい。


ヒンジ近くにはオレンジ地のMAXロゴがある
1世代前の「HD-10DF」
定番製品となっている「HD-10D」。フラットクリンチ機構は搭載していない

左からHD-10D、HD-10DF、HD-10DFL HD-10DF(中)と、HD-10DFL(右)は、底面の部分に厚みがある。この厚みにより、綴じ針を平らにする

 話を戻そう。まず、フラットクリンチについて、簡単に説明しておきたい。従来のホッチキスだと、綴じた針の裏側が山形に膨らんでしまう。フラットタイプの製品では紙を綴じる際に、山形に膨らんだ針の裏側を、さらに押して、平らにする機構を搭載。針が紙に対してぴったりと密着するため、かさばらず、ホッチキスで綴じた書類を山積みにしても、綴じた部分だけ厚みが出たりすることもない。また、書類から飛び出た針が指や爪に引っかかることもない。良いことずくめである。


HD-10DFLでは100本まで針が入る HD-10DFでは、ヒンジ近くのボタンを押すと前から針入れが飛び出す仕組みになっていた HD-10DFの針入れ

左がHD-10DFLで綴じた書類。右がHD-10D。左の方は針がほとんど出っ張っていないのがわかる HD-10Dで綴じた、5枚1組の書類10部。厚みは約17mm HD-10DFLで綴じた、5枚1組の書類10部。厚みは約9mm

同じ5枚×10部の書類を積み上げたところ。左がHD-10DFで、右がHD-10DFL
 最新機種のHD-10DFLだが、結論から言うと、機能、使いやすさ、デザインと三拍子揃った非常に完成度の高い製品だ。

 やはり、綴じ針がフラットになるのは、一度使うとやめられない。試しにHD-10DFLと、フラットタイプではないHD-10Dとて、5枚のA4用紙を綴じた書類を10部ずつ作り、積み上げてみた。結果は、HD-10Dでは厚みが約17mmだったのに対し、HD-10DFLでは約9mmだった。比べてみると、歴然とした差がある。30部、50部と部数が増えれば、もっと差が開くことだろう。

 もちろん、安全性が高いことも実感できる。綴じた裏を指でなでても、紙にぴったりとフィットしているため、針の先が指に当たることがない。

 一世代前の製品となるHD-10DFと合わせて、しばらく使っていたのだが、HD-10DFLはうまく、前の世代の欠点をつぶした製品であることがわかってきた。

 たとえば、HD-10DFは底面が丸く加工されており、机の上に置く際、据わりが悪く、すぐに倒れてしまう。フラットタイプの製品では、針を平らにするため、押しつける台座側に遊びが設けられており、厚みがある。厚みが出ると握りにくいので、底面を丸くして、手に馴染む形にしたわけだ。それと引き替えに、据わりが悪くなってしまっていた。

 その点、HD-10DFLは割り切っている。厚みがでるのは当然、というかのようにHD-DFにあった丸みをなくし、フラットな底面に戻している。そのため、本体の大きさも一回り大きい。さらに言うと、重さもHD-10DFが115g(本体のみ、実測値)だったのに対し、HD-10DFLは142g(同)と、約2割増えている。


HD-10DF(右)は底面がラウンド加工になっており、据わりが悪い
HD-10DFの重量は115g
HD-10DFLは142g。手で持っても重さが違うことが感じられる

HD-10DF。HD-10D同様、スマートなデザインを目指した印象だ HD-10DFL。まったく形状が異なることがわかる

 針を押し出すハンマーの部品に、鉄板を入れて補強していることが重さが増えた主な原因だが、これにより、綴じる際の力が大幅に軽減されている。マックスのホームページによると、綴じる力が30%軽減されたとある。実際に比較すると、3割どころか、5割くらい削減しているのではと思うほど、軽く綴じられるのである。

 さて、HD-10D/HD-10DF/HD-10DFLと三世代の製品を並べてみてみると、やはり、初代のHD-10Dのデザインの良さが群を抜いている。一言で言うと、スマートというか、シャープな印象だ。おそらく、HD-10Dがスマートなデザインだったため、そのイメージを守るため、HD-10DFではなるべくコンパクトにまとめようとして、結果、丸みを帯びたデザインになったのではないか。事実、HD-10DFもまた、グッドデザイン賞を受賞している。

 一方のHD-10DFLは、HD-10Dのエッセンスを残しながらも、フラットタイプを前提にイチからデザインし直したような印象だ。HD-10DFでは黒地に変わっていた、MAXのロゴがオレンジ地に戻っているのもうれしい。

 正直、一度使ってしまうと、もう、HD-10DやHD-10DFには戻れない。3製品は現在も併売されているが、販売価格に差はないようだ。新世代の定番として、HD-10DFLを強くお勧めしたい。





URL
  マックス株式会社
  http://www.max-ltd.co.jp/
  製品情報
  http://wis.max-ltd.co.jp/op/product_catalog.html?product_code=HD90016
  ホッチキス物語
  http://wis.max-ltd.co.jp/op/h_story.html



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2007/07/31 00:01

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