やじうまミニレビュー
象印マホービン「TUFF(タフ) SM-JA48」
象印マホービンのステンレスボトル「TUFF(タフ) SM-JA48」 |
冬のお出かけに持って行くと便利なのが「魔法瓶」。容器の内側と外側の間に真空層を設けることで、熱の放出を抑えて、飲み物を温かいままキープしてくれる。もちろん、電気は一切不要だ。
最近ではボトルやマグタイプなど、持ち運びやすい手軽なサイズも増えてきており、持ち運びも便利。いちいちコンビニや自動販売機でホットのお茶のペットボトルを買わず、気が向いたときに気軽に飲んで、体の中から暖まることができる。
今回は、そんなボトルタイプの魔法瓶の中から、象印の「TUFF(タフ) SM-JA48」を紹介しよう。
メーカー | 象印マホービン |
製品名 | TUFF(タフ) SM-JA48 |
希望小売価格 | 4,410円 |
購入店舗 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 1,979円 |
このボトルは、栓とフタが分解して洗える点が一番の特徴だ。一般的なボトルは、栓とフタが一体となっており、両者の接合部分の小さなスキマにコーヒーの汚れや茶渋などが残ることが多かった。しかしこの製品なら、フタを分解できるため、より細部まで丁寧に洗うことができるというわけだ。
本体サイズは65×215mm(直径×高さ)で、内容量は480ml。350mlクラスのペットボトル(左)を入れると余裕があり、500mlクラスのペットボトル(中央)を入れると、少しだけ溢れる |
まずは基本的なところから見てみよう。本体サイズは65×215mm(直径×高さ)で、細長くスリム。容量は480mlと多めで、360mlと小型のものもあるが、500mlのペットボトルとの移し替えを考えて480mlを選んだ。背は高いが、本体の重量は250gと軽い。ステンレス製で、保温・保冷のどちらにも対応している。
本体カラーはブラックを選択。この手のボトルはステンレス素材のため、光が反射するデザインのものが多いが、本製品は光沢を抑えた渋いデザインで、触った感じも“ツルッ”というよりか“ザラッ”としている。ブラックのほかはロゼ(ピンク)/レッド/ホワイトの3色が用意されているが、製品写真ではどれも派手な印象を受けてしまう。面白みはないが、ビジネスユースとの兼用を考えると、サラリーマンにとってはこれが一番便利そうだ。
ビジネスバッグに入れたところ。背は高めだが、しっかりと収納されている。溶け込み過ぎて、存在が確認できないほどだ | プライベートで使うバッグに入れても収まった。ただ、ほかの荷物がないと直立しづらいので、横に倒して入れることが多くなりそう |
フタを開けると、中には樹脂製の飲み口がボトルにはめ込まれている。ここに口をつけて直接飲むスタイルだ。この飲み口は象印の製品ではよく採用されているもので、ステンレスが直接当たる面積が少なく、口当たりがマイルド。個人的には、直接ステンレスに口を付けるタイプよりも、こちらの方が好みだ。
では、フタと栓を分解してみよう。まずは、フタ上部のキャップを取り、その中にある栓を指で挟んで押し出す。これで、(1)フタ上部のキャップ、(2)栓、(3)フタの3つのパーツに分割できる。戻す時は、この手順を逆からすれば良いだけだ。栓を押し出すのに若干力はいるものの、意外とあっけなく分解できてしまった。
この栓の分解機構は、ニオイが強い飲み物を入れたあとに有効だ。コーヒーなどはかなりニオイが強烈なので、しばらく容器の中に入れておくと栓にニオイがこびり付くことがあるが、これならすみずみまで届く。さらに、栓やキャップについているゴムまで取り外せるので、徹底的に洗うことができる。ついでにいえば、前述の飲み口部分も取り外せる。ニオイや汚れが気になったら、徹底的に洗いまくれるのが、この製品の良いところだ。
フタと栓とキャップの3つに分解できる | 栓とキャップは、さらにゴム部分も取り外せる | 飲み口も取り外せるため、本体も含めて合計8つのパーツに分割できる |
樹脂製の飲み口は簡単に取れる | パーツをバラバラに分解して、スキマなど細かい部分が掃除できる点が特徴だ |
“取り外し式の栓で、保温効果は大丈夫?”という疑問を持つ人がいるかもしれないが、これに関しては問題はない。実際に温かい飲み物の温度の変遷を調べてみたが、89.5℃のお湯が、1時間後は85.5℃、6時間後は69.8℃と、ほぼスペック並みの結果が出た(公式では95℃のお湯が1時間後で87℃以上、6時間後で70℃以上としている)。保冷についても、3.7℃の冷水が6時間後は7.5℃(公式では4℃の冷水が6時間後に9℃以下)と問題はなかった。
また、本体を横に倒して、中の水が漏れたりすることもなかった。分解できるけど、その分スキマができて漏れちゃう……なんてことはないようだ。
経過時間 | 測定開始時 | 1時間後 | 2時間後 | 3時間後 | 4時間後 | 5時間後 | 6時間後 |
保温効果 | 89.5℃ | 85.5℃ | 81.3℃ | 78.1℃ | 75.4℃ | 72.3℃ | 69.8℃ |
保冷効果 | 3.7℃ | 4.3℃ | 4.9℃ | 5.7℃ | 6.2℃ | 6.7℃ | 7.5℃ |
倒すことが多かったせいか、キズが多くできてしまった。これは洗っても取れない |
ただ、倒したり硬いモノとガチガチ当たったせいだろうか、使用から2カ月ちょっとで、引っ掻きキズのような跡ができてしまったのは気になった。これはボディが黒いこともあるだろう。そのせいで保温能力が落ちるわけではないが、せっかくの渋い外見がキマらなくなるので、あまりぞんざいに扱うのは避けておきたい。
また、フタと栓は分解して細かく洗えるものの、完全にニオイを消し去るのは難しい。コーヒーを飲んだ後に洗って乾かした栓に鼻を近づけると、うっすらとニオイが残っている。もちろん、使用に問題のないレベルにまでニオイは取れるので、気にしすぎることはないが、“完全になくしたい”という場合には、専用の洗浄剤で漬け置き洗いする方が効果はありそうだ(ただし、ボトル本体は浸け置きに対応していない)。
とはいえ、全体的に見れば、軽くて、シブくて、隅々まで洗えて、保温(保冷)もバッチリと、非常にレベルの高いボトルだ。冬の旅行やスポーツ観戦はもちろん、仕事や学校など日常のパートナーとしても十分にふさわしい。
ちなみに私が良く使うのが、ゲームをする時だ。集中し過ぎて飲み物を冷ますことがないし、部屋で使うには480mlはやや大きめに見えるが、容量が多いため継ぎ足す手間が省けて良い。この冬に“ゲームごもり”を企てている人は、ぜひお試しいただきたい。
もちろん、保冷にも対応しているため、夏だって大丈夫だ。暑かったり寒かったり、季節は勝手に移り変わってしまうが、ステンレスボトルならその時々の“ちょうど良い”が味わえる。ステンレスボトルを持っていない人なら、購入して間違いはないはずだ。
2010年 11月 30日 00:00
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