家電製品ミニレビュー

ダイソン「Digital Slim DC45 モーターヘッド」

~ダイソンの新型コードレスハンディクリーナーは何が変わった?
by スタパ齋藤
ダイソン「Digital Slim DC45 モーターヘッド」

 家電Watch編集部から「貴様はコードレスクリーナー野郎なので、ダイソンの新型コードレスクリーナーを使ってみなはれ」的なメッセージとともに、ダイソンの「Digital Slim DC45 モーターヘッド」(以下、DC45)が送られてきた。2012年9月27日に発売された最新型ですな。



メーカーダイソン
製品名Dyson Digital slim DC45MH
モーターヘッド
購入店舗ダイソンオンラインストア
直販価格59,800円

 俺の場合、コードレス掃除機が大好き。充電台にセットして置いておき、ゴミやホコリを見つけてたら即使えるからだ。コード式の掃除機だと、こうは行かない。

 コード式の掃除機は、高機能だったり吸引力が強かったりするものの、いちいちコードを引き出してコンセントにつなげて……みたいな手間がかかる。「あっ床に猫の毛が点在してる~」と思っても「掃除機出すの面倒だから掃除は今度」みたいに、掃除を先延ばしにしがち。

 これもまた俺の場合なんスけど、掃除を先延ばしにすると床などがどんどん汚れ、それを見ると「う~ん、来月になったら気合入れて掃除しよう」てな感じで「さらに掃除を先延ばしする」ことになる。そしてこれを繰り返して「年末にまとめて掃除しよう」となって、忙しい年末がさらに忙しくなって、といった悪循環が発生する。

 コードレス掃除機が大好きなのは、こういう悪循環を絶てるからだ。コードレス掃除機の場合、「あっ猫の毛が」とか思ったら即使える。床などをいつもキレイな状態に保てる。結果、来月に気合入れて掃除とか、年末に頑張って大掃除、という必要がなくなって、ラクになる。そんな理由で、コードレス掃除機を毎日のように愛用している。

 で、現在使っているコードレス掃除機は、このレビューで扱うDC45の前の機種である「DC35」。DC35のレビューは、前編をココに、後編をココに書いたが、いいコードレス掃除機なんだなコレが。

 さておき、そのDC35をパワーアップしての新型となるDC45。使う前からテンション高めで興味津々、そして買う気も少々あったりする。

 DC45は、DC35からどうパワーアップしたのか? バッテリーとして新たに「ニッケルコバルトマンガンバッテリー」が採用され、連続運転時間が延びた。具体的には通常運転が15分から20分へ、強モード運転が6分から8分に延長した。ちなみに、バッテリーは22.2V/2,000mAhとなっている。

DC45のバッテリーはグリップ部分の下にある。グリップ部に付属ACアダプタのプラグを直接挿しても、付属の収納用ブラケットを使って壁掛け状態にしても、充電できるバッテリーはボタンを押せばワンタッチで外せる。複数個用意すれば、実質上の連続運転時間を伸ばせる。バッテリーにACアダプタのプラグを直接つなげても充電できる本体のグリップ部上側、モーターが内蔵されている位置に「MAX」ボタンがある。一度押して押し込まれた状態だと強モード運転となる。もう一度押せば通常運転モード

 バッテリーが強化されたことで、ゴミをかき上げる力である「ヘッド性能」も向上したそうだ。従来機種のDC35が15Wで、新機種のDC45が30Wになった。

 そのほか、DC35からの変更点としては、パイプの色がシルバーからブルーになったことや、サイクロン機構部の色が青からガンメタリックになったことくらい。バッテリーやカラーが変更されたマイナーチェンジというイメージですな。

 ともあれ、早速試用してみたが、「いつも使っているDC35の感触」からすると、床の汚れやゴミをよりクイックに吸い込むという印象になった。たとえば、静電気により床にこびりついたホコリをより強力に吸い込むようになったし、鉱物系の猫砂など重めのゴミもその上を一度ヘッドが通ればすっかり吸引してくれる。

 DC45のパッケージには「ヘッド専用モーターのパワーが2倍に増加」とあるが、これが前述の「15Wから30Wに上がったヘッド性能」なんですな。なるほど、確かにゴミやホコリがよく取れる。

ヘッド内のブラシを回転させるモーターのパワーが2倍になって、ゴミやホコリをよく吸うようになったという印象ちなみに、ヘッドの可動範囲も非常に広い。床にヘッドを密着させた状態でも、パイプ部が床と垂直になるまで動く床にヘッドを密着させた状態で、パイプと床を平行な状態にもできる。ので、ベッドや椅子の下も難なく掃除できる

 ただ、ぶっちゃけた話、ほかの部分の使用感は「DC45もDC35も全体的にそーんなには変わらない」というのが正直なところ。なのだが、「DC35のこの部分が良くなって欲しかった」ともあまり思わない、ってのも正直なところ。

 たとえば、DC35と比べ、DC45はバッテリー持続時間が延びた。前述のとおり、通常運転が15分から20分へ、強モード運転が6分から8分に延びている。大きなパワーアップポイントではある。

 しかし、俺の場合は強モードで5分くらい掃除できれば無問題だったりする。ほぼ毎日、こまめに掃除して、部屋のキレイさを保っている感じなんですけど。それはさておき、このテの掃除機は「ちょっとずつだけど毎日使う」という使い方になりがち。なので、バッテリー持続時間の長さはさほど大きなメリットにはならない。15分も20分も掃除機がけするようなら、より吸引力が強く時間を気にせず使えるキャニスター型でワイヤードな掃除機を使いますな。

 ともあれ、DC35もDC45も、重心のバランスがよくて扱いやすいし、軽いわりには吸引力が強力だし、付属アタッチメントの類も使いやすい。壁掛け収納しつつ充電できる点も、即使えることと即収納できることを両立できて使い勝手が良い。

付属のコンビネーションツール。吸引部の幅は約5.5cmで、ブラシを引き出せばブラシノズルにもなる内蔵のブラシが電動で回転するミニモーターヘッド。ヘッドの幅は約14.5cm。狭い箇所の掃除に便利だ長さが約25cmの隙間ノズル。先端に溝があるので、吸引力によって先端が対象に固着することが少ない
コンビネーションツールは高所のブラシ掃除もラクミニモーターヘッドはペットの抜け毛も強力に吸引アタッチメント付け替えで床から天井まで掃除可能
モーターヘッドはフローリングにもカーペットにも対応する重心が手元にあるので、階段を上がりながらの掃除もラクだ収納用ブラケットを使えば壁掛け収納と同時に充電も行なえる

 てな感じのDC45。約1年と9カ月間、従来機種のDC35を使ってきたユーザー視点からすれば、ヘンな言い方ですけど、DC35もDC45もどちらもかなり便利なコードレスクリーナーだと感じる。

 確かに、DC45のほうが床に付着したホコリやゴミをよりよく吸引してくれるという違いはある。が、率直な話、DC45もDC35も「コードレスクリーナーとしてはそーとー吸引力が高い部類」に入る掃除機。双方を使い比べるのでなければ吸引力の違いを意識できないし、単体ならどちらを使っても「イイわ~コレ」と満足できるレベルだと思う。

 とか言ってるのは、現状、DC45もDC35も併売されているから。そしてその価格差もけっこーある。家電量販店における新機種DC45の実勢価格は55,000円前後で、従来機種DC35の実勢価格は43,000円前後、みたいな感じ。もともと安価ではない掃除機だし、従来機種と新機種の実勢価格差が1万円くらいある。悩ましいところですな。

 でも、双方とも気持ちよく使える実用的なコードレスクリーナーであることは確か。じっくり調べつつ、ゆっくり悩んだりするのも、また楽しいかもしれない。






2012年11月29日 00:00