家電製品ミニレビュー

デロンギ「ドリップコーヒーメーカー CMB6」

~キッチンで映える! メタリックデザインのコーヒーメーカー
by 阿部 夏子
デロンギ「ドリップコーヒーメーカー CMB6」

 1日5杯はコーヒーを飲む私にとって、コーヒーメーカーは生活必需品の一つだ。いわゆる「調理家電」の炊飯器や電子レンジに比べると比較的機能がシンプルだからなのか、コーヒーメーカーには、さまざまなデザインや種類の製品がある。

 今回紹介するデロンギの「ドリップコーヒーメーカー CMB6」は、何よりデザインに挽かれて手に取った製品だ。置いてあるだけで、はっと目を惹くそのデザインは独特で、キッチンでも抜群の存在感を放っている。



メーカーデロンギ
製品名「ドリップコーヒーメーカー CMB6」
希望小売価格18,900円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格9,655円


 デロンギはイタリアの家電メーカーで、暖房器具や調理家電を多く扱っている。中でもコーヒーメーカーは多くのラインナップを取り揃えており、エスプレッソやカプチーノが作れる全自動タイプのコーヒーマシンは家庭用だけでなくプロ用の機器も扱うなど力を入れている分野だ。今回紹介する「ドリップコーヒーメーカー CMB6」は同社が初めて一般市場向けに発売したドリップタイプのコーヒーメーカーだ。

 基本的な機能はシンプルで、ドリップ式のコーヒーが入れられるだけだ。本体にはガラスポットと、ペーパーレスフィルターが付属する。手順もごく一般的なもので、粉をセットしてお水を入れたらあとはスイッチを押すだけだ。容量は780ccで、カップ約6杯分。本体サイズは170×260×295mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は3kgだ。本体カラーは今回購入した赤の「raspberry(ラズベリー)」のほかに、黒の「peppercorn(ペッパーコーン)」、白の「coconut(ココナッツ)」が用意されている。

製品パッケージ製品本体左からペーパーレスフィルター、フィルターケース、本体、計量カップ、ガラスポット
抽出口には9つの穴が開いていてシャワー状にお湯が出るようになっている

 コーヒー関連機器を多く扱うデロンギならではのこだわりは、抽出温度と保温温度にある。一般的なコーヒーメーカーの多くは1つのヒーターで抽出、保温をまかなっているが、CMB6では抽出用と保温用の2つのヒーターを搭載しているのだ。そのため抽出に最適な温度約92~96℃、保温に理想的な温度80~85℃をそれぞれ保つことができる。特に保温用のヒーターには自己温度制御機能を搭載しており、抽出後のコーヒーが煮詰まりにくくなっているという。

 次にデザインを見ていこう。本体はアルミニウムとステンレスを素材としており、デザインも頑丈そうでがっしりしたイメージ。今回購入した赤は特に色味が派手なので、キッチンに置いてあるとかなり目立つ。横から見ると「コの字」型の本体上部には、枠が設けられている。この枠の中にカップを置くことで、抽出中にカップを温めることができるのだという。

本体側面。横からみると「コ」の字になっている本体正面操作部。操作スイッチは1つだけ
本体上部。枠が付いている抽出中にカップを載せておくことでカップを温められるというサイズが大きいカップでも問題なく置けた

 使ってみてまず感じたのは保温温度の違いだ。朝コーヒーを淹れたら基本的には、なるべくスイッチをすぐに切るようにしているのだが、たまに切り忘れてしまうことがある。これまで使っていたコーヒーメーカーの場合、30分も保温していると煮詰まって苦味が強くなってしまうのでストレートで飲むのは厳しかったが、CMB6では30分程度ならほとんど味が変わらない。淹れたてのまろやかな風味がそのまま味わえるのだ。

本体上部を開けると給水タンクとフィルターセットする場所が備えられている給水タンクに水を入れる時は付属のガラスポットを使うと便利だ抽出後のコーヒーをカップに移しているところ。抽出スピードがやや早めだが、味は問題なし。30分程度ならおいしく保温できた

 驚いたのはペーパーレスフィルターを使った時。実は私はペーパーレスフィルターに関してあまり良い印象がなかった。ペーパーレスフィルターで淹れたコーヒーは味が粉っぽさが残る苦味の強い味という印象があり、ここ数年は全く使っていなかったのだ。

 今回、このレビューのためにペーパーレスフィルターを使ってみると昔の印象とは随分違う味で、特に粉っぽさは全く感じなかった。苦みに関してはペーパーフィルターを使った時に比べると若干増すが、許容範囲といった感じ。むしろ、朝なら目覚めのためにこのぐらいの味の方が良いかもしれないと思ったほどだ。

 この味の違いが温度制御によるものなのか、抽出方法によるものなのかは断定できないが、以前使っていたコーヒーメーカーに比べると数段おいしかった。

ペーパーレスフィルターは、普通のフィルターと同じようにフィルターケースにセットするコーヒーの粉をセットしたところペーパーレスフィルターにあまり良い印象を持っていなかったが、思ったよりずっとおいしいコーヒーだった

 また抽出中にカップを温められるというのも気が効いている。事前に温められたカップでコーヒーを飲めるなんてホテルのラウンジみたいで、ちょっとした贅沢気分を味わえる。

 使っていて気になったのは、まず電源ボタンが1つしかなく、抽出後なのか、抽出中なのか見た目にわからないという点。朝など、忙しい時は確認するのももどかしい時がある。抽出終了の表示ランプがあると便利だと思った。

 もう1つは給水タンクが内蔵式で洗えないという点。取り外しできないので、水を入れっぱなしにするのは避けた方が良いだろう。ただし、給水タンクが外れないという製品は珍しくない。どうしても気になる人は事前にチェックした方がいいだろう。

これまでキッチンには白い製品ばかりを置いてきたが、CMB6を置いたところキッチンが華やかになった

 基本はシンプルだが、保温温度やカップを温められるなど、ちょっとした機能が嬉しい製品。何よりの魅力はやはりそのデザインだろう。シンプルすぎず、しっかりとした存在感があるのでインテリアとして立派に成立する。これまでキッチン家電というと、「シンプルなものが一番」と思いこみ白ばかりを選んできたが、CMB6を置いてみると意外に馴染んでしまったことに驚いた。

 ドリップ式のコーヒーメーカーのようなシンプルな機能の製品の場合、デザイン重視で選んでしまうのもアリだろう。地味だったキッチンが一気に華やかになった。男性の部屋に置いてあっても違和感のないデザインなので、男女問わずお勧めできる製品だ。




2010年7月8日 00:00