家電製品ミニレビュー

ご飯だけじゃなく、煮込み系料理が絶品に仕上がる炊飯器を使ってみた

三菱電機のIHジャー「KAMADO 本炭釜 NJ-AW106」

 今使っている炊飯器が冬になると、なぜか調子が悪くなる。涼しさも増してきたので、炊飯器の新モデルを使ってみた。試したのは三菱電機のIHジャー「本炭釜 NJ-AW106」。

 今回は、美味しいご飯が食べられるだけで、幸福度は確実にアップするな、と改めて感じるレビューとなった。

メーカー名三菱電機
製品名IHジャー炊飯器
本炭釜 KAMADO NJ-AW106
購入場所Amazon.co.jp
購入価格75,755円

 名前の通り、昔の竈(かまど)炊きから着想した製品だという。その特徴は、羽釜形状の内釜、断熱構造の強化、そして大火力の3つ。

外観は丸みを帯びた形状。美味しく炊いてくれそうなデザインだ
側面から見たところ
側面から背面にかけて
分厚い内釜は羽釜形状。純度99.9%の炭を使っているという

 高級炊飯器とはいえ、操作はシンプル。基本的には内釜に米と水を入れて、炊飯ボタンを押すだけだ。通常の設定では1時間くらい待つと炊きあがる。その他に、銘柄芳潤というモードがある。これだけ高価な炊飯器を買うユーザーであれば、お米にこだわりを持つ人も多いだろう。昨今では珍しくはない機能だが、お米の銘柄に適した炊き方をしてくれていると思うとうれしい。

操作はボタンを押すことで行なう
「銘柄芳潤」ボタンを押すと、いわゆるブランド米の名前が並ぶ画面に。
我が家の定番米“ゆめぴりか”もあった
それぞれの銘柄の特徴も見られる
炊きあがりの好みも指定できる。最後に「炊飯」ボタンを押す

 我が家は、「やはり家族の平和は美味しいご飯と味噌汁にある!」ということで、お米は“ゆめぴりか”、お味噌は信州・丸正醸造のものを使うようになった。味噌はそう高くもないが、“ゆめぴりか”は一般的な米に比べて高いので、失敗した時の精神的なダメージは大きい。ちなみに指定できるのは、全国23の銘柄。

 この銘柄芳潤で、どれだけ“ゆめぴりか”の旨味を引き出してもらえるのか楽しみにしながら1回目の炊飯をスタートした。

炊飯中は、炊きあがるまでの時間が表示される。また、仕込み/本炊き/むらしのうち、どの行程なのかもわかる
これまで使っていた炊飯器と違い、出てくる水蒸気の量は少ないように感じた
炊きあがった直後のご飯。ツヤがあり、元気そうだ
一粒一粒が独立して美味しい

 「ふつう」モードで炊飯すると、炊きあがるまでに1時間以上待つことになった。釜の中には、ぷりっぷりのご飯が出来あがっていた。ツヤもあり、もう見るからに美味しそうだ。

 実際に食べてみると、美味しい。“ゆめぴりか”だから美味しいのは当たり前なのだけど、これまでの炊飯器では全体として美味しいなぁと感じていたのが、今回は一粒一粒を味わいたくなるような美味しさに仕上がっている。歯ごたえと、しゃっきり具合がちょうど良く、ご飯の味がしっかりと舌に伝わってくる。

 十分満足できる炊き具合というのがわかったが、もう少し“もちもち”感があったら、どんな味になるのかと思った。そこで、“ねばり”を“もちもち”にし、“かたさ”を“ふつう”に設定して炊いてみた。

“ねばり”を“もちもち”に設定して炊いたご飯。見た目は変わらず美味しそうだ
少し“もちもち”感が増したような気はした

 “ねばり”を“もちもち”に設定して炊いたご飯を食べてみた。“もちもち”感が増したような舌触りと食感。ご飯の甘さも増したように感じたが、これは錯覚かも。だが、こうした歯ごたえや食感を変えながら炊き、自分たちに最適な“ねばり”と“かたさ”を探るのも楽しい。

0.5合の少量炊飯でも、美味しく炊けた

 内釜の内側に記載されている目盛りを見ると、0.5合というのがある。この少量でも美味しく炊ければ、夜食に少しご飯が食べたくなった時にも、気軽に炊いて食べられる。

 0.5合のお米と、水を投入して炊きはじめる。炊きあがったところで、フタを開けると、湯気とともにご飯の香りが出てきた。お米の状態を見ても、やはり3合以上を炊いた状態と見分けはつかない。食べてみても、やはり美味しかった。

0.5合だと、水の量の微妙な調整が必要になる
炊きあがりの状態
見た目はやわらかそうな仕上がりになっているが、食べてみると一粒一粒の美味しさとシャッキリ度は変わらなかった

煮込み系の炊飯器料理が、むちゃくちゃ美味しい!

 炊飯器を使って、料理を作ってみたところ予想外に美味しかった。鮭やキノコ、野菜を入れて煮込んだ料理を作った時には、鮭がふっくら。さらに野菜もそれぞれの持ち味を活かしたような味わいになった。

 チキンや大根を投入した料理では、まずチキンのやわらかさが鍋で作った時とは違う。断然やわらかいのだ。それに、チキンや大根にしっかりと出汁が滲みわたっている。

 そのほか、白菜と豚肉の煮込み料理などを作ったが、見た目は悪いが、味に関してはいずれも絶品。炊飯器にだけ使うのはもったいない。そして、炊飯とこうした料理を同時に調理できれば……とも思った。

鮭と野菜のごった煮
チキンや大根などを入れて煮込んだ料理

河原塚 英信