家電製品ミニレビュー

iPhoneにサクッと転送できるタニタのBluetooth体組成計

タニタの「インナースキャンデュアル RD-901」は、50g単位で測定でき、iPhoneと連携する

 もうすぐ夏本番! 肌の露出が多くなる時期を前に、ダイエットに励んでいる方も多いかもしれない。今回はそんなダイエットの強い味方になる体組成計、タニタの「インナースキャンデュアル RD-901」をご紹介しよう。

 RD-901はiPhoneとBluetoothで連携する点が特徴。さらに、従来より測定精度がアップして、医療分野や研究施設で使われる体組成計に近い精度が実現したという。これまでもタニタ製の体組成計を使っていた筆者としては、ぜひその違いが知りたい! というわけでお借りした。結果、今すぐにでも買い換えたくなっている次第である。

メーカータニタ
製品名インナースキャンデュアル RD-901
購入場所Amazon.co.jp
購入価格15,953円

iPhoneから起動できるプロフェッショナル仕様な体組成計

 「RD-901」はiPhoneとBluetoothで連携し、測定結果をすばやくiPhoneに転送して、管理できる体組成計だ。サイズは328×298×32mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約2.1kg。本体の起動からデータ転送、管理まですべて手元のiPhoneで行なうことができるのが大きな特徴だ。利用できるiPhoneは4S以降のモデルとなっている。

 測定項目は体重、体脂肪率、BMI、推定骨量、筋肉量、内臓脂肪レベル、基礎代謝量、体内年齢、体水分率で、BIA法を用いて測定される。従来は1つの周波数で測定していたが、インナースキャンデュアルでは2つの周波数で測定するとのことで、より正確な体組成データが得られるという。

未来的なデザイン
裏側。単三形乾電池4本で動作する
操作部。上から呼出しボタン、設定・通信ボタン、測定項目ボタン、体重/OFFボタン。通常はロゴの上にある体重/OFFボタンで電源を切るくらい
左は、これまで我が家で愛用してきたBC-621(左)。記録をまとめて見やすいようマンスリースケジュールページを愛用していた。RD-901(右)はiPhone 5sで管理

 RD-901のデザインは、非常にスリムでスタイリッシュだ。本体側面にボタン類は一切なく、表に表示部と操作部があるのみ。おかげで収納しやすく、立て掛けやすい。

インストールしたアプリを操作して、基本設定からペアリングまで行なう

 また、設定が簡単なのも嬉しい。従来の体組成計は生年月日、性別、身長などをすべて体組成計側で行なう必要があった。「RD-901」の場合、基本的な設定はすべてiPhoneから行なえる。App Storeで専用アプリ「タニタの無料健康管理アプリ ヘルスプラネット」(以下、ヘルスプラネット)をダウンロードしたら、無料で会員登録する。あとはアプリを起動してログインし、ペアリングをして体組成を測定すれば初期設定は完了だ。

 測定も簡単。アプリを起動し「データを入力」をタップすると「RD-901」の電源が入る。ゼロ表示を確認したら上に乗れば1~2秒で測定は終わりだ。結果がアプリと「RD-901」の両方に表示されるので、アプリ側で「保存」をタップする。電源を入れてから測定、保存が終わるまで20秒とかからない。

会員登録は無料
アプリから電源を入れられる

 測定後のデータはすぐに保存されるほか、本体でも項目毎のデータの善し悪しが緑、黄色、赤の3つの発光色で通知される。iPhoneが手元にないときも利用可能で、 測定データは10件まで本体に保存できる。なお、測定後にRD-901では1項目ずつ結果が表示されるが、データはすべてiPhone側で見られるので、一巡するのを待つ必要はない。転送が確認できたら本体の電源は切ってOKだ。

電源投入から測定データの保存まで。データが転送されたら最後まで見る必要はない

これが現実か! それまでの体組成計とのデータの違いにびっくり……

 アプリの「ヘルスプラネット」は歩数計、血圧計など「RD-901」以外のデータも扱えるため、初期画面はそれらの表示項目も用意されている。不要な場合は「ホーム画面のカスタマイズ」で見たい項目に絞り込める。

起動時のホーム画面。詳しいデータを表示させたいときは「ホーム画面のカスタマイズ」を開く
「ホーム画面のカスタマイズ」画面

 精度がアップしたというので非常に楽しみにしていたところ、体重以外のデータがみなそれまでと違っていて大きなショックを受けた。体脂肪なら少なく、筋肉量なら多く、体内年齢も若く……なら嬉しいのだが、まったくその逆。なんとか20%台をキープしていたと思っていた体脂肪率はあっさり30%を超えており、体内年齢は30代中盤だと言われていたのに、ほぼ実年齢で、超えることすらある始末。

 もちろんいつ測定するかで数値は大きく変わる。筆者の場合、推奨されるタイミングとは違うが、いつもと同じ時間帯で測定しての差なので、それは機器の精度の違いといえる。医療分野や研究施設で使われる体組成計に近い精度とのことなので、こちらが現実なのだろう。数字が変わるだけで見た目はこれまで通りなのだが、「まだ30代クラスを維持できてると思ってた。ぬか喜びだった……」とため息が出てしまった。

翌朝、いつも通りに計ったところ、いつもより体脂肪率は大幅アップ、筋肉量や基礎代謝量はダウンし、体内年齢も老化状態に……
いつもは計らないが、念のためお昼前に計り直したところ数値が変化。水分補給によって変わることがわかったが、現実の厳しさは変わらなかった

 「ヘルスプラネット」は見やすく、分かりやすい。測定値の善し悪しまで見分けられるよう、判定が添えられているところがありがたい。また、グラフページでは、2つのデータを同時にグラフ化して比べられるので、増減の理由を推測しやすくなっている。

 気に入っているのは、体重の横に現れる小さなグラフだ。使用開始時はよく分からなかったが、データが蓄積されてくると増減がひとめで分かるようになった。体重だけならあえてグラフを見なくても推移が把握できるので楽だ。

 筋肉や骨を犠牲にしていないだろうか? など疑問に思ったときにはグラフ表示が便利。筋肉や骨量など、減らしたくないものが維持できているか、体重や体脂肪率のグラフに重ねて表示できる。

ホーム画面に測定データをすべて表示。判定結果が添えられるので分かりやすい。測定を続けると小さなグラフも現れるようになった
グラフ単体でも表示できる
体重と筋肉量を同時に表示してみた。筋肉量が大きくジグザグしているのは朝と夜の差によるもの。体水分率によって1kgほど違いが生じてしまうようだ。全体が右肩上がりになればいいのだが、それがなかなか難しい……
表示するデータの組み合わせは自由
グラフのページで右上のアイコンをタップすると、データだけのページを表示してくれる

長く体組成を管理してゆきたい方におすすめ!

 「RD-901」を使うようになって一番嬉しかったのは、やはり測定が大幅に楽になったことだ。

 筆者がこれまでずっと使用していた体組成計は、タニタのインナースキャン BC-621(以下、BC-621)というモデル。両手でバーを握って測定するタイプで、両腕、両足の筋肉量や脂肪率も分かるというもの。部分的な測定を行なうせいか、乗ってから終わるまでに時間がかかる。夏はいいが寒い季節はバーを握ったスタイルをキープするのはちょっと辛い。また、これまで測定後のデータはすべて手帳に手書きで記録してきたため、面倒臭く感じることもあった。

 今は手帳ではなく、iPhoneを持って「RD-901」に向かっている。BC-621に比べて測定がかなり早いので、これなら冬の朝もつらさが減りそうである(足の裏は冷たそうだが)。終わったあとは入力の手間なくグラフが確認できるし、データはクラウド上で管理されているので、アカウントさえ維持すれば消える心配もない。今後アプリが進化すれば、データの見え方にさらに変化が生まれるだろう。

 精度が上がり、体水分率がプラスされたこともよかった。朝晩の結果で一喜一憂していたが、自分は朝と夜では体水分率に3%程度の差があり、他の測定値にも大きく影響していることがハッキリしたからだ。今後は測定するタイミングを見直そうという気になれた。

 測定と記録の継続には結構気力がいるが、「RD-901」なら簡単に現状を把握し、変化を確認できる。ダイエットにも健康維持にも間違いなくおすすめの製品である。

すずまり