家電製品ミニレビュー

アテックス「涼感寝具 そよそよ」

~布団の中に風を入れるハイテク布団で熱帯夜をしのぐ!

ファンで風を取り入れる“涼感”寝具

アテックス「涼感寝具 そよそよ」

 梅雨明け早々に続いた熱帯夜で、この先が思いやられたのは私だけではないだろう。エアコンを付けっぱなしにして寝ると、朝方には身体が冷え切ってしまうし、途中で切れる設定にすると今度は暑くて目が覚めてしまう。日中暑さで体力を消耗しているので、快適な睡眠を得るというのは、夏バテを避けるためにも大事なことだ。

 そこでオススメしたいのが、今回紹介するような「涼感」を得られるような寝具。熱を逃がしやすいようなハイテク繊維を使ったものや、ジェルを使ったものなど、様々なタイプが出ているが、アテックスの「そよそよ」は、それらの製品よりちょっとハイテクな製品だ。本体には風を取り込むモーターを搭載しており、寝具の中に風を取り込んで、排出する。こうすることで、寝具の中に熱がこもりにくくなり、快適に寝られるというわけだ。

メーカー名アテックス
製品名涼感寝具 そよそよ AX-HM122OS
希望小売価格19,800円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格13,500円

 今回購入したのは、シングルサイズの「AX-HM122OS」。このほかに約半分のハーフサイズも用意されている。本体は、普通の寝具に比べると固くて、やや重い印象。それもそのはず、中にはプラスチックの緩衝剤のような厚さ10mmのスペーサーという素材が入っている。これも、風を通しやすくするための工夫なのだろう。

 そよそよは、基本的には風を循環させることで涼感を得る寝具だが、本体にはプラスアルファの“冷感”として、ウォータージェルが付属する。このジェルは本体に直接入れて使うもので、そのまま使ってもよし、もっと冷感を得たい場合はあらかじめ冷蔵庫で冷やして使うこともできる。長方形のシートが全部で4枚ついているので、心強い。

 そよそよにはこのほか、カバーも付属する。スイッチとモーター部分が出るように作られた専用のカバーで、取り外して水洗いも可能だ。

本体(左)と、専用カバー、ACアダプタ、ウォータージェルがセットになっている
付属のウォータージェルは長方形でかなり大きめ
事前に冷蔵庫で冷やすことで、さらに冷感アップできる。今回は、冷蔵庫に空きスペースがなかったため、野菜室で冷やしたが、それでも十分冷たさを実感できた
布団の上に本体を広げたところ
風を取り込むファンが2箇所に付いている
本体裏側
カバーの中には厚さ10mmのスペーサーという素材が入っている
ウォータージェルは本体横からセットする

熱がこもらないから、寝返りが少なく目覚めが良い

本体にカバーをつけた状態。ファン部分が出るようになっている専用カバー

 さっそく使ってみた。まずはいつも寝ているベッドで使った。スイッチと風を取り入れるファンが足元に来るようにして使う。そよそよは、ファンで風を取り入れるので、一般的な寝具とは異なり、コンセントを接続する必要がある。付属のACアダプターは、やや大きめなので、あらかじめ電源を確保した方がいいだろう。

 スイッチは、送風量は強と弱の2段階で設定でき、足許のファンから風を取り入れ、頭の本体の途中から風を出すという仕組みらしい。4時間/6時間/8時間のタイマー設定も備える。

 スイッチを入れると、それなりの運転音がする。強だとエアコンの運転音ほど、弱だと
扇風機の微風といったイメージだろうか。いずれにしても音がするのは、ファンの周囲、つまり足許なので、特に眠りの妨げだとは感じなかった。そよそよの製品ページによると、具体的な運転音の大きさは強で約36dB、弱で約34dBだという。

使う時はコンセントにACアダプターをつなぐ
付属のACアダプターは割と大きめ
強/弱の送風量調節機能のほか、4時間/6時間/8時間のタイマー設定も備える

 一般的な布団のように、中に綿が入っている訳ではないので、横になると、やや硬めの印象。とはいえ、おしりや肘が痛いと感じるほどではなく、一晩使っても身体が痛くなるということはなかった。

ファンで風を取り込んで、排出する

 気になる冷感はというと、これがなかなか。今回はあらかじめ冷蔵庫で冷やしておいたジェルを4枚内蔵して使ったということもあって、横になるとまず背中のあたりがひんやりとする。風の方はどうかというと、風が流れているな~という実感ははっきり言ってない。

 しかし、熱がこもらないな~というのはしっかり実感できる。自分の熱が布団にこもってしまい、寝苦しくて何度も寝返りを打つということが全くないのだ。夜になっても、25℃を下回らない熱帯夜はさすがにエアコンなしでは厳しいが、ここ数日の首都圏のように夕立が降って、夜の温度は25℃以下になるなんて日ならば、そよそよだけで、十分快適に眠ることができた。

 エアコンを併用する場合は、2~3時間の切タイマー運転をして、寝るのがいいだろう。付けっぱなしにして寝ると身体が冷えすぎてしまう。気になる電気代は、月に約48円ほど。エアコンに比べるとずっと電気代を抑えることができる。

 もう1つ、そよそよを使っていいなと思ったのは、朝起きたときのだるさがないこと。エアコンを付けっぱなしにして寝ると朝起きた時に、身体が冷えすぎてしまっていて、身体全体が重いと感じることがよくある。その点、そよそよは、そういっただるさとは無縁。汗びっしょりで目覚める分けでもなく、まさしく快適な目覚めなのだ。

暑がりの夫が朝まで熟睡!

 驚いたのは、暑がりの夫が朝まで起きずに熟睡できたこと。いつもは、エアコンのタイマー運転が切れて20~30分後にはごそごそ起き出して、再びエアコンのスイッチを入れる→タイマー運転が切れる→入れるを朝まで数回繰り返しているが、そよそよを使ってみたところ、寝入り2~3時間の冷房運転だけで、しっかりと朝まで熟睡していた。これまでそよそよ以外にもいくつかの冷感寝具を使ってきたが、夫がここまで熟睡できたのは初めて。本人も「すごい」と驚いていた。

布団やベッドの上に置かなくても、快適な睡眠を得ることができる

 そよそよは、本体自身がある程度厚みがあるので、ベッドや布団の上に置かなくても、十分使える。むしろ、床に直接置いた方が熱がこもらずに快適だと感じた。ちょっとしたお昼寝の時にも便利に使えるだろう。また、今回は使わなかったが、アロマオイルを使って香りを楽しむこともできる。ラベンダーなど、寝付きがよくなるオイルを使うのも良いかもしれない。

 個人的に気になったのは、カバーの素材。ポリエステル85%、綿15%の薄いナイロンのような素材なので、表面がやや滑る。私の場合、小さい頃から綿100%の寝具を使ってきたので、最初はかなり違和感を感じた。夫などは全く気にしていなかったが、こればかりは個人の嗜好なので、気になる人もいるかもしれない。

 夏用の寝具として考えると、高価な部類に入るが、快適性からいうと、十分試してみる価値はある。毎日の睡眠をしっかり取って、これからの夏本番に備えたい。

阿部 夏子