家電製品ミニレビュー

山善「YCS-A153 W」

~ベッドサイドで風を送る15cmクリップ扇風機

ベッドで風に当たりたい

山善「YCS-A153 W」

 東京は、先週から急に暑くなり、夜になっても暑い日々が続いている。もちろん、部屋にはエアコンや扇風機は用意してあるのだが、ベッドでごろりとしているときには、直接当たる風が欲しい。いろいろと考えた末に、ベッドサイドで邪魔にならないような、小さなクリップファンを導入することにした。

 クリップファンは、小さな口径の扇風機で、机の上で使用するデスクトップファンの台の代わりにクリップが付いた製品だ。先日紹介したクリップライトと同じように、家具やサッシなど、クリップで挟める場所であれば、どこでも固定できるのが利点だ。

 山善は、このクリップファンに力を入れているメーカーで、ファンの口径が23cm/18cm/15cmと3種類の製品をラインナップしている。今回は、手狭なベッドサイドで使用することを考えて、一番小さい15cm径の機種にした。本体色は白だ。

メーカー山善
製品名YCS-A153 W
メーカー直販価格1,680円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格1,580円

15cm径の小さなクリップファン

 届いたパッケージは、最近よくあるブリスター型ではなく、かなり大きめな箱だった。この箱のなかに、ビニール袋以外の緩衝材もなく、ドサッという感じで入っている。まぁ、本体の形からして、これで固定できているというはわかるが、ちょっと乱暴な印象ではある。

千円台のクリップファンとは思えないぐらい立派な箱に入ってくる
箱の奥行きもたっぷりある
こういう形で箱の中に入っていた
本体とケーブルはビニールで梱包されていた

 「YCS-A153 W」の本体は、それなりに小さい。もちろん、USBを電源とするような卓上扇風機のような手のひらに載るサイズではないが、ベッドサイドに置く(というか挟む)気になる大きさではある。

梱包を解いた状態
羽根は3枚羽根だ
羽根の直径は15cmだが、ガードが大きめなのが惜しい

 ただし、15cmという羽根の直径で想像しているよりも、大きく感じるかもしれない。羽根を囲んでいるガードの部分が割りと大きく、しかも厚いのだ。本体サイズと重量は、210×145×355mm(幅×奥行き×高さ)/0.9kgになる。

 なお、羽根が23cm径の製品は280×220×415mm(同)/1.8kg、18cm径の製品は225×190×385mm(同)/1.3kgなので、ファンの口径の差は、そのまま本体の大きさの差になっている。

 この15cm径のクリップファンは、クリップファンとしては軽くて小さい代わりに、自動首振り機能がない。自動首振り機能が欲しい人は、18cm径か23cm径の機種にしよう。

クリップは約5cm開き、3cmまでの物を挟める
本体はクリップに対して360度回る。羽根をクリップ側を向けたところ
180度回した状態
本体を支える支柱の構造。この支柱全体が360度回る

 クリップが開く幅は5cmほどで、挟める厚みは最大で3cmとされている。だいたい、棚板ぐらいが目安となる。とりあえず、ベッドのヘッドボードを支えているフレームに、クリップで本体を固定した。本体を固定したあとでも、ファンの角度をかなり自由に動く。

 ただし、角度を変えようとすると、カチカチというかなり大きな音がする。夜中に動かすのは止めておいた方が良い。

電源コードは1mだが、カールコードなので短く見える
電源スイッチは本体の裏にある。LO/OFF/HIの並び順
消費電力は15W(50Hz)、13W(60Hz)

 電源コードの長さは1mとちょっと短めだ。しかも、カールコードなので、実際よりも短く感じる。今回は、壁のコンセントまで届かなかったので、テーブルタップを併用した。

 電源スイッチは、ファンの後ろの本体部分にあり、LO/OFF/HIという3段階のスライドスイッチだ。クリップファンを設置するときや、ファンの角度を変えるときは、このスイッチに手が届く位置にする配慮が必要だ。

 ちなみに、これは私の問題なのだが、スイッチをLOにしたいときに右に動かせば良いのか、左に動かせば良いのか、どうしても覚えられない。一般的なOFF/LO/HIの順番の方が覚えやすくて良いと思う。

風量は十分だが、もう少し弱い設定が欲しい

 実際に使ってみると、想像していたよりもちゃんと風が来て、有効だ。ベッドにごろりとして、本を読んでいる時に汗ばむことがなくなった。

 むしろ、長い時間当たるには風が強すぎるぐらいで、今の「LO」よりも一弾弱い風が欲しくなる。現状では、LOが弱ではなく、中か、弱い強ぐらいの風量がある。

ベッドのヘッドボードに固定した例
上から見た状態
羽根を上に向けることもできる
クリップライトと比べると、かなり大きい
上から見た状態

 また、羽根の枚数が3枚と少ないせいか、動作時の風切り音は大きめだ。モーターの音もそれなりに大きいので、全体的にうるさい。起きているときにLOで動作させているときは、そんなに気にならないが、これを枕元で動かしたままで眠ることはできなかった。やはり、もう一段弱い風量の設定があれば、音も少しは静かになると思う。

OFFの状態から、LO、HIの順で運転。音はそれなりに大きい

 なお、モーターの振動は、LO/HIの区別に関わらず、クリップ部分に伝わる。ただ、大きな振動ではないので、そんなに気にならないだろう。ベッドのヘッドボードに固定しても、寝ていて気になることはなかった。

 今回は、ベッドサイドで使う前提で購入したが、本体がコンパクトなことと、固定が簡単なことで、クリップファンが活躍できる場は多い。

窓のサッシに用意された落下防止用のステーに固定した例

 私の部屋では、窓際のサッシに止めるのが有効だった。エアコンを止めているときに回しておくと、部屋の換気に有効だ。また、机の天板に挟んで固定しても使えた。

 クリップファンは、USBデスクファンでは物足りないないが、床置式の扇風機を置くほどのスペースはないというような場所に向いている製品だ。

 今回紹介したYCS-A153 Wは、自動首振り機能がないことや、風量が限られることなどの制限もあるが、ちょっとだけ風が欲しいという場所に、すぐ設置できるのが良い。暑い夏のアクセサリーとして、手元に1台あると使える製品だ。

伊達 浩二

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