家電製品ミニレビュー

アスカ「マイクロカットシュレッダー B-02」

~棚にスッポリ収納。スリムな家庭用シュレッダー

アスカ「マイクロカットシュレッダー B-02」

 自宅用のシュレッダーを探しに家電量販店を訪れた際、目にとまったのがこのアスカの「マイクロカットシュレッダー B-02」だ。

 これまでオフィスでシュレッダーを使ったことがあったが、自宅に置くのは初めて。というのも以前から、家に1台シュレッダーを買おうと提案しては、家族から「邪魔になる」とか「ハサミや手で切れば済む話だ」などと、一蹴されてきた。

 だが、店頭で見かけたマイクロカットシュレッダー B-02(以下、マイクロカットシュレッダー)は、とてもスリム。それでいて、A4サイズの用紙を折らずにそのまま投入できるという。

 このように置き場所を取らないシュレッダーなら、手もハサミも使わずに簡単に裁断できるメリットを、家族にもわかってもらえるのではないか。ということで、我が家に連れ帰ってきた。

メーカーアスカ(Asmix)
製品名マイクロカットシュレッダー B-02
希望小売価格10,290円
購入場所ヨドバシカメラ マルチメディア AKIBA
購入価格5,680円

インテリアに馴染む、シンプルな外観

 マイクロカットシュレッダーはとてもシンプルなデザインだ。カラーは今回選んだホワイトのほかに、鮮やかなオレンジとグリーンも用意されている。

 本体サイズは94×365×162mm(幅×奥行き×高さ)。ティッシュボックスよりも細身で、奥行きと高さがある。給紙口幅は220mmで、A4サイズの用紙を折らずにそのまま投入できる。消費電力は32W、連続使用時間は3分とされている。本体重量は約2.5kg。

 ダストボックスは引き出し型で、容量は約1.5Lだ。本体にはACアダプターが付属する。

本体前面下部にダストボックスを搭載。丸窓から内部がのぞける
容量約1.5Lのダストボックス
ダストボックスを取り外したところ
本体背面にはACアダプター端子の差し込み口が付属
付属のACアダプターは、結構大きい
ティッシュボックスよりもスリムで、奥行きと高さがある

 操作スイッチは天面に1つだけ。「REVERSE/STOP/SHERED」と刻まれており、運転をONにする時は「SHERED」に、紙詰まりを起こした時は「REVERSE」に、運転を停止させたい時は「STOP」にスイッチを入れる。

 操作スイッチの横には、給紙口が付いている。給紙口の脇には、指やクリップを投入してはならないことや、スプレーをかけてはいけないことなど、禁止事項がコミカルなアイコンで表示されている。

本体とACアダプター、説明書のセット一式
本体天面には操作スイッチと給紙口を搭載する
投入してはならないものや禁止事項が記号で示してある
操作スイッチには、「REVERSE/STOP/SHERED」と書かれている
給紙口は細く、指で触れても安心だ
本体側面は無地で、すべすべとした質感だ

A4用紙を折らずに2枚同時に裁断できる

 さっそく使ってみよう。操作スイッチは、ACアダプターを接続し、操作スイッチの電源をONにすると、刃の回り始める音が「ガーッ」と鳴り始める。センサー式ではないため、電源をONにしている間は、紙を投入する/しないに関わらず、刃は回り続ける。

 給紙口へ、A4サイズのコピー用紙を入れると、紙はメリメリと飲み込まれていく。A4サイズのコピー用紙1枚の裁断にかかる時間は約10秒。2枚同時に入れた時にかかった時間は約14秒だった。

A4用紙を2枚同時に切断。1枚の時より時間がかかる
1枚の用紙を折りたたんで裁断することも可能

 音は、一般的なシュレッダーと同じくらいで、それなりにうるさい。最初に自室で使った時は、祖母が「一体何事か」と覗きに来たほどだ。といっても、特に静音性を謳っているモデルでもないし、深夜に使わなければ問題ない。ちなみに、投入前に刃が空回りしている状態より、裁断中のほうが音が篭もり、響かなかった。

A4コピー用紙、1枚を裁断したところ。音はそれなりに響く

 本体がスリムなぶん、カット能力が心配だったが、問題はないようだ。裁断スピードは、早い。動作も安定していて、普通紙を1枚ずつ投入する限りは、紙詰まりはみられなかった。ダストボックスは、A4用紙を約20枚も裁断すれば、満杯になった。

 中のゴミを見てみると、裁断方式はマイクロカットで、裁断寸法は2×10mm(幅×長さ)と細かい。裁断した紙に記載されていた文字は、あらかた読めなくなっている。

丸い窓から、紙くずの溜まり具合を確認できる
ダストボックスを開けたところ。およそ10枚の紙の切りくずが溜まった
細かく裁断され、文章は判読できない

 ちなみに、用紙だけでなく、ハガキや封筒も裁断できる。CDやDVD、カードなどの紙以外のメディアは裁断できない。

A4サイズの封筒
バリバリと飲み込んだ
封筒やハガキサイズの紙も
スムーズに裁断した

 一度に断裁できるのはA4用紙2枚までだ。これを試しにA4普通紙3枚を一度に投入したところ、半分ほど裁断してから、動作がストップしてしまった。こんな時は、「REVERSE」ボタンを押して、紙を取り出せば回復できる。

「REVERSE」ボタンを押すと、紙を引き抜ける
同時に3枚のコピー用紙を裁断することはできない
シールなどが貼られている部分は、うまく切れないことがある

 注意する点は、一般的な家庭用のシュレッダーと同様に、封筒やハガキの表面に防水加工が施されていたり、テープが張られている部分の裁断は甘くなってしまうこと。刃型が付いただけで文字が読める状態のままのことがあった。こうしたところはゴミ捨て時に自分の手で裁断するよりほかなく、もう少しパワーがあれば良かったのに、と思う。

 とはいえ当たり前の話だが、ハサミや手で裁断するのと比べたら、スピードや手軽さは圧倒的にシュレッダーの勝ち。届いた用紙から片っ端に裁断でき、裁断サイズにムラがなく、結果として毎日活躍している。それは家族にもよく伝わったようで、「意外と早く切れるし便利ね」と、最近ではほかの家族のほうが頻繁に使っている。「ゴミ捨ても、ダストボックスだけ取り外して捨てられるので、楽ちん」と話している。

 個人的には、やはり設置性が気に入った。ちょっとしたすき間があればどこにでも収まる。我が家では、窓辺のスペースや、ラックの中、テレビの裏のスペース、テーブルの下など、あらゆるところに置いて使えた。

テレビの裏の隙間にもすっぽりおさまる
上からみるとこんな様子で、テレビ台の上に乗る
テーブルの下に置いても、インテリアの雰囲気を壊さなかった
キッチンの棚に入れて収納も可能。取り出すのも楽ちんだ
窓辺のスペースの有効活用にもなる
試しに会社のデスクにも置いてみた
周りに人がいる時間帯は音が気になって使えず、朝、同僚の出社前に使用した。使わないときは物を置くスペースとなった

 本体はスリムでシンプルなので、出しっぱなしにしておいても、インテリアの雰囲気を壊さないし、収納の手間がかからないのも良い。

家庭で書類をコツコツ処分したい方に

住所や宛名の書かれた郵便物の処分に重宝している

 クロスカットシュレッダー B-02の良さは、基本性能であるこの裁断寸法のきめ細かさと共に、スリムで置き場所を選ばない設置性、コンパクトなシュレッダーでありながらA4サイズをそのまま裁断できる使い勝手の良さ、出しっぱなしにしていてもインテリアに馴染むデザイン性だ。

 我が家では、昔に比べて、通販で購入する商品が増え、そのぶん、住所や宛名、決済に使用したカード情報などの個人情報が記載された紙が多く届き、処分に気を遣う書類が増えた。その点、このシュレッダーなら簡単に手早く処理できるので、助かっている。

 逆に、例えばオフィスで、大量の書類を一度に裁断したい方には不向きと言えるだろう。また、CDやDVD、カードなどほかのメディアの処分にも使いたいという方の期待には応えられない。

 我が家のように、CDやDVD、カードなどを日常的に処分しない家庭の方には、これくらいのスペックでも十分に満足できるのではないだろうか。家庭に毎日数通ずつ届く郵便物や、ちょっとした書類を手軽に処分したい方、収納の手間がかからないシュレッダーをお探しの方にはオススメだ。

小林 樹