家電製品ミニレビュー
シャープ「3Dファン PJ-B2CS」
シャープ「3Dファン PJ-B2CS」 |
家電Watch編集部から「貴様は扇風機を何台も使っている送風野郎だから、この新型扇風機も試してみなはれ」的なメールとともに、シャープの「3Dファン PJ-B2CS」が送られてきた。おっ♪ コレは家電Watchのニュースで知って興味津々となった扇風機!! 渡りに舟的な心意気。鋭意試してゆきたいッ!!
メーカー | シャープ |
製品名 | 3Dファン PJ-B2CS |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | ヨドバシ.com |
購入価格 | 22,000円 |
実機を間近で見て意外に感じたのは、この「3Dファン PJ-B2CS」(以下、3Dファン)は、メーカーウェブサイトの製品写真などから受ける印象よりもずっと小型であるということ。本体サイズは260×260×510~630mm(幅×奥行き×高さ)で、質量は約2.4kg。片手で持ち上げられ、ちょっとしたスペースに置ける小型扇風機というイメージだ。ファンの部分も小型で、直径は26cm弱しかない。
3Dファンは小振りな扇風機だ。サイズは幅26×奥行き26×高さ51~63cmで、質量は約2.4kg。高さ51~63cmの範囲で伸縮させられる | 台座にある操作部は理解しやすく扱いやすい | 操作は付属リモコンでも行える。電源は専用ACアダプタ |
扇風機としての特徴は、まずプラズマクラスターイオン搭載であること。浮遊カビ菌を除菌したり、ダニのふんや死がいの浮遊アレル物質の作用を抑えたり、あるいは脱臭効果を発揮するなどして「空気をキレイにしつつ送風する扇風機」ってわけですな。
それから「えっ!?」と驚ける特徴である「3Dターン機構」。この扇風機、左右約90度の範囲で首振りするのに加え、上下約100度(上:約90度~下:約10度)の範囲にも首振りをする。上下および左右の首振りは、個別に行うことも、同時に行うこともできる。その様子はシャープの製品紹介ページに動画で掲載されているが、「ちょと見たことがない動きをする扇風機」という印象である。
てな感じで、扇風機としても機能するが、効率良く部屋の空気を攪拌できるサーキュレーターとしても使える。試しに冷房とともにこの「3Dターン機構」を使ってみたら、確かに効果的。床と天井付近などの温度差が小さくなり、たとえば「足は冷えるけど立っていると顔などは妙に暑い」てなことがほとんどなくなる。サーキュレーターとしても実力派だと感じられた。
ちなみに、首振り自体の騒音や振動はほとんど気にならないレベル。ただ、上下や左右の首振りは比較的に低速で、この速度は変えることができない。「もう少し速く動いて欲しい」と思うことがあり、首振り速度が一定で固定されているのが少々残念だ。
左右約90度の範囲で首振りをする。首振り速度は変えられず、一定で固定 |
上下約100度(上:約90度~下:約10度)の範囲にも首振りをする。こちらも首振り速度は一定で固定 |
扇風機前方~上方まで効率良く送風でき、部屋の空気を効果的に攪拌できる |
それから、肝心カナメの送風。風量は8段階で調節でき、最小にすると弱いそよ風程度。4段階目くらいにすると、わりと繊細に風量調節できる扇風機の「弱」運転程度という印象。最大にすると真夏に心地よさそうな風量となるが、それでも50cm離れた位置で顔の正面から風を受けて「目を開けていられる程度の風量」なので、最大風量としてはやや物足りないかもしれない。全体的に風量少なめの扇風機という印象ですな。
しかし、この扇風機の「静音性」は抜群。俺的経験では恐らく最も静かな扇風機となる。ファンの風切り音も動作時の振動もヒッジョーに少ない。
具体的には、まず風量1~3(弱めそよ風~そよ風程度)での運転だと、扇風機を使っていることを忘れるくらいの静かさだ。窓を開けていたら、その運転音は意識しないと聞こえないのではないだろうか。
風量を4~5くらいにすると、独自の風切り音が聞こえ始める感じ。風切り音はやや高めだが、さほど気にならない音量だ。これもまた、窓を開けていればほかの騒音などと混ざって無視できる音だと思う。
風量を6~8(最大)くらいにすると、風切り音は「静か」とは言えないレベル程度に強まる。が、それでも会話を遮ったり、テレビの音が聞きづらくてストレスを感じたりするほどではない。このレベルの風量は、真夏の風呂上がりの汗だく状態を数十秒~数分で解消してくれる感じのもの。あるいは、10畳程度の部屋の隅から隅まで風をしっかり送れる程度のもの。この風量でこの騒音なら、相対的に「非常に静か」と言えるだろう。
ちなみにこの3Dファン、モーター音ってのがほとんどしない。ファンを外して動作させると、意識しなければモーターが回転していることがわかならい程度に、回転音も振動も非常に少ない。
これらの静音性は、DC(直流)モーターの採用や、数万キロも飛び続ける「アホウドリ」の細く鋭い翼を応用した「ネイチャーウイング」によるものらしい。が、それはさておき、俺的には「ひとり~ふたり程度での使用には最高!!」と感じられたので、この記事を書き上げる前にポチッと3Dファンを購入した。
購入価格は2万円弱。最大の購入理由は、前述のとおり超が付くほどの静音性があることだ。また俺の場合、前述の「全体的に風量少なめの扇風機」という点もメリットとなった。
じつは既に仕事場では扇風機を使用中の俺。なのだが、どの扇風機でも、しばらく連続して使ったら、風向きを変えたりオンオフを繰り返したりしている。というのは、やはり「体に扇風機の風がずっと当たり続けるのは不快」だと感じられるからだ。
ところがこの3Dファン、風量1~2あたりだと「弱めのそよ風」程度の風量。このくらいの風量だと体に当たり続けても不快ではない。さらに「省エネリズム風」機能により、自然に近い感じの「柔らかな揺らぎのある弱いそよ風」的な送風にもできる。しかも超静音。結果、仕事中に扇風機を意識せず、快適な風を受け続けることができる。
それから、まだ試していないが、「就寝中の使用にもいいかな」と。現在は就寝中に扇風機を使うほど暑くないが、毎年、盛夏には就寝中に扇風機を使う俺。なんですけど、日によってはビミョーに体が冷えすぎたりして夜中に扇風機を止めることもある。3Dファンのような微風を出せる扇風機なら、就寝中の利用にもイイのではないかと思ったわけだ。ちなみに3Dファン、オン/オフタイマー(1/2/4/6時間)も搭載している。
まだ試していないシリーズ(?)としては、プラズマクラスターの効果も。プラズマクラスターについては以前のレポートでその効果を体感しているが、3Dファンの場合は扇風機とプラズマクラスター発生装置が合体している。扇風機を使っているだけで部屋のカビ菌やニオイなどを低減できる。梅雨時~夏場にかけて、カビやニオイの問題を減らすことができるかも♪ と期待している。
さておきこの扇風機、俺的には「自分専用の快適な扇風機を探している」という人はぜひチェックしてみて欲しいと思う。また「効率良く空気を攪拌できるサーキュレーターが欲しい」という人も。
扇風機としては風量が少なめなので、多人数で使うとか大きな空間で使うといった用途には向かない。が、前述の「3Dターン機構」は暖房や冷房を使う時期に大きな効果をもたらすと思われるし、個人使用時には抜群の静音性と強すぎない風が大きな快適につながると思う。
実勢価格は19,000円前後と高価な扇風機となる。が、独自の「3Dターン機構」や非常に優れた静音性、そしてプラズマクラスター搭載などオンリーワンの要素も多い。用途にマッチすれば非常にコストパフォーマンスの高い一台になりそうだ。
2012年6月12日 00:00