家電製品ミニレビュー
プラタ「パーソナル加湿器」
プラタ「パーソナル加湿器」 |
最近のオフィスは冷暖房はほぼ完備だが、湿度にまで配慮されているところは少ない。
冬のオフィスは湿度が低いと相場が決まっており、ちょっと計ってみると20%そこそこしかないことが多い。男の私でも顔が乾く感じがするし、なにより風邪やインフルエンザが蔓延する原因の1つであることは間違いない。
本来なら、フロア全体をカバーする強力な加湿器を会社が準備してくれると良いのだが、すぐにはなかなか難しいので、自衛手段として自分の机に置く加湿器を探してみた。
今回、購入したのは、大阪のプラタという輸入雑貨卸し及び通信販売の会社が扱っている「パーソナル加湿器 CK003」という名前の製品だ。製造は中国で、プラタはメーカーではなく、輸入元となっている。
実は同じ製品は複数の名前で販売されているが、今回は一番安く売られていたものを選んだ。
メーカー | プラタ |
製品名 | パーソナル加湿器 CK003 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 1,800円 |
この加湿器にした最大の理由は、電源に乾電池が使えることだ。最近、エコじゃないと言われがちな乾電池だが、乾電池ならではのメリットがある。一番大きいのは、乾電池が使えると、電源コードがいらないので、置き場所を選ばないという点だ。
また、コンセントやUSB端子が余っていない状態でも使えるという利点もある。私の机の上も、この状態であり、余っているコンセントはなく、USB端子も USBハブを含めて全部埋まっている。今回も、USB電源専用であれば、もう少し小さい製品もあったのだが、乾電池が使えることを重視した。
とはいえ、乾電池の乏しい電力で動作する加湿器は限られている。私が知っている範囲では、これともう1台、気化式の製品があるぐらいだ。気化式の方は以前にさわっているのだが、ファンが弱くて加湿が体感できずレビューを書かなかった経緯がある。
パーソナル加湿器の本体は500mlのペットボトルより一回りぐらい太く、ちょっと背が低いぐらいの大きさだ。本体は樹脂製でブルーのツートンカラーになっている。本体サイズは約8×11×13cm(幅×奥行き×高さ)、重量は約300gだ。
本体正面。青と白のツートン | 水タンクが分離する | 手前の白いボタンが電源スイッチ。奥にLEDと電極が見える |
一般的な飲料との大きさ比較 | 底面積の比較。だいたいペットボトル2本分のスペースがあれば置ける | 本体上部にはミストの吹き出し口がある |
水タンクは、とても小さい。取扱説明書にも容量が書かれていないのだが、水タンクに書かれている“MAX”の水位で約160mlだった。水タンク一杯に入れても180mlぐらいだ。
水タンクには、簡単な栓がついており、水がこぼれにくいようになっている。実際に本体を横倒しにしても、水はミストの出口から少しこぼれるだけで、すぐに起こせば大量にこぼれることはない。これは机の上などで使う場合には大きな利点だ。
水タンクのフタにはパッキンがついており水が漏れにくい | 水タンクを倒して5秒後の様子。ミストの吹き出し口からわずかに水が漏れるだけ |
水タンクの中には、超音波発生用のモジュールが見えている。電源は水タンクの底にある電極を介して本体から送られている。しかし、この電極の構造がラフな造りで、ちょっとビックリする。実用上は問題ないが、国内の大手家電メーカーなら、社内でチェックされて許されないだろう。
水タンクは複雑な形をしている | 水タンクの底部に2つの電極が見える | 電極部分のアップ。ちょっと雑な感じの造りだ |
水蒸気の発生は超音波式で、電源スイッチを入れると、すぐに霧が出てくる。また、水タンクの底にLEDが点灯し、青く透明な水タンクを照らす。この明かりがスケルトンの水タンクと水面に反射して、ちょっとクリスタルな外観で、値段以上の高級感がある。なお、動作中にLEDを消すことはできない。この青いLEDの明かりと、もくもくと出てくる水蒸気を見ていると、「癒される」感じがする。
動作中はLEDが常時点灯しており派手な印象 | 暗い場所では、かなり明るく見える | 蒸気を嗅ぎに来た飼い猫の鉄蔵。湯気が熱くないので動物も安全だ |
超音波式の利点は、すぐに霧が出てくることと、音が静かなことだ。この製品も耳を近づけないかぎり、動作音は聞こえない。また、蒸気は熱くないし、万が一、水がこぼれても冷たいままなので安全だ。
電源スイッチを入れるとすぐに霧が出る。2回繰り返している |
本製品は、水タンクが200mlしかないのに、USB電源を使うと9時間も使えるという。冷静になって計算すると、1時間あたりの加湿量は33ml/hだ。これは、一般の加湿器よりもずっと少なく、超音波式のアロマディフェーザーと同じぐらいしかない。加湿できるスペースで言えば、木造で0.33畳、プレハブで0.66畳相当なので、机の上ぐらいの面積に相当する。
とはいえ、自分の机ぐらいは加湿できるわけだし、なによりも見ていて楽しい。本格的な加湿器と考えずに、癒し系のアクセサリと考えれば良い。製品の保証期間が6カ月で、修理は郵送修理というあたりからも、そういう位置づけが見える。
新品のアルカリ乾電池を入れても、水が半分ぐらいで電池切れになってしまう |
ちなみに、乾電池の寿命は、一般的な新品のアルカリ乾電池で5~6時間ほどだ。水タンクの量で言うと、半分ぐらいに減ったところで終わりになってしまう。
エネループも使える。その場合の電池寿命はアルカリ乾電池を使ったときと大差なかった。ただし、この加湿器の電池ケースは狭く、普通の電池よりちょっと大きめなエネループにはきちきちだ。電池ケースのフタは、しっかり閉めないとはずれやすいので気をつけたい。
なお、付属のUSBケーブルを使ってUSBから電源を取ると電池交換のことを考えなくてすむ。ただし、使う電気は多めなので、できるだけPC本体につなぐか、USBハブを使う場合はiPhoneなどに対応した大容量タイプを選ぶことをお勧めする。
付属のUSBケーブル。そこそこの長さがあり卓上で使うには不自由しない | 本体底面に電池ボックス | 手元の機器ではエネループでも動作した |
使っていて気が付いた注意事項を2つ書いて置こう。まず、超音波式の弱点である雑菌の発生を防ぐために水タンクをときどき洗ったり乾かしたりすること。もう1つは、湿気を嫌うPCやキーボードの周囲には置かないことだ。
いくつか注意すべき点はあるが、値段が安く、手軽に使えて、どこでも持ち運びができるというのは魅力だ。万能な製品ではないが、オフィスの机の上に置いて使うには良い選択だと思う。
2011年2月16日 00:00