家電製品ミニレビュー

ビタントニオ「バラエティハンドミキサー VHM-9」

~苦手だったスポンジケーキが1回目でふんわり作れた!
by 石井 和美
ビタントニオ「バラエティハンドミキサー VHM-9」

 お誕生日は子供にとって、1年に1度の大イベント。普段はなかなか食べられない丸くて大きいホールケーキの火を消すのを楽しみにしている。できれは手作りケーキを用意したいところだが、スポンジ作りは全般的に苦手だ。特にシフォンケーキやスポンジケーキはうまくふくらまず、生地がふんわりしない。家族にもいま1つ不評なので、最近はあまり作らなくなってしまった。

 しかし、外で買うケーキは添加物も多く、値段も高い。もうすぐ3歳になる下の子はケーキ大好きなので、手作りにまた挑戦してみたくなった。というわけで、パワーが強くて早くできると評判のビタントニオのハンドミキサーを試してみることにした。


メーカービタントニオ
製品名バラエティハンドミキサー VHM-9
希望小売価格10,500円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格7,980円

 ビタントニオの「バラエティハンドミキサー VHM-9」(以下VHM-9)は、食材に合わせて使い分けできる4つのアタッチメントが付属している。

 「フラットビーター」は全卵、卵黄泡立て、「ワイヤービーター」は小麦粉、バターなどの混ぜ合わせ、「ウィスク」は卵白・生クリームの泡立て、「ミルクシェイカー」はシェイクなどを作るのに適している。

アタッチメントを収納できるケースが付属しているアタッチメントはカチッと音がするまできちんと差し込む低速から高速まで6段階。キメを整えるための低速は速すぎず、使いやすい
コードは本体に巻くことができるカバーがあるのでコードが見えなくなり、見た目はスマートフラットビーター
ワイヤービーターウィスクミルクシェーカー
我が家で現在愛用中のハンドミキサーと比較。VHM-9のほうがかなり大きい。アタッチメントの角度は斜めになるので、ボウルを傾けたときに泡立てやすい

 本体は、95×238×147mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約1.2kg。我が家でこれまで使用しているミキサーに比べると大きく、ずっしりと重い印象だ。

 コードは本体にグルグル巻き付けて収納できる。コードケースでコードが見えなくなるため、とてもスマートに収納できる。

 1分当たりの回転数は690~1,200回転と幅広い。食材をなじませるのに便利な低速から、泡立てに便利な高速まで6段階となっている。1は低速で、調理開始時など食材をなじませたり、泡立てのきめを整える。2~3は中速で、クッキー生地など小麦粉、バター、砂糖などを混ぜ合わせるのに向いている。4~6は高速で、卵、生クリームの泡立て、シェイクなどを作るのに適している。

 本体にはそのほか、押している間だけ各スピードよりもスピードが速くなり、食材の状態を見ながら微妙な速度を調整できる「BURST」スイッチが用意されている。BURSTスイッチは、2分以上連続で使用することはできない。

ハイパワー!! 泡立てがあっという間!

 まずは、取扱説明書のレシピにあったシフォンケーキを作ってみることにした。時期的にオレンジは売っていなかったので、オレンジジュースを替わりに入れて、オレンジの皮は入れずに作った。

 また、今回はベーキングパウダーに頼らず挑戦してみることにした。というのも、シフォンケーキは、しっかり卵白を泡立てて、材料をうまく合わせることができれば、きちんと膨らむからだ。子供が食べるものなので、できる限り添加物は入れたくないというのも理由の1つだ。

 実際に持ってみると、今まで使っていたハンドミキサーよりも大きく、やはり重い感じがする。これで長時間泡立てるのはちょっとツライかも? と少々不安になってしまったが、材料を入れて、とりあえず泡立てを開始してみた。

 VHM-9の消費電力は210W、我が家が使っているハンドミキサーは80Wなので、これまでのものに比べると倍以上のパワーがある製品ということになる。

 実際に使ってみるとその力強さに驚いた。卵黄と砂糖をフラットビーターで混ぜたところ、あっという間に混ざって、色もすぐに白っぽくなってしまった。卵白の泡立ても、圧倒的な早い。本体は大きくて重いものの、手が疲れる前に泡立てが終わってしまう。普段は面倒な泡立て作業もここまで速いと「もう少し泡立てを楽しみたかったな」と思ってしまうほどだ。キメも細かく、卵白もしっかり泡立ち、ツノが立つまでの時間もとても短かった。

 ただ、音はかなり大きい。特にスピードが上がっていくと、音の大きさも比例してキーンと大きくなっていく。子供のお昼寝中や、深夜の使用は避けたほうが良い。

後ろは平らなので、このように立てて置くことができるしっかりツノが立った卵白。あっという間!

 次にワイヤービーターを使って材料を混ぜていく。ワイヤービーターを使うのは今回が初めての経験。ワイヤービーターは食材を混ぜるのに使うアタッチメントで、食材が絡みにくい形状をしている。バター、小麦粉の入った生地や、クリームチーズ、アボカド、かぼちゃ等のディップ作りに向いているという。

 材料を混ぜたら、最後にフラットビーターで材料をよく混ぜる。はじめは粉が少々飛び散って驚いたが、途中からどんどんなめらかになる。アタッチメントのワイヤーが細いのでクリームがべったりつくこともなく、生地が無駄にならない。ゴムべらでアタッチメントについてしまった生地を落とす作業が必要ないので、すぐ次の作業に移れるというのも便利だ。

ふんわりした生地の完成!シフォン型が見当たらなかったので、クグロフ型を使用する空気を抜いて、オーブンで焼く。生地ができるまでは短時間なので、オーブンは必ず温めておく

 焼き上がったシフォンケーキはベーキングパウダーなしでもきちんと膨らんでいて、ふわふわ。冷ましてからいただいたが、とてもおいしい。家族にも大好評だった。

45分ほど焼いて完成。ベーキングパウダーなしでも膨らんでる!!生クリームを泡立てるのも、ウィスクで簡単ふわふわのシフォンケーキができた。おいしい!

苦手なスポンジケーキも1回目で成功!!

 次は苦手なスポンジケーキだ。いつも膨らまず、固くてポソポソしてしまう。作っても家族があまりおいしそうな顔をしないので、ここ数年は全く作っていなかった。

 スポンジケーキの手順は、シフォンケーキより簡単だ。卵黄と卵白を分ける必要がないので、一気に泡立てる。VHM-9を使用すると泡立て工程が一気に終わるので、材料を量るところから焼き上がりまでにかかった時間は1時間弱だった。

生地が完成。しっかり膨らむか心配だったが…大成功! 上の膨らんだ部分は切ってしまった生地のキメは細かい

 できあがりは大成功! いつもよりスポンジより生地に高さがあり、しっかり膨らんでいる。今までうまくできなかったのに1回目で見事成功できたのは、VHM-9のパワーが強く、素早く泡立てができたからだろう。

 これまで、こんなにちゃんとしたケーキはできなかったので、子供達が大興奮だった。特に上の子は、市販のケーキも含めてケーキ類は苦手だったのだが、これに関しては何度も「おいしい」と喜んで褒めちぎってくれた。卵の香りが口に広がる、やさしい味のおいしいふわふわケーキができて大満足だ。

スポンジがきちんとできると、デコレーションするのも楽しい断面もキメが細かい仕上がり。家族全員、大喜びだった

溶けづらいハチミツもなめらかに混ざる

とろりとしたおいしいラッシーのできあがり。子供達が気に入ったようだ。これも使えそう!

 次にミルクシェイカーを使って、子供たちが大好きなラッシーを作った。作り方は牛乳とヨーグルト、ハチミツを入れてミルクシェイカーで混ぜるだけ。

 ラッシーは作り方は簡単だが、意外に手間がかかる飲み物。はちみつをきちんと溶かすのは時間がかかり、混ぜるときにスプーンなどを使うとスプーンにはちみつがついてしまってなかなか溶けないこともある。

 それが、VHM-9のミルクシェイカーがあれば、電動であっという間にきれいに素早く混ぜることができる。完成したラッシーは、とろりとした口当たりが本格的で、とてもおいしい。市販の飲み物は意外に添加物や糖類が多いのだが、これなら子供達に安心して飲ませることができる。ミキサーや泡立て器を使うよりも手軽なので嬉しい。

お菓子初心者におすすめしたいハンドミキサー

 想像以上に便利だったのは、本体にコードを巻き付けられることだ。我が家で使用しているハンドミキサーは、いつも収納時に折りたたんでからアタッチメントと一緒にケースに入れているのだが、なかなかうまく入らず、ケースが締まらなかったりしてイライラしていた。これなら面倒がなく、すぐにしまうことができて、後片付けも苦にならない。

 ハンドミキサーは安いものは千円台からあるので、VHM-9は高いと感じる方も多いだろう。こういった高い製菓用の道具は、お菓子作りが上手い方が買うモノ…という印象があり、使いこなせるか個人的にも不安を感じていた。

 そんなわけで、初めは期待していなかったが、いざ使ってみるとVHM-9はむしろお菓子初心者にこそおすすめしたい製品のように思う。ハイパワーで一気に混ぜてくれるので、私のようにスポンジケーキが苦手な人でも、成功する確率が非常に高い。せっかく頑張って作ったケーキが失敗してしまうのは、言葉に言い尽くせないほどショック。道具を変えるだけでこれだけ上手く作れるなら、検討する価値は十分あるだろう。

 一般的なホールケーキの価格は、15cmのもので3,000円から3,500円ほど。乗せる果物にもよるが、自分で作れば1,000円もかからない。我が家のように子供が2人いるなら、誕生日、クリスマス、子供の日など記念日のほかにも、ふだんのおやつ作りにも活用でき、あっという間にモトはとれそうだ。

 ふだん市販のケーキを全く食べない娘が、今回作ったケーキを食べて「お母さんのケーキはおいしいね。誕生日にも作ってね」と言ってくれたのが、とても嬉しかった。まったく自信のなかったケーキ作りだったが、VHM-9のおかげで手作りケーキを復活させることができそうだ。





2010年12月2日 00:00