家電製品ミニレビュー
パナソニック「レッツフライ TK-CT10」
パナソニック「レッツフライ TK-CT10」 |
汚れる、無駄が出る、古い油の処理に困る――調理中、調理後、収納場所まで手間がかかるのが揚げ物だ。なるべくなら買ってきた総菜で済ませたいが、弁当を毎日作るようになってからはそうもいかなくなった。ボリュームがあって、見栄えもいい揚げ物はお弁当の定番料理で、夫からのリクエストも多い。
そこで導入したのがパナソニックのその名も「レッツフライ TK-CT10」だ。いわく、同じ油を10回繰り返し使えるというこの製品。本当に10回使えるのか実際に試してみた。
メーカー | パナソニック |
製品名 | 「レッツフライ TK-CT10」 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 3,704円 |
本体の造りは至ってシンプル。寸胴のポットの中身は、上部のろ過層と油が落ちる貯蔵層の2段階に分かれている。使い始めに、カートリッジをセットしたら、後は使用する時にペーパーフィルターを別途セットして使う。ペーパーフィルターは使う度に交換するもので、本体にはあらかじめ10枚付属している。説明書によると付属のペーパーフィルターを使い終わった時がカートリッジの寿命にあたるという。
使い方もこれまたシンプル。揚げ物が終わった油を、ある程度冷ました後、ざる状のお玉などを使って大きなゴミを取り除き、ポットの上部に入れる。これだけだ。次回油を使いたいときは、ポットから油を取り出して使う。
ペーパーフィルターとカートリッジで油をろ過し、きれいな油にするという仕組み | 本体サイズは170×207mm(高さ×幅)。片手で持ち運べるサイズだ | 付属のカートリッジは色やニオイを取り除く「活性炭内蔵エコカートリッジ」 |
ペーパーフィルターは使用の度に変える必要がある。購入時には10枚が付属する | 本体内部 | カートリッジをセットする |
ペーパーフィルターを付属のワイヤーリングに被せる | そのまま下に押し下げるようにしてカートリッジの上にセットする |
■ろ過には3~4時間かかる
まずは、主役の揚げ物作りから。油の状態がパン粉に反映されやすいトンカツを作った。
使い終わった油は、パン粉や細かいゴミが浮いているだけでなく色も全体的に濁っている。油がしっかり冷めるまで2時間程度置いてから、おおよそのゴミを取り除いて、ポットにセットする。後はろ過するまで待つだけだ。ちなみに本体の容量は0.6L。従来モデルに比べ、容量が小さくなっているが夫婦2人分の揚げ物ならば充分な量だ。
未使用の油 | 新しい油で揚げたヒレカツは仕上がりの色が良い | 使用後の油は色が黒ずんでいる。パン粉もたくさん浮いている |
パン粉など大きめのゴミは事前に取り除いておく | 油を本体上部から流し込む | 油を全て流し込んだ状態。本体の容量は0.6L |
ここで注意したいのは、ろ過には時間がかかるということ。時間は油の量やフィルターの状態にもよるが、3~4時間程度は見積もっておいた方が良いだろう。つまり、揚げ物をした油をそのままにしておいて、使う直前にろ過する。というような使い方はできないということだ。揚げ物をして、食後、食器を洗った後くらいに油を移しておくのがベスト。そうすることで、揚げ物に使った鍋をすぐに片付けられるという利点もある。
なお、説明書では6時間以上かかる場合は、フィルターが劣化している場合もあるとして交換を勧めている。
■油が生まれ変わった!
次の日の朝、ポットの中身を見て驚いた。使用前の新品の油とほとんど変わらないイロツヤに戻っている。ざる付きお玉ですくえないような小さいゴミは、もちろん全て取り除かれているし、使用後の油特有の鼻につく匂いもない。これは期待以上の効果だ。
ろ過後のペーパーフィルターの状態。パン粉以外にも細かいゴミがびっしりと付いている | 本体下部の貯蔵層にはろ過後の油が溜まっている。色はほとんど元通りになっている | 鍋に移したところ。やや黄みがかっているものの古い油特有のニオイなどはない |
置き場所に困っていた古い油も、レッツフライを導入してからはシンク下にスッキリと収納できるようになった |
きれいな油を常に使えるというのはそれだけで揚げ物に対してのイメージがガラリと変わる。ニオイや汚れをその都度取り除くことができるので、できあがりの衣の色もきれいな仕上がりになる。また、使用後の油の定位置がポットになったことで、揚げ物鍋に油が入りっぱなしということがなくなって、キッチンをきれいに使えるようになった。
■10回使っても油がヨレない
天ぷらや唐揚げなど様々な揚げ物をした結果からいうと、10回使ってもまだまだ油はいけそうだ。ただし、揚げ物をする度に油が少しずつ食材に吸収されてしまうため、量は少しずつ少なくなっていく。
また、揚げるモノによって油の汚れ度合いが違うのため、油の状態によっては、毎回ろ過する必要はないように感じた。
市販のチキンナゲットなどはほとんど油が汚れない | フライドチキンは油が汚れる | フライドチキンを揚げた後の油の状態 |
10回以上、揚げ物をしてそのたびにろ過したが、ろ過後の油を見たときの感動は変わらない。ニオイも色もすっかり元通りになっているかのようだ。未使用の油を撮った写真と、10回目にろ過した油を写真で比べてみると、やや黄みがかっているようにも感じるが、古い油特有のニオイやベタツキはほとんどないので、特に不満はない。
未使用の状態の油 | 10回以上揚げ物をしたあとの油。未使用の油に比べるとやや黄みがかっているが、ニオイなどはほとんどない |
揚げ物を食べる頻度が高くなると気になるのはカロリー。ただ、何回も使えるという前提なら健康に良いとされている、オリーブオイルやごま油など普段はちょっと揚げ物に使う気にならない植物由来の油を贅沢に使うのもアリだと思う。
油の無駄を省くだけでなく、きれいな油は健康にも良い。揚げ物は好きだけど自宅ではちょっと……と敬遠してた人に是非手にとって欲しい優れた製品だ。
2009年7月29日 00:00