家電製品ミニレビュー
子どもやペットがいても安心して使える「創風機 Q」 ~再びのレビュー~
2017年5月31日 07:00
今回紹介するのは、パナソニックの最新扇風機「創風機 Q F-BP25T」だ。外観からは羽が一切見当たらず、本体背面に収められている。風が出るところは、正面にある大きな穴のフチのわずかなすき間だが、その横に空いている小さな穴から、吹き出す以上の風を吸い込んで、大きな穴全体から風を送りだしている。
ボディは非常に小さいながらも、扇風機に負けないほどの風量。カラーバリエーションも3色あり、扇風機に見えないところが非常におしゃれだ。お客さんが来ると、まず「何これ?」と必ず聞かれ、扇風機と答えると「えーーーっ!」っと驚かれる。
普通の扇風機と違い、床すれすれに置けるので、冷房をつけたときに足元にたまる冷気を、天井まで一気に吹き上げるサーキュレーターとしての効果も非常に高い。でも羽根がないので小さな子どもやペットのいる家庭でも安心だ。
メーカー名 | パナソニック |
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製品名 | 創風機 Q「F-BP25T」 |
実勢価格 | 39,683円(Amazon) |
より自然! 目指したのは蓼科高原のそよ風
創風機Qの最大の特徴は、より自然に近い風が吹く点だ。一般的な扇風機は、数枚ある羽が高速回転することで、風を送り出す。この風はカッコよく言うと「旋回流」という流れで、実に機械的な風。風は目に見えないので、旋回流を目にすることは難しいが、船に乗ったときに見えるスクリューの軌跡がまさに旋回流にあたる。
旋回流は、羽で押し出した風が円柱状に渦を巻きながら、ずっと直進し続ける。しかも何枚かの羽で押し出すので、ボッボッボッボッボッと空気の連続する塊が当るような独特の感触があるのだ。扇風機に長いこと当たっていると、不快感を覚えることがあるが、その原因のひとつが風の違いだ。
一方、自然の風はどうだろう。窓を開けてふわっと流れ込んでくる風は、素肌をサラリとすべり、ゆっくりとした強弱で心地いい。創風機Qの風は、まさに自然の風そのものと言ってもいい。羽は内部にあるものの、吹き出し口から出る風は口でフゥ?っと吹く風に近く、非常に自然なのだ。なにしろ開発の際は、蓼科高原の風をデータに取って、それを目指したというのだ。
なお扇風機との風の違いは、以前のモデルとまったく同じなので、筆者のレビュー記事を参考にして欲しい。
風量は、夕涼みでかすかに腕をすべるような微風から、窓を細く開けておくと「ヒュー!」と音を立てて部屋を抜けるときのような風まで5段階。加えて、設定風量を最大として自然の風のように、ゆっくりと強弱が変わる1/fゆらぎモードを搭載する。
一般的なモーター扇風機との比較をしてみた。
創風機Q | 一般的な扇風機 | |
1(弱) | 1.47 | 1.73 |
2 | 2.11 | なし |
3(中) | 2.82 | 2.70 |
4 | 4.05 | なし |
5(強) | 5.25 | 3.23 |
※数値は風の速さでm/sで示している
サーキュレータとして使うなら通常の風量設定で、直接風を浴びたい場合は1/fゆらぎモードを使うとイイ。初夏に山奥の温泉に行った夕暮れ時、部屋の窓を開けると心地よい風が抜ける、あの感覚を味わえる。
専用の全方位回転台で「死角なし!」「球だけに!」
創風機Qには専用回転台が付属する
専用回転台は、ラーメンどんぶりを逆さまにしたような形をしており、中心部には創風機Qに電源を供給するプラグが付いている。固定台モデルの場合は、付属ACアダプタを本体のジャックに差し込んで使うが、回転台モデルの場合はACアダプタを回転台に、そして回転台のプラグを本体に差し込んで使う。ACアダプタの電線が少し硬く折っていた癖が残るが、これは他の機器に比べると少し電圧が高く24Vのため。ただ夏2ヶ月も使っていれば、折り目も伸びてくるだろう。
創風機が扇風機と違って革新的なのは、首が360度回転する点。途中で反転するのではなく、時計回りにぐるぐるグルグル回り続ける。なので机の上に置いておけば、扇風機の取り合いで家族間紛争が勃発することもない。また本体の電源ボタンをOFFにすると、回転台の回転も止まるようになっている(これACアダプタの電線線しかつないでいないのに、なぜ連動できるのかを考えると理系は夜も眠れなくなる)。
また角度は60度、90度、120度、180度、360度、停止と6段階に切り替えが可能なので、誰かが帰るまでは独り占め、1人帰ってきたら90度、家族全員そろったら360度と、使い分けも可能だ。
首フリ中に子どもが手を突っ込んだりしたら危ないのでは? という疑問もあるだろう。うちの犬の定吉くんも、創風機の穴に首を突っ込むのが大好きなのだが(笑)、まったく危なくない。
通常の扇風機だとかなりの力で抑え込まないと、バキッ! っといってクラッチ(すべり機能)が働かない。しかし創風機は、定吉が首を突っ込んでいるぐらいの力でクラッチが滑り出し、回転が止まるようになる。また一般的な扇風機のように、クラッチがすべる(かぎ爪方式のクラッチ)「バチン!」という音がしないので、写真のように定吉もまったく怖がらない。おそらく創風機はフェルト生地などを使った、ソフトなクラッチを使っているようだ。
小さな子どもや小型犬でも安全に使えるよう配慮されているのだ。
今年は中央にLEDが付いて涼しさに磨きがかかった!?
機能的には昨年のモデルと同じだが、その違いは本体内部についているLEDにある。まるでBMWのヘッドライト(通称イカリング)のような、輪っかが光るのだ。なんだよソレ? 意味わかんねーよ! な方は、まんま「BMW イカリング」で画像検索すれば、山のように出てくる(笑)。
まぁ、オレもみなさんと同じように「光るだけかよっ!」と突っ込んだが(笑)。しかも青とオレンジ、OFFの切り替えが可能! 色を変えても、送風される空気の温度が変わるわけもなく、ただただデザイン的なもの。がたまたま暑かった夜に、寝室に持っていて使ったところ、めちゃくちゃ都合がいい!
まず夜になるとブルーのLEDが目立って、視覚効果ながら涼しさが増す。さらに足元に置いてあるため、夜トイレに起きたときに、足元が見えて、部屋の照明をつけて「まぶしっ!」という思いをしなくても、トイレに行けることだ。
夏場はビールをしこたま飲んで寝る機会が増えるので、夜トイレが近い人にとって非常に便利かつ、涼しげな演出だ。
冬はオレンジ色に変えれば、視覚的に暖かく常夜灯代わりにもなるだろう。
オヤジは宇宙戦艦ヤマトモデルで波動砲を打てぇぇいっ!
ここから先は「おっさんホイホイ」なので、若き愛の戦士たちは読み飛ばしてもかまわない。
2017年モデルで筆者が超オススメしたいのは、スペシャルカラーの宇宙戦艦ヤマトモデル。マジかよーーっ! 回転台は艦底をイメージしたレンガ色、本体外部はうっすら輝くライトグレーにヤマトの公式エンブレム、さらに内側はメタリックというカラーリングが燃え燃えだ!
しかもムダに金をかけたムービーが、超カッコイイので必見!
送風口を艦首の波動砲に見立てて、LEDを点灯すると! まるでヤマト! ターゲットスコープ オープン! 電影クロスゲージ明度20! エネルギー充填120%! 波動砲!打てぇぇいっ! と叫びたくなる。
しかも開発までのエピソードもあり、パナソニックによれば「あの!」こんなこともあろうかと! の元真田工場長が、2199年にヤマト艦内に空気環境改善にパナソニックと共同開発したという! マジっすか!
しかも開発から数年後には、地球防衛軍に公式に認められ、各艦に正式配備されたというのである。おそらく拡散波動砲のアンドロメダにも配備され、土方艦長もさぞお喜びになったことだろう。