家電レビュー
人生初ダイソンは緑に光るヤツ ホコリ丸見えで気持ちイイ!
2025年3月11日 08:05
自宅で使っていたスティック掃除機が壊れてしまったため、これまで代わりとなるものをいろいろと物色してきた筆者。しかし、そういえばダイソンの掃除機は今まで一度も試したことがなかったなぁと、はたと気付いた。
知り合いの家とかでわりとよく見かけるダイソンだが、人気の秘密はどこにあるのだろう。ずっと気にはなっていたし、ここで選ばなければ少なくとも数年はまた遠ざかることになる。買うなら今このタイミングしかないと思い、ついに人生初のダイソンを迎え入れることに。そしたら、すごく良かった!
「V12 Detect Slim Fluffy」を選んだ理由
購入したのは「Dyson V12 Detect Slim Fluffy(SV46 FF)」。2024年4月発売の、現時点では最新のモデルだ。購入時の価格は約6万円で、同時に別売スタンド(約3,500円)もゲット。掃除機にかけた出費としては、我が家ではこれまでで最も大きいものとなった。
そもそも新しく購入する掃除機をスティック型に絞っていた理由は、自宅が狭小の2階建て+ロフトで家具が多い、といった条件下だったから。とにかく取り回し良く使えることが最重要。ついでにクルマの車室掃除にも使いやすく、保管時には邪魔にならないもの、となると、充電式のスティック掃除機一択という感じだったわけで。
V12 Detect Slim Fluffyは、重量が2.2kgあるのが気になったものの、(特にクリーナーヘッドの)サイズはコンパクトに見えて取り回しは良さそう。中間パイプを取り外してハンディクリーナーとしても使えるからクルマの掃除にももってこいに違いない。別売スタンドを使えば保管スペースも最小限にできるはず、と思った。
そしてなんといっても、「Fluffy Opticクリーナーヘッド」が面白そうだった。緑色のLEDライトで床面を照らし、ホコリを可視化する機能を持っているのだ。本当に意味があるのかしら? と使う前は若干疑問符付きながらも、こういう新しめの機能は試してみないとわからないもの。
本体には液晶画面も備えていて(何に使えるのかは詳しく調べていなかったが)、最新感のある各種装備はデジタルガジェット好きな筆者には刺さりまくり。吸引力の変わらないただひとつのナントカの実力、しっかり試させてもらうぞ、と。
LEDで床のホコリが丸見え! ブラシに髪の毛が絡まない!
そんなわけで使い始めたV12 Detect Slim Fluffy。感想としては、ただただ「気持ちイイーーー!」。Fluffy Opticクリーナーヘッドが前方に照射する緑色のLEDライトにより、目には見えづらいホコリが浮かび上がるように可視化された。そこに目がけてヘッドを動かせば、ホコリが見えなくなって超スッキリ。ちゃんと掃除できた実感があり、気分爽快なのである。
一見すると「きれいな床じゃん」と思っていた所も、Fluffy Opticクリーナーヘッドの手にかかればびっくりするほどホコリだらけでショックを受ける。見えすぎるせいで、それを全てなくしてしまいたいという欲求に駆られ、今までより丁寧に掃除することを強制されてしまっている感もある。掃除にかける時間は少なからず長くなっているだろう。まあ、その分きれいになっているわけだけれども。
ちなみに、LEDライトはそこまで強いものではなく、明るい日差しが入る場所だとさすがに効果は薄い。カーペットや畳のような凹凸がある場所もキビシイ感じ。あくまでも室内照明下や家具の影になっているなど、明るすぎないフローリングで有効な機能、ということは頭に入れておきたい。
ほかにも、Fluffy Opticクリーナーヘッドにはいくつか特筆すべきところがある。
1つは、ヘッドのブラシ前方が大きく開口していて、前方とやや上方向のゴミにも対応できること。壁のキワまでしっかり掃除できるし、椅子の脚にこびりついているゴミや髪の毛なんかも、椅子を軽く持ち上げてそこにヘッドを近づけるだけで巻き取るように吸い込める。
もう1つ、「これは結構スゴイぞ」と思ったのが、ヘッドのブラシに全く髪の毛が絡まないこと。ここまで1カ月以上ノーメンテで使い続けているのに、下の写真にあるように髪の毛らしきものは1本も見えない。全部サイクロンに吸い込まれている。髪の毛が絡みまくってヘッドの分解掃除がたびたび必要になっていた、ウチの今までの掃除機とは、違う。
V12 Detect Slim Fluffyは、決して吸引力がめちゃくちゃ強いというわけではないとは思う。けれど、こうしたヘッドの機能や構造のおかげでゴミを上手に巻き込むことができ、常に効率良く、快適に掃除できるように感じるのだ。
独特デザイン、取り回し重め、ゴミ捨ての煩わしさがネック?
一方で、「う~ん」と悩ましく思う点もある。まず、そのデザインからくる存在感の強さ。製品名に「Slim」とある通り、ダイソンの掃除機のなかではスリムなモデルだが、製品全体としてはコンパクトとはいいがたい。
また、壁が白ベースの筆者宅に、グレー・ブルー・レッドからなる強めのカラーリングはやっぱり浮く。部屋に溶け込ませる、という点においては、国内メーカーの強みを改めて感じるところだ。
また、購入前に危惧していた通り、使用感はやや重い。本体+パイプ+Fluffy Opticクリーナーヘッドの組み合わせ時の重量が2.2kgなのだが、その数値とは関係なく、おそらくヘッドの構造が取り回しの重さにつながっている気がする。掃除するときはヘッドを滑らせるというより、手首を捻ってヘッドを首振りし、グリップさせながら動かす感じになるのだ。
それと、これはサイクロン式の宿命みたいなものだけれども、溜まったゴミを捨てるときはホコリが舞いやすいのでどうしても気を使う。正しくは、ゴミ袋に本体を半ば突っ込んだ状態でフタを空ける、というやり方だが、毎回そこまで丁寧に作業するのもつらいし、パカッとフタだけ開けた状態で中身が全部出るとも限らない。
なので、本体からダストケース(クリアビン)を完全に外すことになるのだが、そうするとまず間違いなくホコリが舞う。ゴミを捨てた後、ホコリが舞ったあたりをもう一度掃除機で吸う、というループが発生してしまったのが「なんだかなー」という感じだ。それと、このダストケースの脱着時は力の入れ方が難しく、いつも壊しそうな気分になるので怖かったり。
掃除が楽しく、面倒に思わなくなる最新型スティック掃除機
そんな風にいろいろと気になる部分はありつつも、これは個人の感覚にも左右されそうなので、デメリットと感じない人もいるだろう。筆者としても、総合的にはV12 Detect Slim Fluffyはかなり満足度の高い掃除機だと思っている。
ホコリを撲滅するためのLEDライトを備え、効率良く掃除できるうえに髪の毛が絡まずメンテの手間が少ないヘッド。吸い込んでいるゴミの量や充電量などが分かる液晶画面。掃除が楽しくなる、面倒に思わなくなる要素がそこかしこにある。バッテリー稼働時間も我が家には十分だ(最長60分間)。
新生活が近づくこの時期、スティック掃除機を狙っているなら、ぜひ候補の1つに入れて店頭で使い勝手をチェックしてみてほしい。