家電レビュー
煙の出ない焼き鳥器「ヤキトリル」で家飲みが捗ること間違いなし
2025年1月15日 08:05
ここ1年ほど、焼き鳥は自分で串に刺して焼いています。自作するメリットは「安く大量に食べられること」。
今どき焼き鳥ってお店で買うと1本150円前後はしますよね。鶏もも肉をスーパーで買えば100gあたり100円~150円ぐらい。焼き鳥1本が約40gとして、串やタレのコストを含めても同じ値段で2~3倍以上は食べられる計算になります。
そんな焼き鳥自作派にも見逃せなかったのが、超少煙設計の焼き鳥器。クラファンでの試験販売を終了し、一般販売が開始されたガードナー「YAKITORiLL(以下、ヤキトリル)」を、一足早くお借りしてレビューしました。
ヤキトリルは、焼き鳥専用のグリル。ヤキトリ+グリル、ここから真ん中の「リ」と「グ」を省略して製品名にしたと思われます。本体はマットなブラックで、横長のガラス窓と2つのダイヤルスイッチを備えています。ぱっと見は完全にトースターですね。
ガラス窓には取っ手が付いており、上方向にパカッと開くと、焼き鳥の串を引っかけて固定する「串かけ」にアクセスできるようになります。
特筆すべきはその構造で、串の根元側をスライドさせるように引っかけるだけでロックされます。串の先は宙に浮いたままなのが面白いです。そして串かけから外に出た串を回し、手を離すとその角度で固定されます。ガラス窓を閉じた状態でも外に串が出ているので、指が熱くない。これは熱い湯飲みなどを持つのが苦手な(猫舌ならぬ)“猫手”の筆者にとってはありがたし。串は同時に6本までセット可能です。
タイマーダイヤルを回すと加熱が開始。このあたりも昔ながらのトースターと同じです。タイマーは最大15分までの設定。加熱中は「ジーー」とタイマーの音が常にしています。目の前で焼き鳥を焼きながらの1人飲みや、スマホなどで映像鑑賞する際は特に気になるので、この音は消せるようにしてほしかったですね。
最大の売りである超少煙ですが、本当に目に見えるような煙は出ないです。原理は単純で、ヒーターが上にのみ設置されているので、下に落ちた脂が燃えることがないのです。部屋に煙が充満することがないので、火災報知器を鳴らす心配や、寒い日に窓を全開にする必要もありません。
下にはトレーがあって、落ちた脂が溜まっていきます。ガラス窓もあるので、一般的な焼き鳥器に比べて、周囲に飛び散る脂も格段に少ないです。ここは家族に迷惑がられることがなくてポイント高いですね。あと、パッと見ただけで焼き具合が分かりやすいのもヒーターが上にあるメリットで、焼きすぎの失敗がかなり防げます。
ただ1点気になったのは火力でしょうか。煙が出ないのは良いですが、熱源が上部にあるせいなのか、火力は控えめに感じられます。というのも、今回は串に刺した肉が大きめだったこともあり、タイマーの上限である15分では焼き切れず、30分はかかりました。これは、肉の大きさを小さめにして串に刺せばある程度は解消できそうではありますが(肉同士が干渉して串が回せないこともなくなるし)。
あと、手前側と左端は火のまわりが若干弱いので、串は少し奥に押し込むようにセットし、並びも途中で入れ替えることをおすすめします。もしくは最初からよく焼きたい串を中央に、それほど火を通さなくて良い串(うずら玉子など)を端にセットするかですね。
焼き鳥屋さんのようにバンバン焼いて提供するぞ! というシーンには不向きですが、焦らず慌てず、のんびり酒でも飲みながら焼く分には問題なし。人数的には2人ぐらいがちょうどいいですかね。加熱済みの焼き鳥の温め直しなら、加熱時間の長さも問題にならないでしょうし、4人以上の家族でもアリかな。
何より煙がほとんど発生せず、ガラス窓の存在によって顔や手に熱さを感じさせないメリットは小さくない(きっと暑い季節に使っても快適でしょう)。現時点において、最もクリーンで人や住環境に優しい焼き鳥器であり、家族に迷惑をかけずに使える家飲みのパートナーと言えるでしょう。