家電レビュー

ふるさと納税で大量に届くフルーツの消費にドライマイスターが役立った

大量のドライフルーツを作ることができる「ドライマイスター」を使ってみました

筆者の最近の悩みは“ふるさと納税の返礼品のフルーツが新鮮なうちに食べきれないこと”。毎年複数の自治体に寄付をし、所得税住民税の控除と美味しい返礼品を頂くという恩恵を受けまくっているのですが、足が早い割に大量に届くフルーツ達を美味しいうちに食べることができず、困っていました(生産者の皆様、本当に申し訳ございません)。

自分なりに試行錯誤して、様々な加工方法に挑戦しました。しかし、ジャムは一度作ったらなかなか減らないし、シロップは一度漬けたら1カ月以上そのままなんてこともざらにあり、回転率が悪い……。

乾燥させたら日持ちもするし、何より夫の好物なのでとドライフルーツにも挑戦してみようと思いましたが、そもそも我が家のベランダは日当たりが悪く、天日干しができず……。オーブンを使ったドライフルーツ作りにも挑戦してみましたが、イマイチ乾燥が足りず、数日後には結局カビる始末です。というか、そもそもオーブンは電気代が高いからあまり長時間使いたくない……。

そんな中、昨年アピックスインターナショナルから発売された「ドライマイスター AFD-850」の存在を知り、提供していただけることに。オンラインストアでの販売価格は15,400円。ドライフルーツやビーフジャーキー、魚の干物などが作れるマルチな乾燥機です。

ドライマイスター AFD-850
中身が見やすいクリアトレイ。6段分あるのでドライフルーツが一度に大量に作れます。左のように網が分離するタイプのトレイも付属

トレイを含めて重さは約2.7kg。そんなに重くないので、使わない時には高いところにしまっておくこともできます。使用時には、上部・側面共に10cm以上離して使用する必要があるものの、四方30cm弱なので、省スペースに置いて使えます。

軽いので、使わない時には棚の上などにも収納できます

切って並べてほったらかしにするだけ超簡単

使い方は至ってシンプル。切った食材をトレイの上に並べていき、タイマーと温度を設定するだけです。タイマーは1~12時間で1時間単位、温度は35~70℃で5℃単位+送風のみで設定可能。

切り方(大きさ)や個体ごとの水分量、成熟度、気温、湿度などにより所要時間が変わってきますが、説明書に「乾燥の目安」の記載があるので、こちらを参考に食材の下ごしらえをして、諸々設定します。これでやってみて足りないようだったら、少しずつ様子を見ながら時間を延ばしていけばOKです。

2月~4月に我が家でよく作ったのは「りんご」「いちご」「みかん」「キウイ」「パイナップル」。これらは砂糖漬けにしなくても美味しいので、切るだけで手軽に作れます。一度レモンもチャレンジしてみたのですが、すっぱすぎたので、今後シロップ漬けの出がらしで再挑戦しようかと思案中です。

扇型っぽくカット。6段に2~3個分のりんごを並べました
ハート型っぽくてかわいい。6段に3パック分のいちごを並べました
輪切りにして皮までいただきます。6段に12個分のみかんを並べました
断面がかわいい。6段に14個分のキウイを並べました
大きなパイナップルを1口サイズにカット。6段に1~2個分のパイナップルを並べました
切った食材を並べたら、タイマーと温度を設定して、あとはほったらかしにするだけ

6段あるので、一度に大量のドライフルーツが作れます。6段全てが1種類のフルーツで埋まり切らない場合は、段ごとにフルーツを変えて作るのがおすすめです。吹き出し口に近い分、下の段ほど早く乾くため、下の方に水分量の多いものを置くといいと思います。

6段全てを1種類のフルーツで作る場合にも、上下の段で乾燥具合に差が出てしまうので、トレイを上下で入れ替えるなどの工夫が必要です。

例えば乾燥時間が「約10~16時間」必要ないちごを下、「約5~16時間」必要なりんごを上にして乾燥させるといった具合

様子を見つつ、乾燥させたドライフルーツがこちら。どれも水分が抜けて、しわしわに縮こまっています。

7時間後のりんご
7時間後のいちご
14時間後のみかん
10時間後のキウイ
14時間後のパイナップル

しわしわに縮こまった分、旨味もギュッと詰まって美味しい! ドライフルーツ好きの夫も「市販のドライフルーツは砂糖たっぷりで甘いものが多いけど、これはフルーツをそのまま乾燥させているからベタッとした甘さがなくて、むしろこっちのほうが好きかも」と気に入った様子でした。

夫は皮まで食べられるようになるという理由から、みかんが推しとのこと。皮のほろ苦さと、果実部分の甘酸っぱさが味わえます。

筆者は、朝の眠気も一発で吹っ飛ぶくらいに酸っぱいキウイがお気に入りです。朝はもちろん、酸っぱさが疲れにも効く気がして、夜にもついつまんでしまいます。

手入れも楽だからノンストレス

ちなみに約7~8時間というまあまあな長時間、一体いつドライフルーツを作っている時間があるんだ? と思う方もいらっしゃることでしょう。筆者は睡眠時間を活用し、夜間に作っています。

夕飯の支度をしてキッチンを片付けた後、ドライマイスターを出し、食材を切って並べ、寝る前くらいにスイッチをオンして朝まで放置します。すると起床時には乾燥が終わっているので、食材の状態をチェックして、追加で乾燥が必要なら1~2時間追い乾燥する……といった感じです。

近くにいるとそこそこの動作音がしますが、寝室まで届くような大きな音ではないため、睡眠にはなんの支障もありません(家の構造や間取りにもよると思いますが)。

運転時の様子

お手入れに関してもかなり楽で、筆者の場合はフルーツを乾かしているだけなので、基本的に本体はほとんど汚れません。油受けトレイに落ちているゴミなどを、柔らかい布で軽く拭きながら取り除く程度です。トレイは水洗い可能ですが、フルーツを乗せているだけであれば、酷い汚れは付かないので、食器用洗剤を含めたスポンジで軽く洗うだけでOKです。

また排気フィルターは、塵や埃が溜まっていたら掃除機などで吸って取り除く必要がありますが、約2カ月程度の運用では塵も埃も溜まっていないので、そんなに頻繁に掃除をすることはないパーツかと思います。水洗い可能なので、長く清潔に使えそうです。

ドライフルーツ好きは1台持っておいてもイイ

“ふるさと納税の返礼品のフルーツを新鮮なうちに食べきりたい”という目的から導入した「ドライマイスター」ですが、当初の目的を達成するどころか、ハマりすぎて順調にふるさと納税の返礼品を消費しきって、市販のフルーツを買って製造するまでになってしまいました。

生のままのフルーツよりも日持ちするので、フルーツを美味しいまま、長く楽しむことができるのが、ドライフルーツの嬉しい点です。我が家では、できあがったドライフルーツを乾燥剤と共に瓶に詰め、いつでもつまめるよう常に卓上に置いています。

インテリアとしてもなんだか様になるような

ドライフルーツが好きな人はもちろん、市販の砂糖たっぷりのドライフルーツは苦手という人や、筆者のようにふるさと納税の返礼品でよくフルーツをもらっている人にも「ドライマイスター」をおすすめしたいです。

また最後に、実は「ドライマイスター」はココも凄い! ってところを紹介させてください。付属のトレイ6枚中、4枚が分離式になっているのですが、網を外すことで、ドライフラワーのような高さのあるものを乾燥させることもできるんです。

ちょうどいただきものの花が枯れそうになっていたので、「ドライマイスター」で乾燥させてみました。

この綺麗な状態を保たせたいが、果たして…?
ドライマイスターにセット。高さがあるので、花を潰さず乾燥させることができます
パリパリに乾きました。60℃でトータル10時間ほど乾燥させましたが、カーネーションの水分がほかの花よりも多かったので、この後もう少し追いで乾燥させました

このように、食材の乾燥以外でも役立つのが「ドライマイスター」の特徴です。付属のレシピブックに載っているビーフジャーキーや干物にも、いつかは挑戦してみたいと思います。

松川 叶実