家電レビュー
器を浮かせて加熱? 象印の斬新なオーブンレンジ「エブリノ」は日常使いしやすい
2023年3月24日 08:05
オーブンレンジといえば、多くの家庭にある調理家電です。しかし、その機能をどこまで使いこなせているかはばらつきがあるはず。実際、筆者も普段使うのは温め、解凍、たまにオーブンといった程度で、本格的な調理にはほぼ使ったことがないのが正直なところです。
筆者のように機能を使いこなせていない人に向けて登場したのが、象印マホービンのオーブンレンジ「EVERINO(エブリノ)」です。オーブンレンジ調理を身近にしてくれるというこの一台。その柱となる特徴は「時短調理」「温度ムラなし」「揚げ物サクサク」の3つです。そこで今回は、エブリノがどれくらい簡単にこれらの機能を使えるのかチェックしてみました。
レンジとグリルの合わせ使いで時短調理を実現
エブリノは、食パン4枚が焼ける広々とした庫内となっています。庫内サイズは378×309×201mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは17.5kg。一般的なオーブンレンジとほぼ変わらないサイズと言えます。
モードは左側のつまみを回して選択する仕様。オーブン/グリル/レンジ/自動/レジグリ/うきレジ/解凍が選択でき、さらに揚げ物の温めに使用する「サクレジ」ボタンもあります。
モードを選んだら、右側の「あたためスタート/決定」つまみを押して決定し、再度つまみを回して加熱時間や温度を選んで押せば調理が開始します。
最初に試したのが、「レジグリ」モードです。レンジで食材の芯まで加熱し、その後、自動的にグリル機能に切り替えることで、時短調理を可能にしてくれます。もちろん、レンジとグリルの順番は入れ替えられます。ハンバーグは約13分、塩サバは約12分となっており、おおよそのメニューが20分もかからずに調理できるそうです。
今回はせっかくなので普段はめったに作らない焼豚に挑戦してみました。といっても作り方は簡単で、タレにひと晩漬け込んだ豚肩ロースを付属の角皿に載せて焼くだけ。
レンジ13分、グリル7~8分の計20~21分の加熱ののち、庫内で10分休ませたのがこちら。香ばしい香りが部屋中に漂い、食欲を大いに誘います。
エブリノで作った焼豚は家族にも好評で、あっという間になくなったのがそのおいしさを物語っています。なんとなく焼豚は手間がかかる料理のイメージがあったのですが、これだけ手軽ならまた作ってみようと思えるひと品になりました。
「うきレジ」で味をしっかり染み込ませる
エブリノのもうひとつの特徴とも言えるのが「うきレジ」機能です。食材を付属のボウルに入れ、天板の下に引っ掛けることで、浮いた状態での加熱が行なえます。こうすることで食材を全方位から加熱し、味をしっかり染み込ませるのです。
浮かせるだけで加熱ムラが防げる理由は、庫内に置いて加熱すると、マイクロ波が接地面に集中するのに対し、浮かせることでマイクロ波が庫内に広がりやすくなるから。
また、ボウルを置く位置は常に固定されるので、赤外線センサーが食材の温度を正しく検知してくれます。
さばの味噌煮と言えば、火加減を見ながら作る必要がありますが、エブリノなら電子レンジ任せで完成するので楽ちんです。しかも、調理にかかる時間はたった11分。調理後は5分ほど置いて味を染み込ませれば完成です。
しっかり味が染み込んださばの味噌煮は、煮崩れすることもなく、電子レンジで作ったとは思えない仕上がりです。
ほかにも、肉じゃがやかぼちゃの煮物、カレー、パスタなども作れます。ワンボウルで作れるので、洗い物が少なく済むのもエブリノのいいところです。
「サクレジ」なら買ってきた惣菜が揚げたてのおいしさに
スーパーで買ってきた揚げ物を温めるのに、電子レンジは衣がベチャベチャになりやすいのが悩み。かといって、トースターは中が温まりにくく、両方使うのは時間と手間がかかります。そんなときもエブリノの出番!
エブリノはボタンひとつで「揚げ物サクレジ」機能が使えます。レンジでの温めと、グリル機能での表面の焼き上げを行なってくれるので、衣はサクサクのまま、中をしっかり温めてくれるのです。
自分で揚げ物をするのは、後片付けのことを考えると避けたくなる日もあるでしょう。筆者もそんなときはスーパーで惣菜を買いますが、これならできたてのような揚げ物が楽しめるので大満足! 普段、台所に立たない家族もこの操作性ならスムーズに扱えるので、操作のわかりやすさも強みです。
肝心の実売価格は6万円前後となっており、オーブンレンジとしては高価格帯です。これまで時短調理ができるオーブンレンジといえば“同時調理”が一般的でしたが、エブリノは電子レンジとオーブンの併せ使いで調理時間を短縮することを意識しています。筆者が実際に使ってみたところ、調理に取りかかるまでの仕込み時間はエブリノのほうが短い印象を受けました。
注意するとすれば、あとから調理メニューを追加するなど近年のトレンドである「IoT連携」に関する機能がないことです。そのぶん、操作性がシンプルで家族全員が使いやすいのも事実。長く使い続けられる一台になるでしょう。