家電製品レビュー

リモートワークの食生活改善へ! ネスレの飲むスーパーフード「ネスキーノ」を1カ月続けた

スーパーフード「nesQino(ネスキーノ)」専用の電動ブレンダー「Q-cup」

正直言うと、筆者はあまり食に関心がない。美味しいものを食べられれば、それに越したことはないが、無理をしてまで食べたいとも思わない。食に無関心ということもあり、食事の時間や回数を、できることなら減らしたいと思うことがある。そんな筆者が、家電 Watchで読んだのが「ネスレ、飲むスーパーフードを手軽に楽しめる粉末ドリンク『ネスキーノ』」という記事だ。

筆者のイメージする……期待するスーパーフードは、「摂取していれば、他に食事をとらなくても、それだけで生存可能になる食物」といった印象。記事のタイトルを読んで、「ついにネスレが、(筆者が想像するような)スーパーフードの開発に成功したのか!」と思ってしまった。

だが、同社が言うスーパーフードは、筆者が夢見ているようなものではない。同社の説明によると「一般的に『栄養価が高く、健康に役立つ食品』」といったもの。けっして、「これを飲み続けていれば、他に食事をしなくても、生存が可能になるもの」ではない。

より正確には、主食を補う補助食といったイメージのようだ。

とはいえ、食に興味がなく偏食気味の筆者が、日々の食事でバランスの良い栄養をまんべんなく摂れているとも思えない。30歳代後半からは、顕著に身体のあちこちが代わる代わるに不調を訴えてくる。自分の健康寿命を伸ばすには、どうすればよいのか、ということを考え始める世代だ。

そこで、そろそろ身体に良いことをしたいと思い、ネスレの「ネスキーノ」を特別に体験させてもらうことにした。

無添加のスーパーフード

ネスキーノは、「ベース サッシェ」と「スーパーフード サッシェ」を1袋ずつ選び、約200mlの水と共に混ぜ合わせる飲み物。

「ベース サッシェ」は3種類
「スーパーフード サッシェ」は6種類から選べる

どちらかというと、この「スーパーフード サッシェ」の方が、今回のキモになる粉末だ。世界の様々な民族で、身体に良いとされてきたものが含まれているという。例えばメキシコのマヤ族が栽培していたチアシード、中国のゴジ ベリー……枸杞子(クコシ)、アフリカやメキシコの塩湖に自生する藻のスピルリナ、それに既におなじみのアセロラやクランベリー、アーモンドなどが使われている。

さらに1つの「スーパーフード サッシェ」には、スーパーフードを含む数種類の自然食品が含まれている。例えば「スーパーフード サッシェ」の一つ「フローイング ヴィブ」の成分表を見ると、下記の材料が入っているという。

「フローイング ヴィブ」の原材料
バナナフレーク
ビーツ顆粒
ドラゴンフルーツパウダー
クランベリーパウダー
ビフィズス菌末

飲む前に、各サッシェに何が入っているのかをネスレのWebサイトで読むと、さらに「ありがたい」気持ちになり、より身体に良い作用をもたらしてくれる気がする。

この「スーパーフード サッシェ」と同時に混ぜるのが、「ベース サッシェ」。これは「ミルクベース」「スムージーベース」「オーツベース」の3種類がラインナップされていて、毎回、これら「ベース サッシェ」の1つと「スーパーフード サッシェ」の1つを水と混ぜて飲む。「ミルク ベース」と「スムージー ベース」はそれほど癖がないが、「オーツ ベース」にはオーツ麦やライスが入っていて、少し噛みごたえがでてくる。例えば「ちょっとお腹がすいたなぁ……お菓子でも食べちゃおうかなぁ」っていうときには、間食をグッとこらえて、「オーツ ベース」と「スーパーフード サッシェ」を混ぜて飲むと、少し落ち着く。

水にサッシェを入れて約3分間待つだけで出来上がり

専用に開発された電動ブレンダー「Q-Cup」で混ぜると、数分で作れるのでおすすめだ。「Q-Cup」があれば、作るのが簡単なうえ、おそらく一番美味しく飲める。

「Q-Cup」は、カップ部分と電源ステーション部とで構成されている
フタの上部には飲み口がある
混ぜ終わったら、カップを使って飲むこともできる

まずは本体のカップに水を注ぐ。カップの内側に水の適量を示すラインがあるので、計量カップなどは必要ない。筆者は水道水を使ったが、水にこだわってみるのも面白いだろう。

水を注いだあとは、3種類の「ベース サッシェ」から1つを、数種類の「スーパーフード サッシェ」から1つを選ぶ。同梱の説明書や製品サイトを見るとおすすめの組み合わせが記されているので、参考にするとよいだろう。

サッシェを入れたら、カップのフタを閉じる。次にカップを、ベース台の上に設置。あとは唯一配置されている前方のボタンをグッと沈み込ませるように押す。短く押した場合には、常温で出来上がる。長押しし、ボタンが赤く点灯するのを待ってから指を離すと、内蔵ヒーターで温めながら混ぜていく。

あとは3分ほど待てば、出来上がる。カップから直接飲んでも良いし、他のグラスに注いで飲むのも良いだろう。個人的には、色が鮮やかなので、透明のコップに移し替えて飲むと、その液体の色が楽しめて、より美味しく感じられた。

好みにもよるが、筆者が一番美味しいと感じたのは……ベース サッシェが「ミルクベース」で、スーパーフード サッシェが「フローイング ヴィブ」という組み合わせ。

まずはカップに水を入れる(水を先に入れた方が混ざりが良いという)
「ベース サッシェ」と「スーパーフード サッシェ」を入れる
フタをしめたら、カップ部を電源ステーションにはめて、ボタンを押す。あとはギュインギュインと混ぜ始めるので3分間待つ。見守っている必要はないので、出来上がるまで他のことをしていてもいい
ガラスカップに注ぐと、こんな感じだ
この時は「スムージーベース」と「スタート アフレッシュ」を混ぜた

メーカー推奨外の、牛乳や豆乳を混ぜてみた

お気に入りの、ベースサッシェが「ミルクベース」で、スーパーフード サッシェが「フローイング ヴィブ」という組み合わせで、牛乳を混ぜて作ってみた。

メーカー推奨外なので、もちろんおすすめの方法ではない。

ただ筆者は牛乳が好きなこともあって、牛乳を混ぜると果実の甘味が引き出されたかのように、自然な甘さが強まって美味しく感じられた。この組み合わせは、「砂糖が入っている?」っていうくらいに、程よい甘さなのだ(使用する牛乳にもよるだろう)。

牛乳を混ぜるといっても、200mlのうち、水を140〜150ml入れ、牛乳を40ml〜50ml入れた時が、一番バランスよく感じた。それ以上入れると、牛乳のねっとり感が、舌に残ってしまう……が、これも好みの部分だ。

この牛乳を混ぜる飲み方を、ほかのサッシェの組み合わせでも試してみた。あまり美味しくないなと感じたサッシェでも、牛乳を加えることで、かなり飲みやすくなることがわかった。

筆者お気に入りの組み合わせ
パッケージの裏側には栄養成分や原材料などが記載されている
水の代わりに牛乳を少々入れて混ぜてみた
出来上がると、ビビッドなピンク色。飲むと「美味しい」

さらに牛乳を100%(200ml)にして、ホットにして飲んでみた。この時は「ミルクベース」×「スタート アフレッシュ」という組み合わせ。後者はキウイや洋ナシ、スピルリナが入っている。

牛乳を100%にしても、サッシェがきちんと混ざるのかが心配だった。だが心配は杞憂で、まったく問題なかった。味に関しては、ホットミルクは主張が強いかなと想像していたが、サッシェの主張も強かった。美味しくもないが、不味いということもなかった。

とはいえ、味に関しても牛乳を入れると、水だけだと苦手だった組み合わせも、少し美味しく感じられるものも多かった。

ただし、牛乳を入れると一杯のカロリーが増えるので、気をつけてほしい。

ダイエットという観点で興味を抱く人もいるかもしれない。そう考えて、豆乳を入れてみた。牛乳と同様に豆乳を40ml〜50mlほど入れてみると、「フローイング ヴィブ」サッシェの場合は、同じように甘さと舌触りがちょうどよく、美味しかった。

豆乳が好きな人には、あくまでメーカー推奨外だが、おすすめできる飲み方だ。

豆乳を混ぜて作ってみた
牛乳の時と色合いも味もほとんど変わらず、美味しい

電動ブレンダーでサッシェを混ぜてみた

筆者は専用の電動ブレンダー「Q-Cup」を使っている。だが、お試しでサッシェを買い求める場合は、「Q-Cup」が貸し出されない。商品サイトには「Q-Cup」以外の混ぜ方として、うちにあるブレンダーやシェーカーで混ぜるよう記されている。

電動ブレンダーもシェーカーも持っていないが、筆者宅にはジューサー(ミキサー)がある。

ということで、自宅のジューサーで試してみた。よく朝に、バナナと牛乳を混ぜるのに使っている。

まずは同じようにジューサーに水と牛乳を入れ、その上からサッシェを入れた。この時のサッシェは、ベースの「スムージー ベース」に、スーパーフードの「グローイング ブースター」を組み合わせてみた。

ジューサーで混ぜてみた

特にこの組み合わせを選んだのに大きな理由はない。この時は疲れていたから、包装がオレンジ色の「グローイング ブースター」を選んだのだろう。と言っても「オレンジ色は体力回復の色」というのは、単なる筆者の思い込みでしかない。

さて、ジューサーに水と牛乳とサッシェを入れて、バナナジュースを作る時と同じように電源をONにした。すると……当たり前だが「ぐわぁぁああああ!!!!!!」という騒音が部屋に鳴り響いた。リビングで寝転がりながらテレビを見ている息子からは「うるさいなぁ」と苦情が寄せられた。

そう……なんとなくジューサーを使って良い時間は、朝から夕方まで……といった風に、制限されているような気がする。夜の、のんびりとした時間に使うと、やたらと音が響くのだ。

当初は「Q-Cup」と同様にジューサーで3分ほど混ぜようと思ったが、1分ほどでやめてしまった。夜は、このくらいの長さが限界だろう。

コップに注いでみると、見た目は「Q-Cup」で作った時と大差ないように見える。少し泡立ちが少なく、オレンジジュースのような感じだ。飲んでみると、舌触りが全く異なる。「Q-Cup」では、舌触りやのどごしが、ふわぁ〜っとした感じなのだが、ジューサーではそうした柔らかさがなくなる。

やはり専用に開発されたブレンダーの最適化具合が分かった。

「スムージー ベース」と「グローイング ブースター」を投入。ジューサーの器が透明なので、サッシェが沈む様子がよくわかる
出来上がり。写真で見るよりも実際は、もっと鮮やかなオレンジ色だった
飲み干すと、ほとんど顆粒が残っていないので、ジューサーでもきちんと混ざることが分かった。だがやはり、ふわりとした口当たりの優しさのようなものはなかった

アプリ操作にも対応する

スマートフォンをBluetoothで接続し、専用アプリ「nesQino」から操作できる。

本体のボタン操作では「1回押すとコールド」、「長押しするとホット」というざっくりとした温度切り替えが可能。これが専用アプリから操作すると、25℃〜55℃の間で温度を設定できる。

正直、筆者はアプリを毎回使うまでの必要性は感じなかったので、1度だけ使ったが、それ以降は使っていない。

操作できるほかに、ベースとサッシェの組み合わせにより、どんな栄養成分が入っているのかを確認できる。ただ表示される情報が、各サッシェの梱包袋の裏側に記されている情報を超えるものではないので、あまり有用とは感じられなかった。

アプリで、お気に入りの組み合わせや設定温度を記録できたり、自分が感じた味の印象をメモできたりすれば便利だろう。さらに例えば「あなたはこの組み合わせが好みのようですね。であれば、何々と何々の組み合わせなどもおすすめですよ」などと、レコメンドしてもらえたり、そこからすぐにサッシェを購入できると良いが……現状は、そうした機能はない(ブラウザが開いて、ショッピングサイトへ移ることは可能)。

約1カ月、ほぼ毎日飲んでみた感想

年始からの約1カ月間、ほぼ毎日、1杯以上のネスキーノを飲んできた。

身体の調子が分かるほど良くなったということはない。肌年齢を測っていないが、それも目に見えてツヤツヤになったということもない。強いて言えば、便の調子は良くなった気がする。その程度だが、こうした飲み物で、むしろ劇的に身体が変わっていったら、その方が怖い気がする。変化が分からないくらいに、ゆっくりと体質なのか健康度なのかが変わっていけばよいと思う。

価格が妥当かどうかは、人それぞれ違うだろう。参考として、「初回30杯コース」の価格は9,720円で、1杯が324円となる。「初回15杯コース」は4,860円なので、1杯は同じ324円。コンビニで売っているスムージーなどと比べると、同じくらいだろう。

一方で、「Q-Cup」の機械としての評価はしやすい。良い点は、しっかりとサッシェを混ぜてくれること。しかも細かい空気が含まれるように混ざるので、口触りやのどごしが良いこと。そして動作音が静かなこと。家族がいて活動している時間帯であれば、本機の動作音が気になることはまずない。

不満な点は、洗いづらい点。カップ部分が防水ではないからだ。特にカップ下部を濡らせないので、水で丸洗いできない(フタは洗える)。カップ内は洗剤で洗うが、外側は濡れふきんなどで拭くしかない。このメンテナンス面が改善されてほしいと思う。ただし、カップ内部は洗剤で洗う以外にも「熱湯洗浄モード」が用意されている。週に1回、もしくは久しぶりに使う時などには、同モードで洗浄したい。これはカップ本体に水を入れて電源ステーションに置き、ボタンを7秒長押しすると、内蔵ヒーターで水を温め、熱湯で洗ってくれるという機能だ。これらの機能を使って、清潔に使いたい。

そうした気になるポイントもゼロではないが、気軽に健康改善できそうなドリンクが飲めるというのは、嬉しいことだ。特に昨年からリモートワークが増え、外出することが少なくなった。わざわざ昼飯を用意するのも面倒で、朝食で残ったパンをかじって済ませたりする。そんな時に、前述した「オーツ ベース」+「スーパーフード サッシェ」の組み合わせを飲むと、空腹もおさまるうえ、栄養も摂ったと自己満足できる。

確実に不健康化が進んでいるなかで、確実に身体に良いものを気軽に飲める「ネスキーノ」。もしかするとリモートワーク時代の今だからこそ、筆者は続けるべきなのかもな……と感じた。

「オーツベース」は、オーツのフレークや米粉などが入っていて、噛みごたえがある

河原塚 英信