家電製品レビュー
いま人気のネックバンド型USB扇風機、ひんやり首筋を冷やす涼感が気持ち良い!
2020年7月28日 08:00
夏の外出時の暑さについては、毎年のことだが万全な対策を取れずにいる。それも当然で、例えば冬の寒さには、着込む服を保温性の優れたものにするとか、単純に着るものを重ねていくだけで対策できる。だが夏の暑さは、いくらでも服が脱げるわけでもなく、もし裸になったとしても暑いことに変わりはなく、むしろ太陽光にさらされて余計に悲惨なことになるかもしれない。
ということで昨今は、様々なモバイル可能なUSB扇風機が人気だ。風のない日や場所でも、扇子や団扇のように自分のカロリーを消費することもなく、USB扇風機は勝手に風を送ってくれるため都合が良い。
人気の家電カテゴリーということで、この時期は毎日のように各社から新製品がリリースされている。最近の特徴として顕著なのが、ネックバンド型が増えたこと。中でもスタイリッシュだなぁと感じた、ドウシシャのハンズフリーファン「hooop(フープ) FSV-02B」を使ってみた。
メーカー名 | ドウシシャ |
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製品名 | ハンズフリーファン「フープ FSV-02B」 |
実売価格 | 3,980円 |
本機は、首に掛けて使うネックバンド型のUSB扇風機。ネックバンド型なので、ハンズフリーで使える利便性の高さが特徴だ。
形状は、赤ちゃん用の前掛けを想像すると分かりやすい。前掛け部分にバッテリーや充電用micro USB端子、電源ボタン、それに風を吸い込むためのファンが2基、配置されている。吸い込んだ風は、本体後方のネックバンド部へと送られ、そこに設置された排出口から風が抜ける仕組み(左右1つずつ、前掛け部にも排出口がある)。ネックバンドのように首に掛けて使うので、ユーザーの首筋に、ひんやりとした風があたるのだ。
使い方は、まずは電源ボタンを押して風量を決める。電源ボタンを押すたびに「弱→中→強→切」に切り替わる。風量を設定したら、ネックバンドの中央の接続部分を切り離して、首の後ろに回して、改めて接続する。この接続部には強力なマグネットが内蔵されていて、両端を近づけると互いが引き寄せられてカチッとくっつく仕組み。装飾品のネックレスのような複雑さはないので、幼児でも装着できた。
そのネックバンド部分は、柔らかいシリコン製の素材。首にフィットするうえ、肌に触れた時の不快感もない。
扇風機のように風を直接受けなくても良く、ノドが乾くこともない
使ってみると、首の周り全体から風を感じるというよりも、ひんやり感を感じるといったもの。首に、なにか冷たいものが触れているといったイメージで、冷やした手ぬぐいを首筋に巻くのに近い。加えて一部前方からアゴを軽く突き上げるような風があたる……のではなく、そっと感じられる。
間違っても、首にセットした本機から、髪が巻き上がるほどの強力な風が吹き付けられる……といったものではない。
この風の吹き方だからなのだが、襟付きのシャツなどを着ている際には、ひんやり効果が減ってしまうように感じた。できれば丸首のTシャツだと、吹出し口が肌に接するエリアが広く、より風を……ひんやり感を感じやすい。
言うまでもなく、太い血管のある首まわりを冷やすのは、熱中症対策として理にかなっている。冷やされた首筋の血液が、身体中を巡ることで、熱中対策として有効だというのが一般的だ。まだ猛暑の中で使ったことはないが、梅雨時期の部屋の中で使ってみると、身体全体が冷えてくるのが感じられた。
良いなぁと思ったのは、一般的な扇風機と異なり、顔の正面から風を受けなくて済むこと。正面から風を受けると、どうしても口の中が乾燥してしまう(筆者はノドの乾燥に敏感なためかもしれない)。それが、このフープでは首まわりから、風を感じさせるというよりも、ふんわりと冷やしてくれるイメージ。だから、ノドの乾燥とは無縁だ。
ということで外出時だけでなく、リモートワーク中にも使ってみた。ハンズフリーで使えるので、パソコンを使っていても邪魔になることもなく、手洗いや飲み物の補充で席を立つ時にも、装着したままでいられる。ただし、“室内”で使う上での難点は、首に装着するために、ファンの音がうるさく感じたこと。エアコンを付けるほどでもない暑い日や、就寝時に使いたくなるが、この耳元で鳴る音に慣れようとするのは、ちょっと難しいだろう。
とは言え、一歩外に出て自動車や雑踏などの環境音にさらされれば、ファンの音はほぼ聞こえなくなる。本来の目的であるだろう、外出時にほとんど音が気にならないのだから、製品としては、ほぼ問題ないといえる。
また、こうしたネックバンド型の不安要素として、髪の毛がファンに巻き込まれるのでは? という懸念があるかもしれない。だが本機に関して言えば、まったく心配する必要がなかった。
子供の熱中症対策としても使えそう
大人が使うのにも良いが、本体の重さが200gと軽いので、子供でも使えた。
5歳の幼児に渡して使わせてみると、「すずしくてきもちいぃ~」と感動していた。扇風機とは思えない形のモノを首に掛けるというのも、幼児からすると特別感があるのかもしれない。
雨が降る蒸し暑い日でも、ハンズフリーで使えるのは、大人よりも子供に便利だろう。まだ傘の持ち方が不安定な幼児にでも、安心して使わせられる。
1つ注意が必要なのが、ネックバンドをマグネットで接続していること。そのため、接続部に少し力を加えると、すぐにネックバンドが2つに切り離され、本体が落ちてしまった。5歳にもなると、落ちそうになった段階でサッと本体を支えられるが、もっと幼い子だと、それを期待するのは難しいかもしれない。公園などで遊ぶ際に使うのは難しいだろう。
子供に使わせるうえで、安全性については、ほとんど問題を感じなかった。吸気口のファンは、幼児の指でも中には到底入れられない。また、もし誤って落としてしまっても、子供が傷つくことはなさそうだ。例えば猛暑の日に、幼児をベビーカーに乗せて外出する時には、とても便利じゃないかと予想している。
これからの本格的な真夏に備えて、大人にも子供にも、涼感グッズとしておすすめしたい。