家電製品レビュー

吸引力は当たり前! 新しいダイソンコードレスの使いやすさが進化して向かうところ敵なし?

昔は粗削りだったダイソンのコードレス

 今年3月に発売された、ダイソンのコードレスクリーナー「Dyson V11シリーズ」。お墨付きの吸引力はもちろん、運転音やバッテリーの残量表示、さらには念願の自立式充電台まで! 使い勝手が向上したと評判の新モデルだ。

今年3月に発売された「Dyson V11 Fluffy+」

 ダイソンのコードレススティッククリーナーといえば、2011年の初号機から絶賛され続けている人気の掃除機。当時は、コードレス掃除機は吸引力が弱くても仕方ないと思われていたころ、「さすがはダイソン」と言われる吸引力とスタイリッシュなデザインを引っ提げて日本に上陸し、またたく間に話題のヒット商品となった。

 だが、やはり当初は現実的には扱いづらい面が多かったと思う。個人的な記憶では、吸引力は強いが床にピタッと貼り付くため動かしづらかったし、カーペットなどは吸い付いて捲れてしまう。また音も大きく、特にモーターのキーンという甲高い音が気になった。トリガーも硬かったので、引き続けて掃除すると指がつりそうになったり、一度の充電で稼働する時間も短く、あっという間に充電が切れて困ったり。

 また充電台がないため、収納しながら充電するには、壁に穴をあけて収納用ブラケットを打ち付けるか、床に倒してアダプタを直接充電するしかなく、使い勝手の面では粗削り感が否めなかった。

 とはいえ、さすがはダイソン。8年の間に改良を重ね続け、次々に新モデルを世に送り出してきた。私自身、V6など従来機種を2モデルほど使っていた時期があり、ずいぶん使いやすくなったと感じていた、しかし新モデルのDyson V11シリーズは、さらにその使いやすさが大きく改善されたという。1カ月ほどお借りして使ったので、その使い心地をレポートしよう。

メーカー名ダイソン
製品名Dyson V11 Fluffy+
実売価格87,480円

充電ドック付属で壁に穴を空けなくてもよくなった!

 これは本体の進化ではないが、個人的に「ついに付いたか!」と嬉しかったのが、充電ドックだ。前述のように、従来は収納用ブラケットを壁に打ち付けなければならなかったが、壁に穴を空けてしまうと置き場所を変えたくなったときにどうなる? と思って取り付けたことがない。

 結果、床に倒して充電することになるのだが、なんとなくスッキリしないし、そもそもアダプタを差し込むのが面倒で、いざ使いたいときに充電が切れていることもしょっちゅう。しかも置き場所が定まらないため、あっちこっちに置きっぱなしにしてしまう。

 しかしV11シリーズはついに、自立式の充電ドックが付属! それも見た目が実にスタイリッシュだ。シンプルなデザインだが、2.72kgのV11が支えられるよう、実はベースが見た目以上に重い。なので、サッと置いても揺れることなく、安定して引っかけることができる。

ダイソンで初めて、自立式の充電ドックが付属
V11シリーズは計4モデル。充電ドックは、「Dyson V11 Absolutepro」、「Dyson V11 Absolute」、「Dyson V11 Fluffy+」に付属する
ポールの裏側に電源コードを這わせるのだが、溝があるため、まっすぐキレイに這わせられる
コードの先端だけ出したら、あとはスッキリ見えないようフタができる。実にきめ細かいこだわり!

 ただし充電ドックの充電位置は、かなり高い。日本製のコードレスクリーナーの充電台は、引っかけるとヘッドがちょうどベースにつくくらいの高さのものが多いが、これはベースより15㎝ほど浮いている。そのため、置くときはともかく、使うときに持ち上げるのは結構大変だ。

 ポールの長さが変えられるといいのだが、強度の問題があるのだろうか。いずれにしても、この充電ドックが付属したことは、置き場所が決まらず、充電を忘れがちな筆者にとって、かなり大きいアップグレードだ。

見た目はスッキリしているが、充電部分が結構高い位置にある
身長169㎝と大柄な筆者でも、下から持ち上げるように上げないと取り外しにくいが、とりあえず問題なく使えている。

残り時間がひと目で分かるのはとても安心!

 コードレスクリーナーの大きな不安点として、充電がどれくらい残っているか分からないことがある。前述のように筆者は、こまめに充電するタイプではないので、充電ドックがないとつい充電を忘れ、いざ使おうと思うと、充電が切れていた、なんてことも数えきれない。

 きちんと満タンになるまで充電したとしても、やはり残り時間は心配だ。V11は、連続運転時間が「エコモード」で最大60分とかなり長いものの、「強モード」で使うと最短5分で切れてしまう。かつては、今何モードで運転しているのか、パッと見て分かりにくかったため、そんなにゴミが多くないのにうっかり強モードで運転してしまい、数分でヒュゥン……チーン。なんてこともあった。

 しかしV11は、今何モードで運転しているかはもちろん、このモードで運転したら残り運転時間は何分何秒か、目安が表示される! それも本体のちょうど目線の先に表示されるため、「気づかなかった」なんてことは起こりえない。これまた、頻繁に充電切れを起こす私には非常に分かりやすく嬉しいサービスだった。

フィルター上部に、モード設定ボタンがあり、選択したモードが液晶で表示される。エコモードが緑、中モードが青、強モードが赤というのもイメージしやすい。

 ちなみにスペック上では、充電時間は約3.5時間で、運転時間はエコモード約40/60分、中モード約20/30分、強モード5/8分となっている(クリーナーヘッド/非モーター駆動ツール時)。100%充電した状態で、非モーター駆動ツールを装着して残り時間を確認してみた。

残り時間表示は、運転中に表示される。エコモードは65分とスペックより長い!
中モードは約28分
強モードは約6分。これもスペックより長い

 これが表示されると、計画的に掃除ができるようになる。ゴミが多い場所は強モードにしたいが、今日は広範囲を掃除したいので、中モードに留めておいたり、フローリングはエコモードで、カーペットは強モードで、と使い分けることもできる。見えるって本当に大切だ。

ただでさえ強い吸引力が、さらに25%アップ! しかもうるさくない?

 ではさっそく掃除してみよう。スティックの長さは相変わらず長く、ふだん使っている日本製に比べると、ハンドルを握る高さがかなり違う。小柄な人が長時間使うと疲れるかも、とは思うが、自分なりに使いやすいポジションが見つけられるものなので、慣れれば問題ない。

我が家にあった日本製のコードレススティッククリーナーと比べると、こんなに長さが違う

 実際に運転してみて、最初に驚いたのが音の静かさだ。思わず一人で「あれ? 音が小さい」とつぶやき、改めてリリースを見たら、やはりビンゴ! 運転音を11%低減したらしい。そもそも音の質が違うというか、くぐもったような音なので、音量の割に不快感が少なくなっているのだ。

エコモードの運転で約70dB。騒音の目安としては、セミの鳴き声レベルと、そこそこうるさい部類に入るが、音質のせいか、さほど不快に感じなかった。

 掃除能力については、今さらいうまでもなく、吸引力は抜群に強いわけだが、こちらはなんと前モデルより25%もアップしたという! まだ強くなるとは……。それでも、床に貼り付いたり、カーペットを引きはがすこともなく、ちゃんと動かせる。

 わが家はカーペットが多いのだが、吸引力の違いはカーペットを掃除したときに大きく現れると感じている。表面のゴミは綿っぽいホコリが多いが、奥のゴミは粉っぽいため、掃除機によって取れるゴミが違うのだ。V11はもちろん、ホコリとともに細かい粉ゴミもいっぱい吸い出してくれた。

フローリングに撒いた重曹は、一発でキレイに吸引。ヘッドが通った境目が気持ちがいいほどクッキリしている
カーペットを強モードで運転すると、やはり少し動かしづらいが、奥に入り込んだ重曹もごっそり吸引してくれた。

ゴミの捨てやすさにもとことんこだわり

 家中掃除したら、ゴミもたっぷり溜まるので毎回捨てなければならないが、このゴミの捨てやすさも、前モデルV10から改良されている。以前は、ゴミ箱の上でパカッとフタを開けると、ゴミ箱の中に落ちる過程でホコリが舞い散りやすかったが、V10以降は、ゴミ箱の内側で捨てられるため、ホコリの舞い散りにくいのだ。

ゴミ箱の上で狙いを定める。この時点では、まだ開口部はゴミ箱の外にある
赤いレバーを引き下げると、ぐっと下がると同時にフタが開く。開口部はゴミ箱のほぼ内側に!

 ちなみに清潔性でいえば、V11には0.3μmの微粒子を99.97%捕えるというフィルターを搭載しているのも安心なポイント。部屋の空気よりも、きれいな空気を排出するというが、確かに体の真横から排気が出ていてもニオイなどは気にならない。

掃除をしていると風が身体に当たるが、空気はきれいだという

 さらに本モデルには、付属品のツールがたくさんついているが、ツールは多いほうが、掃除できる場所が増えて便利だ。ヘッドが届きにくい隙間やホコリが溜まりやすいテレビ周り、車のシートなど、上手に使い分ければ、掃除できる範囲が広がり、お得感もある。

通常の床掃除は、ソフトローラークリーナーヘッドを使用
コンビネーションノズル。隅などのヘッドが届きにくい場所に便利
ミニブラシ。テレビ周りなど埃が溜まりやすい場所がスッキリ!
ミニモーターヘッド。車の掃除もダイソンの吸引力が頼りになる

ついに身近になってオススメ度がパワーアップ!

 今回、1カ月ほど使わせていただいたが、「これはいいわ~」と感心することばかりだった。吸引力がかなり高いものの、かつては使いづらさがネックとなっており、ある程度のデメリットも考慮したうえで、「それでもやっぱり、よく吸う」という理由でオススメしていた。

 しかし今回の進化で、期待以上に使いやすくなった。しいて不満点を挙げるとすれば、例の小柄な人には大きすぎる問題と、クリアビン(ダストケース)が洗えないことだろうか。ダストケースを水洗いしたがるのは日本人だけ? という話もあるが、やはりゴミを捨てても、細かいホコリが残るとどうしても気になってしまう。洗えないし、内側は拭きづらかったので、面倒くさいな、と感じたのはこれくらいだ。

 いずれにしても、ダイソンがパワーなどの技術面以外に、使いやすさをとことん突き詰めてくれたのはありがたい。ますます身近に使えること間違いなしだ。

吸引力はもちろん運転音や充電機能など細かい部分も改善され、さらに使いやすい一台に

田中 真紀子