家電製品レビュー
育てるのも食べるのも楽しい! インテリアになるLEDライト付き水耕栽培器「プラントゥイ」
2016年7月13日 07:30
「Plantui(プラントゥイ)」は、日照時間が少ないフィンランドで生まれたインドアハーブガーデンだ。コンピューター制御による光と水のコントロールで、種が入ったカプセルをセットするだけでハーブや葉物野菜、食用花が育てられる。LEDによる水耕栽培器はここ2~3年、いくつか登場してきているが、レッド・ドット・デザインアワードを受賞しており、デザインがとても美しい。
3月、広尾に移転した家電アトリエの玄関が白一色であまりに素っ気ないため、インテリアにもなるこのLEDライト搭載水耕栽培器を導入してみることにした。まずは3~5週間で生長し、食べられるようになる葉物野菜から。その使い方と生育していく様子を紹介しよう。
メーカー名 | プラントゥイ |
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製品名 | Plantui 6 |
販売価格 | 48,000円(税抜) |
用意するのは本体と専用の種子キット2箱のみ
黒いパッケージを開けると、ふたの部分に小さなスプーンがセットされている。これは、水耕栽培のための養液を作る際に、栄養剤の分量を計るためのものだ。続いて本体を取り出してみる。
プラントゥイは、写真などを見る限りでは、直径20cmくらいの可愛らしいサイズをイメージしてしまうが、実際は直径30cmほどある。持ち手のところも含めると、ロボット掃除機と同じくらいの直径といえばわかりやすいかもしれない。本体はマットな質感が上質さを感じさせ、やわらかな曲線を描く丸い形が愛らしい。
今回、本体と共に準備したのはGarden Rocket(ルッコラ)と、Tatsoi(ターツァイ)の種子キット。1箱に3カプセル入っていて、日本ではハーブなどの24種類がラインアップされている。本体には6カプセルセットできるので、1回に2箱分が必要になる。生長の度合いが同じものを選ぶと見た目にも美しいので、「3-5weeks」と書かれたものをセレクトした。種子キットの中には、先に説明した栄養剤も1袋入っている。
では、種まき(=種子カプセルをセット)をすることにしよう。3Lの水とスプーン3杯分の栄養剤を本体のウォーターボウルに入れてよくかき混ぜ、プラントトレイをセットし、プラントカプセルをくぼみに入れていく。カプセルのシールをはがして、もしもシールの裏に種子がついている場合は、そっとつまんでカプセルのくぼみに戻さないと、発芽の確立が減るので要注意。
本体上部のライトユニットをはめ込む前に、ひっくり返して見てみると青、赤、緑の3色のLEDが6セット埋め込まれているのが確認できる。青、赤、緑の3色のLEDを生長段階に応じて照らし分け、最適なタイミングと頻度で自動給水する仕組みだ。
ライトユニットを取り付けるとLEDライトが紫がかったピンク色に点灯した。プラントトレイとライトユニットの間はわずか1.5cm程度だが、ピンクのライトが玄関を幻想的に彩り美しい。まだ植物を感じさせる要素は何もないが、これなら夜には間接照明の役割も果たしそうだ。
太陽の下で育つ植物と同じように、1日8時間は消灯し「夜」をつくる仕組みも備えており、自分たちの暮らしのリズムに合わせて設定できる。たとえば毎夜10時消灯というサイクルにする場合、その時間になったら本体天面に3秒ほど手をかざせばOK。一度設定すればタイマー機能が働いて、翌日からは毎夜10時におやすみ状態になる。変更も、再び手をかざすだけと簡単だ。
さて、どれくらいで発芽するのか。そもそもちゃんと発芽してくれるのか、単なるLED照明で終わりませんようにと願うのみ。発芽が待ち遠しい!
1週間で子葉が出てきた! 後は生長に応じて2本の支柱を追加していく
毎日、アトリエのドアを開けるたびにプラントゥイをのぞく日々。ブラボー! 5日目には発芽し、1週間後には可愛らしい子葉も生えてきた。どのカプセルからも均等に子葉が出てきていて、バランスもいい。かなり気分が上がる。
ここで一度、ライトユニットを外して、真ん中に支柱(ハイトブロック)を1本追加した。ハイトブロックには端子がついており、このブロックが1本追加されたことで植物の生長具合を判断してLEDの色を変えていく仕組みらしい。
再びライトユニットをセットすると、今までピンク色だったLEDがグリーンぽい色に変わり、今までとは全く違った玄関になる。思わず「わぁ! 色が変わった」と声を出してしまったくらいの劇的な変化だった。
ちなみに、このプラントゥイは日本の環境に適応する種が選ばれているため通年使えるが、室温は15〜25℃が望ましく、直射日光やエアコンの風が当たるところは苦手だとのこと。真夏に空調を使用しない環境だと少々、厳しいかもしれない。
支柱を追加してからは、植物の様子が見えやすくなったので、ルッコラやターツァイの生長具合を確認するのがより楽しいものになった。ホワイトの本体にグリーンの植物、そしてLEDの明かり。これまで寂しかった玄関が一気に生き生きとし、来客の誰もが「これはきれいですね!」と感激してくれるのもうれしい。
2週間を過ぎたころにはだいぶ大きくなり、19日目くらいにはLEDライトに葉がくっつきそうになってきた。葉がLEDライトに当たってしまうと、焼けて色が変わってしまう。そろそろ次のハイトブロックを追加する時期だ。
1本目の時と同様に、ライトユニットを外して2本目の支柱をセットする。ウォーターボウルを持ち上げると、ずいぶん水が少なくなって軽くなっていたため、プラントトレイを持ち上げてみると、根がかなり伸びている。
中の水も少し濁っているようだったので一度ボウルの水を捨て、新しい養液を作ってセットした。実はLEDが青く点滅したら、水と栄養剤を追加するタイミングなのだが、仕事の兼ね合いでアトリエを留守にすることもあるので、点滅を待たずに早めに水を変える(追加する)ことにしたのだ。
再びライトユニットをセットするとLEDライトがつき、ルッコラやターツァイのグリーンが鮮やかに浮かび上がった。支柱が伸びたせいでルッコラたちが小さくなったように見えるのが不思議だ。
1カ月目から約2週間、毎日のように収穫できる
ここからはさらに生長が著しく、グリーンのインテリアとして玄関を彩ってくれるようになった。27日目には葉の先がLEDライトに当たるほどに大きくなったので、外側の葉から順次摘み取っていくようにした。
ルッコラはパスタにのせたり、サラダにしたりと大活躍。ターツァイも炒め物やスープなど様々な料理に使って楽しんだ。ハーブなどは一度にたくさん使わないものも多く、買ってきてもムダにしてしまうこともある。こうして育てながら、使う分だけ常に新鮮なものを摘み取って食べられるのは、本当にうれしく贅沢な気分になる。
生長するにつれて、水の減り方も早くなったので、途中で水と栄養剤を足しながら、さらに3週間ほど目と口でルッコラたちを楽しんだ。種まきから約2カ月、思ったより長く栽培できたと思う。今回は次に育てる予定で一緒に購入してあった食用花のビオラを早く育ててみたくて、最後に一気に摘み取ってしまったが、まだしばらくは育てられたのかもしれない。
心がなごむ新しいガーデニングツール
種子キットは1箱1,400円(税抜)と決して安くはないが、種類によって3〜12週間で収穫できるまでに生長し、その後も長く楽しめるのがいい。大好きなコリアンダー(パクチー)の種子キットもあるので、ビオラの後にぜひ育ててみようと思っている。アトリエの玄関に置いているが、キッチンカウンターや寝室などに置くのもいいのではないだろうか。
もしも長時間留守にする場合には、水の使用量を減らして生長スピードをゆっくりとさせる「ホリデーモード」を活用するとよさそうだ。これもスリープタイマー同様、ライトユニットの中央部に10秒ほど手をかざし、LEDライトが紫色になれば設定完了と簡単。旅先や出張から帰ったら、再び手をかざすと元に戻る。長期の出張の際にはこのモードを利用してみたいと思う。
ハーブの栽培は虫がつきやすいなど、案外ベランダで育てるのが難しいもの。室内で簡単に育てられ、美しいインテリアになるプラントゥイは、新しいガーデニングツールとしてぜひおすすめしたい。