趣味の節電道入門

第5回:アイロン&アイロン台で節電できるのか?

 わが家で10年ほど使ってきたコードレスアイロンが故障した。スタンドにセットしてもまったく加熱しなくなったのだ。接触不良を疑い、スタンドを分解してみたが原因はわからず、買い替えることにした。

 新しいアイロンは、節電を基準に選ぼうと思ったが、とくに節電を謳ったアイロンはない。そりゃそうだ。ヘアドライヤーと同じく、電気を熱に換えるだけの基本的には単純な製品。消費電力は1,000W以上と高めなものの、1時間の電気代は20~30円ほどになる。アイロン関連の節電と言えば、なるべく衣類をまとめて効率よくかけるなど、使い方がその中心となるようだ。

 購入したのは、パナソニックのスチームアイロン「NI-S55」。この製品、コードレスでないこともあり、ネットでの実勢価格は2,200円前後と格安。もちろん、機種にもよるだろうが、ACで使う家電としては最も安い部類に入るのではないだろうか。

 コードレスではなく、コード付きタイプを選んだのは、故障しにくそうなことと、節電効果もあるのではないかとの理由だ。コードレスタイプのアイロンは、スタンドに置いてアイロン本体に蓄熱し、その余熱でアイロンがけする仕組み。コードがないので取り回しがしやすいが、蓄熱中は仕事をしていないわけで、ロスが発生していると考えることもできる。

故障した無印良品「コードレススチームアイロン」。小ぶりで扱いやすく収納も楽だが、スチーム用の水は85mlしか入らない。消費電力は1,200W
購入したパナソニック「NI-S55」。スチーム、ハーフスチーム、ドライの切り替えは前部のレバーで、電源および温度調整は内側のダイヤルで行なう。タンク容量は約200ml。消費電力は1,000W
「かけ面」も一般的なスチームアイロン。質感などは高級感とは無縁だが普段は押し入れに入れているモノだし気にすることはない

アイロン台で節電できる!

 アイロンとほぼ同時に購入したのが、節電に効果があるとされるアルミコートのアイロン台だ。なぜアルミコートが節電になるかというと、熱を反射することで、衣類は下方向からも加熱され、アイロンの温度を一段低く設定しても、高い設定と同じ効果が得られるというわけ。

 ちなみに、アイロンがけは、低い温度から順番にかけていくと時間や電力の無駄がなくなる。低温でもシワが取れるナイロン製の衣類から始めて、高温を要する木綿製へと段階を踏んでいく。最後は、電源を切って、余熱でハンカチなど小物をアイロンがけするのが達人だそうだ。

 このアイロンとアイロン台の組み合わせ、アイロンがけ担当の家人に実際に使ってもらった。「コードレスのようにアイロンを温め直す必要がないし、これまでの半分の時間でアイロンがけが終わる。節電はともかく時間の節約になるのは主婦としてうれしい」とのこと。期せずして、コストパフォーマンスの高い、節電&家事効率UP策となったようだ。

ナカザト『舟型V脚A-3』(購入価格1740円)。スチール製の脚は折りたたみ式。日本製
アルミコートされた布はなめらか。汚れやシミがつきにくく、アイロンによる焦げも生じにくい(前のアイロン台は茶色い焦げ染みだらけだった)
まだアイロンが温まりきっていない状態でもシワとりができる! ストレスが少ないから、これからは僕もアイロンがけするようにしようかな

小口 覺