走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

コンパクトなサイズでジャストフィットするGPSウォッチ「スント 5」

実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!

 スントといえばアウトドアで高い信頼を得ている、コンパスやGPSウォッチで知られる、フィンランドに本社を構えるブランド。機能性はもちろんのこと、そのスタイリッシュなデザインも大きな魅力の1つだ。そんなスントからリリースされた最新GPSウォッチが「スント 5」。バッテリー性能を向上させるとともに、従来の同社製品よりも一回り小さいサイズは、女性アスリートや手首の細い男性ランナーにもフィットするはずだ。

スント 5
メーカー名スント
製品名スント 5
実勢価格46,440円

 スントの特徴として、多くのアスリートが強調するのが、運動時における視認性の高さ。あらゆるGPSウォッチブランドのなかでも頭一つ抜け出している。その理由として挙げられるのが、50mmというケースサイズ。このサイズはスントがコンパスをメインに製造していた時代から頑なに守ってきたサイズであり、これより小さいと見づらくなり、これより大きいとかさ張って邪魔になってしまうのだ。

 しかし欧米人よりも身体が小さな日本人ランナーには「スントはちょっと大きい……」「もう少し軽ければいいのに……」といった声があったのも事実。そのような状況で、スントが2017年にリリースしたのが「スント スパルタントレーナー」。ケースサイズが46mmで、従来のスントのGPSウォッチよりも一回り小さなサイズに、10時間/GPS精度BEST、16時間/GPS精度GOOD、30時間/GPS精度OK、14日間/時計表示というロングバッテリーライフを組み込むことで良好なセールスを記録した。

 今回登場した「スント 5」は、サイズこそスパルタントレーナーと同じ46mmだが、機能性が大きく向上。バッテリー寿命は最長で40時間となったのである。

 実際に使用してみると、まず感じるのはシリコン製ストラップのフィット感の良さ。これまで使用したスント製品と同様に長時間身に付けても快適だろう。また46mm/66gというサイズとウェイトは、手首の細い筆者にも最適。筆者が最近、メインで使っている79gの「スント 9」と比較すると軽く感じられる。

 「スント 9」はタッチパネル式なので、最初こそ「スント 5」の取扱いに多少戸惑ったが、しばらくしたらすぐ慣れた。一度使えば理解しやすいシンプルなインターフェイスなので、これまでスントを使ってきたユーザーはもちろん、他ブランドから乗り換えるユーザーにも簡単なはずだ。

サイクリングやスイミングなど、様々なアクティビティモードが選べるが、一般的なランニングの際はランニング ベーシックをセレクト
走行ペースや心拍数といったログ(アクティビティのデータ)へのアクセスも簡単

 ランニング時の視認性は、サイズ50mmの「スント 9」と比較すると若干落ちるものの、レイアウトがシンプルで、なおかつ表示される文字も大きいので、他ブランドのGPSウォッチと比較すると、視認性はかなり高い。これまで日々のトレーニング、フルマラソン(ゴールドコーストマラソン2019)でも使用したが、視認性、フィット、サイズ、ウェイトほか、本当にトータルバランスに優れているプロダクトだと思った。

最も詳細なログを記録するパフォーマンス、バッテリー駆動時間を延長するエンデュランス、そしてユーザーが詳細設定するカスタムの3つのバッテリーモードが選択できる
心拍数はケース裏側のLEDライトを用いることで測定する、光学式心拍計測を採用。心拍ベルトを付ける煩わしさがない

 そしてガジェット好きが気にする製造国も、上級機種の「スント 9」などと同様に、本国フィンランドでの製造。スント製品としては買いやすい5万円以下の価格設定も含め、「スント 5」は、スタイリッシュに速く走りたいというランナーに、必ずや支持される存在となることだろう。

南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間52分00秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。