走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!
ランナーの走りを計測し、ランニングの新たな楽しみ方を提案する「ORPHE TRACK」
2019年10月23日 00:00
今年に入って発表されたno new folk studio(ノーニューフォークスタジオ)
の「ORPHE TRACK(オルフェトラック)」は、足裏のどの部分で着地しているか(着地法)、着地時の足の傾き(プロネーション)、地面との接地時間(左右バランス)、ストライドの広さ、ピッチなどを毎歩計測し、詳細な解析結果を専用アプリにフィードバックするシューズ。
それらのデータを基に、効率的な走りやケガの少ない着地をランナーが習得できるアプリと専用シューズを組み合わせている。上記のような走行データは、これまでは大掛かりな設備でないと計測できなかった。
だが、ORPHE TRACK ならORPHE COREと呼ばれるセンサーをシューズのかかと部分にセットし、いつも通りに走るだけで、重要なランニング指標をリアルタイムで解析し、ランナーに提供してくれる。
メーカー名 | no new folk studio |
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製品名 | ORPHE TRACK 1.0ベータ版 |
実勢価格 | 29,800円(税抜) |
実際にORPHE TRACKのシューズ(1.0ベータ版)を履いてみると、その見た目よりも軽く、一般的なランニングシューズとあまり変わらない。センサーをヒールに内蔵した分、若干後ろよりの重心になっているが、そこまでは気にならなかった。
専用アプリを起動させ、しばらく経つと内蔵されたセンサーが振動するなど、着用者を飽きさせない点も興味深い。シューズには衝撃吸収や反発のための特別なテクノロジーは採用されていない。だが走り始めると、スポーツブランドがリリースするランニングシューズと比較して、衝撃吸収性、反発性が極端に落ちることはないとわかる。
もちろん、各ブランドが展開するトップモデルの域には達していないが、一般ランナーが普段のランニングに使用するには何ら問題ないはずだ。
アウトソールの刻みは浅いので、アスファルトやコンクリートといった舗装路での走行に向き、公園の土では若干滑った。
こうして普段の6kmランを終え、記録された走行データをアプリで確認。過度な場合はケガの原因となるプロネーション(着地時の足の倒れこみ)や着地がヒール(踵)かフォアフット(前足部)かを簡単にチェックできる。
4回ORPHE TRACKを履いて走ったが、走った後に走行データを確認するのが楽しみになった。そのままORPHE TRACKでランニングを続けることはもちろん、このデータを基にそれぞれにマッチしたランニングシューズを選ぶことにも活用できる。
ランニングは場所や時間を選ばず、一人でも走れることから、最も簡単に始められるスポーツの代表である。その一方で単純な動作の繰り返しであるから、飽きて止めてしまう人が多いのも事実。このORPHE TRACKは、走ることにエンターテイメント性を持たせているので、前述のように各種走行データを分析したいランナーはもちろん、「これまで何度も走り始めたが、退屈なのでやめてしまった……」というようなユーザーが、ランニングを継続することをサポートしてくれるかもしれない。