走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

足の動きを正しい方向に導いてくれる「ナイキ ルナグライド 8」

実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!

 2009年のデビュー以来、ナイキのランニングカテゴリーにおいて重要なポジションを築き上げてきたのが「ルナグライド」シリーズ。ダイナミックサポートのテクノロジーは、着地時に脚が内側へと過度に倒れこむ、オーバープロネーションの傾向のあるランナーにはその是正を促す。一方でオーバープロネーションの心配がないランナーには高いクッション性を与えるという。そんな優れた汎用性によりランナーから高い支持を集めてきた。

 その、ルナグライドの第8弾モデルとなる「ルナグライド 8」をテストしてみた。

ナイキ ルナグライド 8
ブランド名ナイキ
製品名ルナグライド 8
購入場所ナイキ原宿
実売価格14,040円

 これまで筆者はルナグライドシリーズの歴代モデルすべてを履いて走ってきた。そのなかでも初代モデルは2011年1月の湘南国際マラソンを3時間56分09秒で完走し、初のサブ4を達成した際に履いていただけに、とても思い出深い1足となった。

 そのほかにもクッション性の向上が体感できた第3弾、エンジニアードフォームの採用で、優れたフィット感を追求した第6弾などもお気に入りのモデルとなった。

 しかしながらソールユニットはそのままに、アッパー構造を変更したルナグライド7は実際に履いて走ったものの自分の足には合わず、購入することはなかった。今回フルモデルチェンジされ、その走り心地に期待したが、その走行性能の高さは期待以上となっていた。

 外見はほぼ同時期にリリースされた「ルナエピックフライニット ロー」に似ている。そちらはサイプと呼ばれるミッドソールサイド部分の切込みが、外側のみで短いのが見分けるポイント。そして、ダイナミックサポートが採用されていないのも大きな相違点だ。

「ルナエピックフライニット ロー(写真上)」と同様に、ラバーパーツをアウトソールに使用していない。ランニング時の着圧を基にレーザーカットされたアウトソールパターンは着地から蹴り出しまでのスムーズな動きに大きく貢献する。「ルナグライド8」より「ルナエピックフライニット ロー」のほうが細かくレーザーカットを入れている

 ルナグライド 8に足を入れてみると、エンジニアードメッシュのアッパーはフィット感が高く、サポート力にも優れていることがすぐにわかった。そしてこの種のモデルとしては軽量なのもありがたい。

 走ってみると高いクッション性を感じるとともに、着地から蹴り出しまでのスムーズな動きをサポートしてくれるのも体感できる。これはソールにルナロンという、軽量性とクッション性に優れた合成樹脂のみを使用し、ラバーパーツをアウトソールに使用していないことで実現。さらにランニング時の着圧を基にレーザーカットされたアウトソールパターンが大きく貢献しているかと思う。

サイプと呼ばれるミッドソールサイド部分の切込みが外側のみで短い点も、デザインの似るルナエピックフライニット ローとの外見上の相違点

 そしてルナグライドシリーズの特徴であるダイナミックサポートは、このモデルでも大きな存在感を発揮。わざと脚を内側に傾けるようにして走ると、ミッドソール内側に乗り上げるような感じで、スムーズに前方へと足を向かわせるようにして、正しい動きをサポートしてくれる。

ルナグライドシリーズの大きな特徴であるダイナミックサポート。着地時に過度に脚が内側に倒れこむオーバープロネーションの傾向のあるランナーにはその是正を、一方でオーバープロネーションの心配がないランナーには高いクッション性を与えてくれる

 前モデルと自分のランニングスタイルとはマッチしなかったが、今回のルナグライド 8との相性はバッチリで、購入から短い期間で4度走ったほど。このモデルはランニングビギナーから中級ランナーの日々のトレーニングまで、幅広く対応してくれる1足となるはずだ。

南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間56分09秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。