第2回：我が家の犬と怖くもない夏の怪談

　こんにちは。前回は軽い自己紹介だったので、今回は我が家の犬のこと。

　我が家には1匹のフレンチブルドッグがいます。現在10歳と4か月。老犬の域に入って時々転ぶし若々しさが無くなってきましたが、食欲満点の食いしん坊のオスです。“鼻ぺちゃ”と呼ばれる短吻種に当たるフレンチブルドッグは、暑いのがとても苦手です。夏場の環境や飛行状況の変化を受けやすく、体調に変調をきたす可能性がアリということで、飛行機にも乗れなかったりします。

　そんなフレブルを飼っている我が家なのですが、去年の夏にエアコンが壊れるという軽い事件が起きました。時は7月の最終週（だったはず！）エアコン工事も超繁忙期で、壊れて即工事の依頼をしたのですが、最短で1週間後しか工事ができないという困った状況。

　暑さに弱い犬なので、夏の間はお留守番をしている間も24時間エアコンを稼働している我が家にとっては、軽い衝撃が走ったのです。

　やばい、熱中症で犬がぶっ倒れる……その1週間の間をどうしたものかと考える私。風通りの悪い部屋だけれど、窓を開けてサーキュレーターで空気でも回したらなんとかなるはず!

　クールボードはある。クールボードとは熱伝導性の高いアルミでできたプレートで、お腹をぺたーっと付けて寝るとひんやり冷たいというアナログながら重宝するアイテム。このボードと換気と多めのお水で、乗り切らねば。と思ったのです。

　と言っても、扇風機もサーキュレーターも無い。たった1週間だけど、背に腹は代えられぬ。と言うことで、急いで電気屋へ走ったのです。

　あまり「扇風機欲しいな! 」と今まで思っても無かった私は、扇風機売り場は思い切り盲点というか、チェックすらしていなかった売り場。

　たっくさんある扇風機やサーキュレーター、ピンキリの値段に決めるに決められず悩みまくり。「どうせ1週間なんだからいっちばん安い扇風機でいいんじゃないか」「いやいや、これは部屋には置きたくないデザインだ」「羽根のない扇風機欲しい……高い……」なんて、悩みながら悩みすぎて疲れる始末。

　何を買えばよいか分かりませんと、やっとで店員さんに相談すると、今の流行はDCモーターです! と1つの扇風機を勧められた。素晴らしく省エネなんですと!

　見た目も悪くないし、探すの疲れたし、ではではこれをいただきますと買って帰った夏の日。「1週間のために1万5千円かぁ……いやいやこれからも案外使うだろう」なぁんて言い聞かせながら持ち帰って開封。

　犬に向かっても「ほら、風涼しいでしょ? でしょ?」と言いながら、汗だらだら流しながら、犬と共に初風に浸る私。

　重たい荷物を持って帰ってきたのに、部屋の中は暑く、もうやだーと思いながらソファで一息。テレビを付けながらそよそよと扇風機の風に当たる私。

　そんな時「ピッ」「ピッ」と音がする。そっと扇風機の方を振り返ると……そこにいたのは……。

　「なんだこれ?? 」という感じで犬がクンクンと扇風機を詮索する度に、色々スイッチが押されるワケですよ。いきなり首振り始めたり、リズム（強弱いろんな風が出る）になったり、いきなり強風になったり、そして最後には「ピッ」って切りやがった……。

ちなみに犬がピッピコピッピコしちゃう扇風機のスイッチはこんな感じです

　も、も、盲点すぎた! 「スイッチはアナログボタンで! 」これ、ペット飼ってて扇風機買おうとしてる人に大声で教えたい!

　それからの1週間、心配で心配で生きた心地しなかったんだからね!!! そんな我が家のフレブルは、今日も元気です。