ぷーこの家電日記

第520回

続けていると上達する! 成長とともに畑拡大計画

なんだかこの頃、むしょうに忙しい。何が忙しいのか自分でもよく分からないけれど、とにかくタスクがどんどん山積みになっていて、「あれもしなきゃ」「これもしなきゃ」とその気持ちだけで疲れるというか、とても忙しいのだ。

遊ぶ時間がないというよりも、遊びの時間がない。何もせず色々と思考を巡らせたり、ぼーっとエネルギーを溜めたりという遊びの時間、すなわち余裕がないのである。何とか色々こなせているものの、綱渡りで日々が終わっていくような感覚。

そんなこんなでやらなきゃいけないことに後ろ髪を引かれつつも、「これから3週間は、週末にまとまった時間は取れないな」と思い、えいやー! という気持ちで「今日は家庭菜園にいそしむ!」と決めて、趣味の時間を作った。

家庭菜園も時期が肝心というか、このまま先延ばしにすると、数週間のつもりが数カ月の痛手を負う。夏野菜を準備するには、今がもうギリギリのタイミング。もともと種から苗を育てる時期が1番好きで、小さな小さな種がかわいい芽を出して、そしてそれが立派な苗になっていく過程が「生命力ってすごいなぁ」と見ているだけで楽しい。

だけれど今年は、時間的にも気持ち的にもまったく余裕がなくて、種を蒔く時期を逃し、帳尻合わせで慌てて撒いても、日々の水やりや観察を忘れて枯らしてしまって……。という感じで全くダメだった。

私の心の余裕のバロメーターは、苗のお世話をできるかどうかかもしれない。仕方がないから、今年は苗を買って畑で育てることにした。畑の近くにある小さな種苗屋さんには、この時期だけ軒先で色々な品種の野菜苗が並ぶので、見ているだけで楽しいし、色々買ってみた。そして、ホームセンターも今が夏野菜の苗の最盛期という感じで、沢山の苗が並んでいる。ホームセンターに並ぶ苗は、どちらかというとスタンダードで育てやすいものがほとんどだ。珍しい野菜は少ないけれど、それはそれで食べたい野菜の苗を色々と買ってみた。今年の夏に育てる野菜は、茄子とピーマン、ししとう、それに唐辛子とカボチャ、そして落花生くらい。

オクラとキュウリは大好きなので本当は育てたいのだけれど、週末しか畑に行けない私には難しくて、育てるのを諦めている。特にオクラは大好物な上に、オクラの花はとっても綺麗で、野菜の花の中で1番好きなのでかなり育てたい。けれど、オクラは育ちすぎると硬い筋が出て、食べられたものではない。前にすごく煮込んだら食べられるようになるかなと試したら、「これはただの煮込んだ割り箸じゃん!」という感じで、どれだけ煮込んでも筋は酷かった(笑)。

キュウリは1週間もするとまるでバットのように大きくなる。料理次第で食べられなくはないのだけれど、そんなお化けキュウリが毎週5本も6本も採れると、食べ切るだけで大変。そして「普通のキュウリが食べたい!」という気持ちに負けてやめてしまった。

私が借りている畑は家から車で40分くらいのところにあるので、週末以外に様子を見に行くのが現実的ではないのだ。でも育てたい! 育てて毎日のように食べたい! ということで、今年は家からほど近い、徒歩でも行ける区民農園の抽選に応募すると心に決めている。

いま私が借りている畑は民間の貸し農園で、毎年更新制だ。区営の農園よりは高いけれど、道具も借りられ、同じ区画でずっと育てることができるので、栽培計画も自由に立てられるし、自分なりに工夫して、土も作っていくことができる。

一方で、区民農園はかなり安いけれど、2年間(1年11カ月)限定なので、収穫して撤去することを考えると、栽培できる野菜が限られる上に、けっこう高い倍率での抽選なので、そもそも借りられるかが分からない。当たるか分からないけれど、とりあえず応募だけはしようと思いながら、毎年忘れていた。今年こそはと思い、オクラとキュウリの苗を買わない代わりに、苗を横目に見ながら、Googleカレンダーに応募時期のリマインド登録を入れた(笑)。

もし当たったら、平日は区民農園へ通い、週末は今まで通り貸し畑へ行こうと思う。そうすれば、野菜の種類を変えて、どちらも楽しめることになる。ただでさえ時間がないと言いながら、やることを増やそうとしている自分に呆れるし、こんな感じだからアップアップになる。

分かっているのだけれど、それをカバーしていくのが成長だ。成長というのは、ある時突然感じたりする。私が畑を借りたのが6年前。この6年間ずっと変わらず、ズブの素人のままでやってきたけれど、今年「時間がない!」と言いながらもバタバタ準備しつつ、「あれ? 私、うまくなってない!?」と気がついた。耕すのも肥料を入れて畝(うね)を立てるのも不思議とスムーズ。私はマルチ(畝を覆うビニールのシート)を張るのがとても苦手で苦痛なのだけれど、苦手なりにそこそこ綺麗に、そこそこ早く張れるようになっていることに気がつく。

「わー! 私成長してる! そしてあまり苦痛じゃない!」と気がついた時の感動ったら。年々体力は落ちていくけれど、体力を使わずに同じことがラクにできるようになってくると、これから先、歳をとっても長く長く楽しめる趣味になり得る自信にもなって嬉しい。自分の成長に気づき、ちょっとウキウキ嬉しいし、これでもし区民農園の抽選で当たってもカバーできるぞ! なぁんて思っているけれど、成長の度合いよりも多くのことを詰め込み過ぎていることに気がつかない……計算に弱い私なのでありました(笑)。

もっと頑張れ私……成長!

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。