ぷーこの家電日記

第506回

念願の餅つきペッタンやってきた

早くも2月。1月はインフルエンザで寝込んでいたということもあるけれど、もうショッキングでセンセーショナルで辛いニュースが多すぎて、とにかく気持ちが引っ張られる感じで、私にとってとにかく気持ちも体も重い1カ月だった。

月が変わったからといって元気になる訳ではないのだけれど、自分が手が届く範囲くらいしか大切にできないことを分かっているので、コントロールが効かない手が届かないところの空気に飲まれてる暇があったら、手の届く近い人に少しでも自分の時間とエネルギーを使えるように、少しずつ気持ちを切り替えるスキルを磨いて行きたいなぁと思っている。

そんなこんなで、なんか今年は年末年始感をあまり感じなかったというか、新しい年へのウキウキ感を満喫できぬまま何となくヌルッと2024年が始まって、そして1カ月が経ってしまった。もう年明けとは言えないけれど、消化不良な年末年始感。私はここ何年も年末が来る度に沸々とやりたいことがある……。それは「餅つき」である。

餅つきがやりたすぎて、置く場所も使う機会もないのに臼と杵をメルカリで何度も検索してしまったくらい(笑)。そう。餅が食べたいというよりも、餅がつきたい。欲しいのは餅つき機ではなく、臼と杵なのである。

「あー、餅がつきたくてたまらない」と言っていたら、「え? 明日餅つきあるよ?」と夫が言い出した土曜の夜。「え? 嘘? 近所で?」と聞くと、歩いて15分程度の隣の学区の小学校で餅つきをやるとのこと。朝早くから準備をして、10時には子供達が列をなして、みんなで餅つきをする毎年恒例の結構大きな人気イベントらしい。この時期なのは、年末年始に地方に帰省する人も多いからだろうか。

私が住んでいる地域は、PTAやおやじの会などの活動がかなり活発で、あちこちでどんどん消えていっているようなイベントがしっかりと継続されているのだ。夏祭りなどの模擬店も町内会毎に出していたり、夫が属している地域のソフトボールチームなども積極的に参加している。

上京する前のイメージと全く違った東京生活。場所にもよるのかもしれないけれど、人は優しく、上京組の我々のような人にも両手を広げてウェルカムで受け入れてくれて、でも過度な干渉もなければ不必要な興味も持たれない。地元愛もしっかり持っていて、この寛容で優しい街が私はかなり好きだ。全然砂漠じゃ無かったよTOKYO! (笑)。

猛烈に餅つきがしたい私だけれど、流石に子供たちを押しのけてまで餅をつく気はない(笑)。夫のチームメイト達が主となって開催されているイベントなので、お手伝いを兼ねて、早めに餅つき会場の小学校のグラウンドに行った。学校の門をくぐると、すでに餅米を蒸した良い香りが漂い、ものすごく気持ちが上がった。そして思っていた以上に大規模な設営にびっくりした。

おやじの会の人たちが米を蒸してこねてついて、PTAの女性チームがそれをきなこ餅と醤油餅にしてパックに詰め込んでいっている。餅がつきたい以前に、これはお手伝いしなければと焦りながらも、邪魔になってもいけないしと、入る隙がなく、ただオロオロと右往左往する私(笑)。こういう時に人付き合いが苦手だった事を再認識する(笑)。

どうしたもんかとお手伝い迷宮に迷い込んでいると「はい次蒸しあがったよー!」と呼んでくれた。念願の餅つき! 最初は餅はつくのではなく、3人位で杵でこねていく。石臼の周りを回りながら体重かけてこねていくのは儀式みたいで見ていると面白いのだけれど、実際やってみるとめちゃくちゃ力がいるし疲れる。そして潰し終わったら、いざペッタンペッタンつくのである。

杵は力任せに振るのではなく、杵の重さで落とすようについていくのがコツだ。家庭菜園が趣味の私は「鍬で耕すのと同じ要領か!」と感動。餅つきに参戦させてもらうと「めっちゃ上手いじゃん!」と褒められ、調子に乗ってしまった(笑)。

お米が蒸しあがる度にみんなで変わるがわるこねてついてと、何度も何度も思う存分に餅をつかせてもらって、最高の気分で大満足。息は切れるし、上着を脱ぎたいほど体が温まった頃、時刻は10時を回り、たくさんの人が集まってきた。そして、やっと私もお手伝いできる場所を見つけた。杵をお湯につけて次の子に渡し、つき終わった子から杵を受け取ってお湯に浸ける杵係である。

そしてもう一つは、子供達がついている時に「よいしょー! よいしょー!」と威勢よく声をかける声援係だ(笑)。子供たちも楽しそうに一生懸命餅をついている。こういう楽しい思い出がきっと繋がれて、次の世代に巡っていくんだろうなぁと、地域活動の凄さを感じたのだ。

そして大勢の保護者の方々も休日の朝早くから準備して、尊敬しかない。今までほぼノータッチで来た私だけど、これからはもう少し地域活動に参加できたらなと思う機会になった餅つきだった。

あぁ、餅つき楽しかったなぁ。つきたてのお餅も美味しかったなぁ! と大満足だった週明け、腕だけじゃなくて背中までもバッキバキに筋肉痛で、何も持てないし、何も握れないというズタボロ状態になっていて、「あぁ、これが楽しい思い出のお土産ってやつかー」と、2、3日心身ともに思い出にどっぷり浸っていたのでありました。餅つきの運動量、すごい!

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。