ぷーこの家電日記

第484回

コロナ陽性で自宅療養。軽症でもなかなか堪える

普段エアコンが効いた涼しい部屋でデスクワークをしている私は、この猛暑に全然体がついていけない。なので、週末にちょっと畑で作業をしているだけで危険を感じる。

「あとちょっとだから」は絶対に禁物で、30分に1回は休憩と水分補給をしている。熱中症患者もかなり多いみたいで、この夏は厳しい。そして、今また新型コロナの感染者数が増えているらしい。そんな流行に、このたび私も乗っかってしまった。幸い症状は軽く長引くこともなく快方に向かってはいるけれど、軽いとはいえなかなか辛かった。

週明けに仕事が終わって夕方帰宅し、少し喉がイガイガするなぁと思いながらうがいをいつもよりちょっと念入りにして、いつも通り晩酌とかしながらテレビを見たりPCで作業をしたりしていると、「ん? なんか熱っぽいぞ」と思い熱を測ると既に38℃を超えていた。

「早めに寝なきゃ」と思いながら寝る準備なんかをしている間に熱は39℃まで上がってしまった。

私は疲れが溜まると扁桃腺が腫れて扁桃炎になってしまうことが過去に何度もあった。扁桃炎の時も高熱をともなう。39℃〜40℃くらいまで一気に発熱するので、「うわぁ、遊びすぎたかなぁ。ちょっと疲れ溜まってたし」と反省しながら急いで寝て朝起きると変わらず39℃。

熱をともなう関節痛で全身痛いものの、熱と軽い喉の痛み、あとは結構な頭痛だけで咳などは出ていなかったので、ひとまず仕事はお休みをもらい、ひたすらに寝続けて1日過ごした。

夕方起きて熱を測っても相変わらず39℃とか39.3℃とかそこら辺を行ったり来たり。その時に「扁桃炎と思っていたけれど、扁桃炎の時って明らかにもっと喉が痛いし、鏡でも確認できるほど扁桃腺が白く化膿するはずなのに化膿していない」といつもと違うことに気付いた。

そこで痛む体を引きずるように抗原検査キットを取り出して検査してみると、くっきり綺麗に陽性反応が出て、この時点で感染していることに気づいたのだ。「マジか」が最初の素直な感想だった。

検査結果が出てすぐに、まずはここ数日以内に会った人に慌てて連絡を入れる。高熱よりも、これからどうなるかよりも、1番怖くて緊張した気がする。心配と申し訳なさと、色々入り混じってメッセージを打ちながら手が震えそうで、隠しちゃう人の気持ちが何となくというか、すごくよく分かった。

げんに私も、ほんの一瞬は躊躇してしまった。なにごともありませんようにと祈るように連絡して、誰もが、その日もそして今のところは抗原検査で陰性ということを知り、泣きそうにホッとしている。これで周りの人も発症していたら、申し訳ないという言葉では表現できなかっただろうから、とにかく猛省しつつ軽い安堵感と優しい気遣いの返信を、正座しながら拝んだ。

【訂正】初出時に「抗体検査」としていましたが、正しくは「抗原検査」のため訂正しました(7月31日)

夫はちょうど出張で不在だったので、難しい家庭内隔離を考えずに過ごせるのは、不安どころかものすごく気楽だった。もし私が急に悪化して入院となった場合にも、猫のお世話をしにきてくれる人もいるし、安心して寝込む。

39℃超えの熱が続くと、体力も少しずつ削られていくのを感じる。それだけ体はつらいのに、食欲がまったく落ちないことに我ながら驚く。熱で体が痛いのに米とか炊いて、とっておきの美味しいレトルトカレーなんて食べちゃった(笑)。幸い味覚がなくなるなどの症状もまったくなく、嬉しかった。

発症の翌日には、少し良くなってないかなと期待したけれど、良くなるどころか喉が激痛で唾を飲み込むのもつらいくらいに悪化した。

熱は少しだけ下がって38.5℃くらい。それでもお腹が空く私の食い意地よ。固形物は食べられないなと、ポタージュスープでも飲もうと思ったけれど牛乳がないので、初めてイオンのネットスーパーに登録した。

なんて便利なんだと感動しながら、牛乳とスポーツドリンク数本、そして猫砂などを届けてもらった。スープメーカーに材料を入れてスイッチを押してまた横になる。

キッチンでゆっくり料理をする体力もないなかで、スープメーカーはめちゃくちゃいい働きをしてくれた。喉が痛くてゆっくり少しずつしか飲めなかったけれど、スープが染み渡る。

慣れなのか少しずつ痛みも和らぎ、夕方には固形物も食べられるようになった……のに、翌朝にはさらに喉の痛みが強くなって唾を飲み込むだけで切れそうな激痛に涙が出る。

それでも熱は下がり喉の痛みも時間とともに少しずつ引き、痰が絡むようになってきたので、きっともう少しで完治する予感。

結果、このコロナ療養生活の中で良かったなと思うことの第1位は「何かあったときに頼れる人がいる」という安心感だった。

1人でいてもいざという時に連絡する先があるのは、なにより心強く安心できる。それが家族であれ友人であれ病院であれ、いざという時の連絡先の確保は、心の保険だと思う。

そして第2位はトマト(笑)。1番高熱の時に寝て起きては冷え冷えのミニトマトを山盛り食べていたのだけれど、これがもう泣きそうに美味しかった。水分も栄養も元気も浸透する感じでとにかく美味しかった。夏野菜のトマトは体を冷やす効果があるのも良かった気がする。

そして3位はお見舞いでいただいた桃。喉が痛くてまともに食べられない時に、甘くて柔らかい完熟の桃の果汁に「ここは極楽浄土でしょうか?」などと呟いてしまう美味しさだった。

結局参考にもならない食べ物寄りの感想だけれど、本当に私はこれらで救われた気持ちになったのは事実だ。

軽症で済んで本当に良かったとはいえ、それなりに物凄く体に堪えて物凄く辛かった。

今年は数年ぶりに復活するお祭りなども多く、いつも以上に人混みも増えると思うので、今一度安全対策などを万全にして気をつけて出掛けてほしい。

今回罹患して分かったことは「マジでならないに越したことはない」なのでありました。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。