ぷーこの家電日記

第454回

居酒屋ごっこで楽しい誕生日パーティー

寒いな寒いなと思いつつ、あまり外に出ないし、気密性の高いマンションで案外暖かかったりもする。ワークマンでヒーターブランケットを買ったので、日中は膝にかけつつ、私の太ももの極度の冷え性をやり過ごしていたけれど、急にあまりにも寒くなったもんだから、今週コタツを設置した。去年買ったニトリのコタツだ。夏は普通のリビングテーブルとして使えて、冬はこたつにも使える優秀家具。設置した翌日にはこたつの中に猫が集合していて、本当に猫はこたつで丸くなるよねぇと冬の到来を感じるのです。

12月になって結構慌ただしく、ワタワタしているのだけれど、そんな最中にわが夫の誕生日がやってきた。新婚ほやほやの結婚初年度こそ、完全に夫の誕生日なんて忘れてて「今日友達と飲み会行ってくる!」と言って「え? あ、うん。行ってらっしゃい」なんて返事させる酷いことがあったけれど(昼くらいに思い出して、申し訳なさで血の気引いて、友人にはリスケお願いして、無事にお誕生日は祝えた!)、その後は毎年それをネタにしつつも、ともに盛大に誕生日を祝うのが我々の習慣だ。

何がきっかけだったか覚えていないけれど、夫の誕生日と言えば、毎年アメ横巡りだ。年末の風物詩のようになっているアメ横の商店街だけれど、正月色が少し薄い12月初旬の週末、昼頃からいつもの(と言っても年1)立ち飲み屋さんで瓶ビールを飲みながら好きなおつまみを食べ、アメ横の混濁と言ってもよいくらいの雑多な街でショッピングを楽しみ、そして歩き疲れる度にまるでお茶をするように居酒屋に入りお酒を引っ掛け、すごいご機嫌で帰宅するのが夫の誕生日の過ごし方なのである。

私の誕生日もだけれど、素敵なレストランでのディナーとかよりも私たちには居酒屋がしっくりくるのだ。「今年も楽しかったねー!」と楽しい年1のイベントだ。

そして今年も誕生日がやってきた! 今回も恒例の……と思う気持ちもありつつ、つい先日見つけた地方市場の魅力と、数カ月前に地元福岡の友達が遊びに来てくれた時にこの楽しいアメ横イベントをなぞったような日を過ごしたこともあり、「いつもの立ち飲みにする? 家で好きなものを好きなだけ食べる?」と2択で迷っていた。

どちらも大好きな夫としては「当日起きてから考える」なぁんて返事で選び難かった模様。一応もてなす立場の私としては直前まで分からないのはドキドキハラハラである。前日の夜に「よーし! 家にする!」と自分の誕生日会場を決定。晴れて(?)我が家で2人で誕生日パーティーをすることになったのである。

当日の計画としては、朝早く夫が市場に出かけ、食べたいものを食べたいだけ買ってくる。「こんなに食べられないよなぁ。どっちにするかなぁ」の迷いは翌日以降にでもどうにでもするので、迷ったらどちらも買うという誕生日特別ルール(笑)。

そして買い出し後、夫は2度寝の旅に寝室へ。バトンタッチで遅起きの私が起き出し、ここからが女将としてのお仕事である。夫が買ってきたものを使って何を作るか考えて、それに使う他の食材の買い物に行き、食べ物以外にも誕生日パーティーの会場を作らねばならない。

タイムリミット(夫の2度寝タイム)は3時間だ。こういうイベントは大好きだ! 楽しいことが大好きだし、全力でパーティーを準備すること自体、楽しくて仕方がなかったりする。

誕生日の飾り付けは、誕生日感よりも居酒屋感である。100均に出かけて紙やら筆やら墨汁やらを買って帰り、飾り付けの準備を進める。よくある居酒屋の赤枠メニューを飾り付けたくて数軒見て回ったけれど売ってなかったので、画用紙と赤いマスキングテープでそれっぽく工作。

食事のメニューは開いて見れるようにスケッチブックをこれまた100均で。自分の頭の中の居酒屋のイメージを全開に準備していく。私がワクワク準備している時間、どうやら夫もワクワクしすぎて全然二度寝できなかったようである(笑)。昼過ぎに「そろそろ入っていい?」とのれんをくぐってご来店。「あらお客さん、今まだ準備中だけど、まぁビールでも飲んでゆっくりしていってー」とかって言いながら席に案内する。

すでに居酒屋ごっこは始まっているのである。壁にはドリンクメニュー、両開きのメニューには食べ物メニュー。想像以上に喜んでくれて嬉しい。「だてに今まで飲んできてないね!」と褒められてるんだかよく分からない褒め言葉も(笑)。

やっぱり遊びこそ全力投球に限る! 完全に居酒屋と化したリビングで「貝を刺身で盛り合わせください」とか、「ホッピーの中おかわり!」とかって夫もノリノリだ。家居酒屋で昼飲みの誕生日パーティー! これがめちゃくちゃ楽しいし美味しかった!

食べ疲れと飲み疲れで、夜も早いうちに閉店となった。家で飲むと、帰る面倒さがないのが最高である。寝たければいつでも寝れる。そんな私は、夫が朝買い出しに行った時に「やっぱり箱買いって憧れじゃん?」と発泡スチロールで買ってきた大量の豆あじをひたすらに開くという残業が待っていたけれど(笑)。手作りの味醂干しとアジフライの仕込みが終わって、ようやく店の電気は落とされたのでありました。居酒屋ごっこ、また来年もやりたいなぁ!

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。